【映画感想】過去のない男

フィンランド映画の、過去のない男を鑑賞。淡々としているけど、シニカルジョークがちょくちょくあって面白く、不思議な感覚の映画でした。映像の状態と、公衆電話のシーンなどから、80年代に作られたもの?と思っていたら、2002年製作でビックリ。なんか、とても「昭和」(後期)を感じたので。

暴漢に襲われて頭を殴られ、記憶をなくしてしまう男。(50代に見えた)日常生活に支障はないけれど、自分の名前、これまで関わってきた環境が全く思い出せないでいた。偶然、彼を助けてくれる出会いがあり、住環境、職探し、と自立の道を歩む中で、心が折れる出来事も出てくる。名前がないため、正規ルートでないのをいいことに、家賃など、容赦なくお金を持っていこうとする悪徳なお役所男に付きまとわれる、職安では、身元がわからないということで、門前払い。(ちょっとは心配して、警察と連携しないのか?)そんな失意のどん底(淡々としていて、どん底に落ち込んでいる様子でもないけど、心は絶望なはず 笑)の中で、救世軍に属する女性に恋心を抱き、不器用ながらもアプローチするところがかわゆい。

名のない男(私の中では、マイルド安岡力也)の住居はコンテナなんだけれど、修理してもらったジュークボックスを置いたり、小さな即席キッチンで自炊できたりと、温かみがある。わずかな種芋を手に入れて、小さな畑を作って寒い冬に備えようとしたりして、小さいながらも彼なりの豊かな生活を作って謳歌していた。

セレンディピティ、という言葉を思い出した。゛幸運な偶然を手に入れる近力” という意味らしい。マイルド力也は、引きが良い男のように見えるが、淡々と行動しているのよね。やはり、行動せずにチャンスはやってこない。でも、「よっしゃ~!やったるで。」なんて肩ひじ張らずに、目の前のことを着々と進めていってる感じ。そうして、弱みを握って、やたらと金をぼったくるお役所男の態度が変わっていく。大嶋先生の法則にピッタリなんだよね~。淡々とやれば見える景色が変わっていくんだよ、という例をわかりやすく表わしている映画。

そして、とうとうマイルド力也の身元が判明。まあ、色々あったのね~。でも、遠回りしたけどたどり着いんだんだね♪ という表現にしておきます。(笑)音楽も映画に彩を添えていて、(日本の曲も出てくる!)シンプルなな幸せがそこにはあった。色々抱えて疲れている人は、MUST WATCHでございます。大切なものをいつも感じるために、そうでない、古いものや考えは、ちょくちょく整理していきたいものです。ということで、大掃除スターティン♪


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