人生の夏休み(詩)
夏休みには形がなかった
日時計の錆は滲んでいた
都会には生活がなかった
予定があるだけだった
線は真っ直ぐ続いていた
僕は上手く乗れなかった
深夜の風が気持ちよかった
生きている事が嫌になった
夏休みには形がなかった
今は予定の詰め物ばかりだ
夏休みだって予定が入った
それは決して一つじゃなかった
深夜の風が気持ちよかった
生きている事が嫌になった
腹を出して眠りたくなった
風邪をひく事は許されなかった
僕には労働が向いてなかった
けど働くのは義務になってた
深夜の風が気持ちよかった
生きている事が嫌になった
まともな人間になれなかった
急には人は変われなかった
そろそろメッキが剥がれていた
僕はぼんやり夏休みの事考えてた
人生には夏休みが必要だった
それは永遠に続くものだった
目を閉じればいつでも入れた
迷い込んだらおしまいになった
夏休みには形がなかった
日時計なんか必要なかった
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