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てのひらサイズの物語

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リアルの中に一瞬のファンタジー 短編ならぬ掌編小説と詩集
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#小説

【掌編小説】狐琴回廊 (こきんかいろう)

【掌編小説】狐琴回廊 (こきんかいろう)

 御座敷にあがるまでには半刻ほどあった。
ほんの少しと、うたた寝に浸った。
目を覚ますと、一匹の子狐が立っていた。
身の丈は三寸五分位だろうか。
身体は白く、目は開いているのかどうかわからないほどで、赤いちゃんちゃんこが、やけに目にとまった。
「道に迷ったのかい?」
子狐はそれには答えず、ただ微笑んでいた。
御座敷の時間なので、子狐に帰るよう伝えて部屋を出た。

 御座敷から戻ると、子狐はいな

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【掌編小説】雪景色

【掌編小説】雪景色

 夕方、彼から電話があった。
「たまには外食にしようか」
「どうしたの?」
「何がだよ?」
「珍しいなぁって」
「この近くに美味しいラーメン屋があるんだよ」 「なんだぁ、ラーメンかぁ」
「嫌か?」
「ううん。何時に何処?」
「五時に迎えにいくよ。支度しといて」
「うん。待ってる」 そう言って電話を切った。

あれから二時間。
彼からは何の連絡もないまま五時を回った。
ケイタ

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