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バンコク病院での出産体験記❶(入院〜出産まで)

2021年5月、バンコク病院で第一子を出産しました。

自然分娩の予定が、途中で帝王切開になり、予想外ではあったのですが、先生や看護師さんたちのサポートで、とても良いお産ができたなと感じています。

バンコク病院での妊婦検診や出産に関する日本語の情報がかなり少ない(というか、ほぼない)ので、これからバンコクで出産予定の方のお役に立てればと思います。

まさかの陣痛に気づかなかった私

その日は38週の検診日で、朝から病院に。

出産間近なので、やることは盛り沢山。エコーに、問診に、NST(赤ちゃんの心拍と陣痛の強さを測る機械)での計測がある予定。

2階にある産科でのエコーと問診はいつも通り終えて、3階の分娩室に移動。約40分ほどNSTを装着していたのですが、なんとその間に向かいの部屋で赤ちゃんが誕生!産声が聞こえて、思わず涙...。「私もあと1、2週間で赤ちゃんに会えるのね〜」と感動に浸りつつ、また産科の先生のところへ。

ところが、部屋に入ると先生の様子がいつもと違う...。日本語の通訳さんを待つ間、先生がタイ語で何やら説明してくれたのですが

「...ん?ジンツウが...キテいる??」

通訳さんが到着して改めて聞いたところ、NSTの数値を見る限り、すでに10分間隔を切る陣痛が来ているらしい!この時点でまさかの自覚なし。笑 そのまま急いで内診(想定外の激痛)をしてもらうと、子宮口も2cm開いてるとのこと!

「このまま入院して様子みましょう。」

「??????!」

私の頭の中は「陣痛ってもっと痛いのでは...。どれだ。陣痛どこだ!そういえば、さっきから便意がある気はする...。これが陣痛なの...?!」と戸惑い。生まれる気は、まったくしない。

そして「え、入院?もう家に帰れないの?生まれるの??」と興奮気味の夫。

その後は、先生と看護師さんにほどこされるがまま、入院になりました。

ただし、入院グッツは何も持って来ていないので、夫に取りに帰ってもらうことに。夫を待つ間は、陣痛室に一人。NSTの「ピッ...ピッ...」 という無機質な音を聞いている時間は、とても長く感じました。

内診から3〜4時間後、先生が分娩室に来てくれて、再度内診。わずかに進んで、子宮口は3cm。

「今夜は生まれないかもね。夕食食べていいよ!」

カオトムを食べてから、部屋で待つことになりました。肝心の陣痛はというと、5分ほどの感覚で継続し、内診後は少し強くなったものの(といっても、かるい生理痛程度)、それ以上になることもなく、夜が老けていきました...。

そして、明け方。再び先生に内診してもらうと、子宮口は昨日と同じ3cm。やはり開いていない。

「このままだとまだ時間がかかりそうだし、帝王切開をおすすめします」

でも、できれば経膣分娩を経験してみたかった私は、あとどのくらいまで待てるか聞いたところ、

「では、人口破膜してみて、4時間だけ待ちましょう」

とのこと。すぐには手術にならず安堵しつつ、いざ、破膜!と準備をしていると、

「ああ.... 赤ちゃんがぷかぷか浮いてるから、破膜できないね!これはもう帝王切開にしましょう!」

これ以上ごねてどうにかなる気配はなく、、結局、帝王切開に。そこからは、あれよあれよ。

「旦那さん荷物まとめて〜。浣腸して、剃毛しますよ〜。指輪外してね〜。こっちのベッドに移ってね、そのまま準備室移動するよ〜。」

と、30分後くらいには手術台に登っていました。笑
(夫とは、陣痛室から運んでもらうときに一度別れ、のちに手術室で再会。そう、帝王切開でも立ち合いができました)

いよいよ出産へ

手術室に入ると、移動用のベッドから手術台に移してもらい、すぐ、麻酔科医が麻酔について簡単な説明をしてくれました。

体を横にして、お腹を抱えて丸くなるよう指示されます。そこに、麻酔針が刺さると、思わず背中を反ってしまいそうに。痛みを想像してびくびくしていたのですが、普通の注射と同じくらいの痛みしか感じず、むしろ背中が伸びるような動きをしたことにびっくりしている間に終わりました。

そのあとは、ものの数分で下半身の感覚が消えていく。その隙に、私の胸から下のあたりに簡単な目隠しが設置され、服も脱がされ、尿道カテーテルなど挿入して、手術の準備がすすめられていたようです(もちろん感覚はなし)。病院とはいえ、自分の意識がありつつ人前ですっぽんぽんになるのは抵抗がありましたが、感覚があるうちは見えないようにしてくれていたし、しっかりフォローしてくれてありがたいなあと感じました。

手術までは、タイならではというか、テキパキ準備を進めてくれつつ、看護師さんたちは談笑していて、先生が入ってくると「サワディーカー、アチャーン」となんとも和やかな雰囲気。

そういや、いつ夫に会えるのかしらと思っていると、途中で夫が入ってきました。私の顔の右横あたりに椅子が用意されてあったらしく、顔をのぞいて声をかけてくれて、安心。

「もう始まってるの?」

と聞くと、

「お腹開いとるよ」

と夫。知らない間に手術が始まっていたという衝撃。笑 血などまったく平気な夫は、立ち上がって覗き込もうとしたところ、さすがに看護師さんたちに静止されてました。笑 まもなく、先生の「赤ちゃんでるよ〜!」の掛け声とともに、お腹をぐぐぐっと押されて、赤ちゃんが出てきた!

先生が羊水を吸引をしてくれると「おぎゃー!」と元気な声をあげてくれました。私は、安堵と嬉しさで涙。

処置をされてタオルにくるまった赤ちゃんを、看護師さんが私の胸元に連れてきてくれました。夫と病院のカメラで記念写真をパチリ(このときの写真は、退院までに印刷して渡してくれました)。また、初乳もあげさせてくれます。といっても、軽くちゅっと触れるだけ。

その後、私は残りの処置があるので、夫は早々に退場。先に、入院室に案内されたとのこと。

麻酔をすると、気持ち悪くなったり、意識が朦朧とすることもあるようなのですが、私は特にそういったこともなく、冷静。

「そういえば、自分の胎盤見たいな...」

と思ったのですが、胎盤って英語でなんて言うんだ...と分からず、断念。笑(ちなみに手術中は通訳がつかず、すべて英語。リクエストしたら電話などつなげてくれるかもしれません。) 

すべての処置が終わると、手術室から出て、待機室?のようなところに移されました。麻酔の影響で体がぶるぶる震えていたのですが、ヒーターを持ってきて、布団の中に温風を流してくれ、ここで確か1時間ほど待機。

その後、やっとやっと、病室へ移動し、夫と再会。赤ちゃんとは、2〜3時間後に会える(病室に連れて来てくれる)とのこと。早く赤ちゃんに会いたくて、夫が撮影してくれた写真を何度も眺めて、そわそわしながら赤ちゃんを待ちました。

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