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ロックなんかに救われたい訳じゃなかった(詩)

ロックなんかに救われたい訳じゃなかった
流行ってる曲とか聞きたかった 
別に一人になりたい訳じゃなかった

ロックなんかに救われたい訳じゃなかった
誰もがそうであるように
仲間外れでいる勇気はなかった

うまくやり過ごせてるかなんて
自分じゃよく分からなくて
多分嫌われてるんだろうなあって
自意識過剰なんですかなんて

ロックなんかに救われたい訳じゃなかった

だけど
あの曲が 
あの声が
どうしても耳から離れてくれないんです

ロックなんかに救われたい訳じゃなかった
生きていくのに役に立たないし
学力とかコミュ力とかないものばかりだし

ロックになんかに救われたい訳じゃなかった
話のタネにもならないし
気になるあの人を引き止められないし

「この夏イケてるようになる」とか
「ドン引きする趣味ベスト3」とか
値踏みされ続けいつも最下位で

それなら僕もって心に鍵付けて

だけど
あの曲が 
あの声が
心の奥底を開いてこうとするんです

どこにも行けないのなら
ここでいいなら居ていいよ
別に構わないからさ
別に構わないからさ

どんな人だって罪だって
ここでいいなら居ていいよ
別に構わないからさ
別に構わないからさ

ロックなんかに救われたい訳じゃなかった
けどこれはこれで悪くないし
とりあえずこのまま生き続けるよ

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