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コロナ禍でわたしたちが学んだこと

10都府県の緊急事態宣言解除が発表された。ワクチンの接種も始まり、いよいよコロナ禍は(今のところ)収束の方向へと向かいつつある。国や自治体の経済対策も(賛否はあるが)粛々と進んでいる。オリンピックもこのままで行けば開催の方針で進むだろう。昨年3月以降、世界的に広まったコロナで翻弄された1年だった。まだ予断は許さないが、今日で2021年2月も終わるので、あらためてこの1年を個人的に振り返ってみたい。

日常生活を振り返って

・まちの様相が一変した

まず、観光業が支えるこのまちからインバウンドが一瞬にして消えてしまった。私の経営するゲストハウスも3月以降の予約が軒並みキャンセルとなり、4月は春の高山祭が実質上の中止、ゴールディンウィークは国内旅行客も自粛のため、このまちから観光客がいなくなってしまった。

・次第に経済への影響を実感するようになった

仕事の予定もキャンセルが相次ぎ、次第に収入の不安を感じるようになってきた。定額給付金や持続化給付金の受付が始まり、申請手続きに翻弄された。市役所は給付金の手続きで人がごった返し、3密は崩壊状態。

・自粛要請が始まる

国の自粛要請について連日マスコミが報道するようになり、周りの人たちも次第に外出や集会などを自粛するようになった。この頃はまだそれほど深刻な状態とは誰も考えていなかっただろう。コロナの実態もまだよくわかっておらず、楽観的な空気さえあった。

・自警団が動き始めた

このまちで罹患者が出たのは、半年以上経過してからでそれまでは、一体だれが一番くじを引くかのような話がささやかれていた。そして、県外との行き来について次第に警戒する空気がなんとなく漂い始め、周辺の町内では遂に自警団が動き始め、露骨なまでの会話も表面化し始めた。県外ナンバーのクルマに対して眉をひそめる人も出てくるようになったのだ。

・学校の混乱

学校の休校が始まり、インターネット環境が不十分な家庭もある中、少し無理やりネットワーク授業が始まった学校も出始めた。

・GoToトラベルキャンペーンの時には少し賑わいだ

秋口には、GoToトラベルキャンペーンの効果もあり、国内観光客が足を運ぶようになり、少しまちは賑やかになったが、第3波の影響で、まちの賑わいは一気に縮小してしまった。

他にもいろいろとあるが、全般的に昭和のひっそりとしたまちに戻ってしまったかのようである。

我々は何を学べたか?

ここからは個人的な見解だが、私なりに感じたことをいくつか取り上げてみたい。

・一本足打法の産業の脆さ

このまちは、観光業を主体として小売り、卸、など多くの業界が依存している。そのため観光客が蒸発した瞬間から、多くの事業者が苦境に立たされてしまった。まちの内需だけではこのまちの経済を支えるのは非常に厳しいということが露呈したように思える。二刀流ではないが、今後は新しい産業基盤の育成などにも取り組まねばならないと思う。

・風評の危険性

とかく、地方は噂話が広がりやすい素地がある。噂話が広がったときに、何の裏付けも取らずに拡散してゆく危険性をはらんでいる。風評被害によって商売が立ち行かなくなるような事態は避けねばならない。

・マスコミの偏向報道

インターネットの時代になって良かったと思うのは、新聞、テレビの偏向報道に惑わされない情報源が存在したこと。しかし、いまだに多くの住民はマスコミを信じている。政治家の発言が切り取られて報道されたり、適当な発言でお茶を濁す質の低いコメンテーターを揃えたバラエティ番組、財務省の言いなりでしか記事の書けない記者による新聞報道など、マスゴミのひどさが際立った。以前から日本のジャーナリズムは問題視されてきたが、ここにきて、その酷さが露呈した。

・政治に関する関心

この状況でなおも、財政規律を重んじる政府、それにしっかりと指摘や対応ができない野党の脆弱さなど、この先の政治がどうなってゆくのかについて国民の興味・関心が少しずつ高まってきたように思える。

年明け、岐阜県は知事選もあって、あらためて県政の在り方を考えさせられた時期でもあった。

・自治体の体制、医療体制の脆弱さ

政府の緊縮財政の方針のもと、地方自治体職員は段階的に削減されてきた。そのため、今回の一連の給付金、補助金申請や保健所の対応などは慢性的な人員不足により相当混乱した。また、医療体制の構造的問題も露呈した。

これから先のこと

では、これらの教訓を我々はどのように活かしてゆくべきなのだろうか?

1つは政治にもっと関心を持つことだろう。所詮何も変わらないと思うのではなく、まずは選挙に出かけ、自分の意志で被選挙人を選び、投票することだろう。

また、有志の間からでも構わない。これらの課題について自分なりに考えていることをお互いに共有し、できれば具体的な行動に移すことである。

さらには共同体意識の重要性を認識し、分断を助長することなく自分の足元をしっかりと踏み固めてゆくことだろう。

同じ過ちを繰り返さないよう、しっかりと考えてゆきたい。

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