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【米国株OP】QYLDを自炊してみよう!

最近、QYLDという米国ETFが結構話題のようですね。ネットの情報によると月間の分配金が10%を超える?とか。どんな理屈だろうと調べてみると、オプショントレーダーではおなじみのカバードコールによるプレミアムが分配金の源泉のようですね。

ならば、「運用会社に手数料払うくらいなら、QYLDを自分で作ればよくね?」ということで、QYLDを自分で組む方法をお伝えしようと思います!

QYLDとは

まずは簡単にQYLDのおさらいです。正式名称はグローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETFであり、ファンドの概要には下記のように書かれております。

ファンド概要
カバード・コール戦略で利益を生み出そうとするもので、ナスダック100指数の株式を購入し、対応する同一指数のコール・オプションを売却します。

(出典)グローバルX公式HPより

NASDAQ100インデックスの構成銘柄の株を所有しつつ、ATMのコールオプションを毎月売ることで運用しているようです。NASDAQ100といえば、QQQというETFが有名ですよね。自分でQYLDを作るには、QQQの現物株をもち、毎月ATMのコールを売ればよいだけです。簡単ですね♪

QYLDを自炊しよう!

では、早速QQQの現物株を取得しましょう。QQQの株価を確認すると、2022年3月25日時点で359ドルです。現在、円安になってますので日本円にすると1株で4.3万円くらいですね。

ここで注意が必要です!実は米国株OPの場合、OP1枚あたり株式が100株必要なんです。つまり、カバードコールでATMのコールを1枚売る場合、現物株を100株もっていないといけないわけです。

カバードコール自体は、証拠金が必要ないトレード(※証券会社によって異なるかもしれませんが、サクソバンクでは必要ないです)なのですが、それでもQQQを100株手に入れるて、QYLDを自炊するためには430万円の資金が必要になります💦

QYLDはの株価は20ドルくらいですし、米国株を1株から購入が可能であるので、流石に400万円を払って自作するのはハードルが高さそうです💦

ちょっとお安いQYLDを自炊しよう!

400万円でQYLDを自炊するのはちょっと資金が高すぎるので、もう少し安くQYLDを自炊する方法を考えてみます。

この画像は、Market Chameleonという海外のサイトなのですが、米国株OPの情報も充実しており、無料でオプション情報が得られます。こちらは、QQQのオプションチェーン(オプションの価格表)になります。

米国株オプションはとても流動性が高いので、満期が1年後、中には2年後のオプションまで取引されております。上記画像は、満期が1年後(2023年3月17日)のオプション価格になりますが、権利行使価格250ドルのコールが118.58~119.85ドルの間で取引されております。

まず、これを1枚購入します。119ドルくらいに指値を入れておけば、間もなく約定します。この250ドルのコール1枚買いが現物株に相当します。その時必要な資金は、119ドル×100=11,900ドルとなり、日本円で140万円程度になります。先ほどのQQQよりは随分お得ですよね。

今度は、カバードコールを作るために、ATMのコールを売ります。QYLDは1か月毎に分配金を払っているので、来月のSQ日(4/14)のATMを売ってみましょう。

4/14満期の360ドルのコールが7.74ドルになりますので、これを売ります。ただ、先ほどのカバードコールと違って今回は現物株を所有していないため証拠金が必要になります。

証拠金については証券会社毎で方針が異なりますが、サクソバンクの場合は、下記画像のとおり、ATMのコールを売ると87万円の証拠金が必要となします。

ということは、先ほどのコール買い(140万円)とコール売り(87万円)を合わせると227万円でQYLDを作成することができました!ただ、証拠金は株価の変動で上下しますので、余裕を見ると300万円くらいは必要でしょうか。でも、少しだけお得にQYLDを作ることが可能です。

LEAPSダイアゴナル・スプレッド

今回、ご紹介したちょっとお安いQYLDは、LEAPSダイアゴナル・スプレッドという手法を用いて作っております。詳しい情報は割愛しましたが、もし、ご興味があれば、下記で内容をご紹介しておりますので、ご一読いただければ幸いです。

簡単に説明すると、満期が長期であるオプションのDITMとなっているオプションは現物株と同じ値動きをします。つまり、現物株を所有していることと同じになります。

今回は1年後の満期のデルタが0.9となっている権利行使価格を選択しました。デルタは原資産の感応度と呼ばれており、原資産(今回の場合はQQQの株価)が変動した際に、プレミアムがどれだけ変動するかを表しております。デルタが0.9ということは、QQQが1ドル変動したら0.9ドルプレミアムが変動するということです。ほぼ、値動きが現物株に連動するということです。

カバードコールのフォローの仕方は、おそらくQYLDは機械的にローリングしているのだと思いますので、下記noteを参照していただければと思います。

簡単に説明すると、コール売りの満期日にOTMとなっていれば、そのプレミアムが利益となり、新たに翌月のATMのコールを売ればよいです。もし、ITMであれば、反対決済をして、新たに翌月のATMのコールを売るだけです。

最後に

今日は、QYLDを自炊する方法についてご紹介してみました。まあ、実際、自炊する方はいないと思いますが、オプションを使えばこんな取引が可能なんだよと理解いただければ幸いです。

QYLDを買うにしても、ターゲットバイイング(プット売り)で手に入れればプレミアム分はお得ですしね。それでも、普通に現物株を買うよりメリットが高いですしね。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!参考になれば幸いです。

ありがとうございました!