僕のまじない(詩)
僕のまじないを見せてあげる
魔法ってほど甘くはないさ
僕のまじないを見せてあげる
風はさっきぶりに通り過ぎた
営みに疲れた顔をしているね
群れから群れへ移動させられて
人並みに出来ないって顔をしているね
ズレたらズレたで直せなくなって
いいよいいよ こっちおいでよ
新しい花火を打ち上げようよ
僕のまじないを見せてあげる
魔法ってほど健全じゃないさ
僕のまじないを見せてあげる
凧は緩やかに下降を始めた
自分の事を馬鹿にしているね
言われた事すらうまく出来ずに
気分の事すら操縦できてないね
嫌われてもいいって口だけでさ
いいよいいよ こっちおいでよ
解決策なんかはあげられないけど
僕のまじないを見せてあげる
魔法ってほど美しくはないさ
僕のまじないを見せてあげる
雨はさっきぶりに降り始めた
誰も彼もひとりならば苦労しないのにね
風も雨もひとりだからいつも歌っているね
けど僕ら人間 愚かすぎるほどに
そういう事実を 見せつけるまじない
僕のまじないを見せてあげる
魔法ってほど甘くはないさ
僕のまじないを見せてあげる
風はさっきぶりに通り過ぎた
僕のまじないはすごくよく効く
魔法よりも身体によく効く
僕のまじないを見せてあげる
この世界を楽に生きるための
僕のまじないを見せてあげる
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