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山崎颯一郎、どこで投げさせる?(エッセイ)

栗林、残念でしたね。代わりに来てくれた山崎颯一郎には感謝しかないです。

さて、問題はここから。「どこで山崎颯一郎を投げさせるのか?」という事だ。

前提となる条件を確認しておこう。先ほど準々決勝が終わり、日本代表は最大あと2試合残っている。WBCには球数制限があるので、今日投げた大谷、伊藤、今永、ダルビッシュ、大勢は準決勝では投げない。そして、大谷とダルビッシュは開幕ローテーションの関係で準決勝、決勝共に投げない可能性が濃厚だ。

この事を念頭に置いた上で、残った投手を見てみる。山本、佐々木、戸郷、湯浅、松井、高橋宏、高橋圭、宮城、宇田川、山崎颯、という事になる。山本と佐々木は先発投手ではあるが、準決勝を勝ち進むために状況次第でつぎ込む事になるだろう。

ここで準決勝の相手を考えてみる。プエルトリコもしくはメキシコである。プエルトリコとメキシコの準々決勝がこの後行われ、勝った方が日本との対戦になる。どちらのチームもパワーが魅力で、簡単に勝てる相手ではない。となるとやはり、山本と佐々木は両方準決勝で使う、と考えるのが自然だ。

では、準決勝の残りの投手はどうなるか。準決勝は投げられる球数が増えるので、両投手ある程度長い回投げられる。炎上しない限り、2人で6-7回は行くだろう。この2人の間に、今日の伊藤選手のような役割で宇田川選手が入ってくると思う。これは、今日のイタリア戦で大谷選手がピンチになった時、伊藤選手と宇田川選手が準備をしていた事からも明らかだろう。宇田川選手は、回の途中でピンチになった時に使うという役割を任されている可能性が高い。

では準決勝、残りの投手はというと、これは状況によって変わるだろう。僅差で勝っている時、負けている時、大差で勝っている時、負けている時、同点とシチュエーションは色々考えられる。そして、私は大差で勝っているもしくは負けているタイミングで山崎颯一郎を使うのではないかと考えている。

なぜこのように考えるのか。それは決勝で当たる可能性のある相手が関係している。決勝でアメリカ合衆国と当たる可能性がある。アメリカはベネズエラとの準々決勝を控えているが、勝ち上がってくる可能性は高い。もし決勝がアメリカ戦なら、使える投手は全員使う事になるだろう。

そして、この「使える」投手の中に山崎選手が入っている可能性は低い。誤解しないで頂きたいのは、これは山崎選手が悪い選手という訳でではない。途中から来て、経験が積めていないのだ。これは緊急招集なので仕方がない。もちろん、山崎選手は緊急招集の可能性を考え、オープン戦でもWBCで調整してくれていた。ボールの適応に関して言えば、問題ない。

しかし、国際試合というのはオープン戦とはまるで違う。今日のイタリア戦では、大谷が3ボールを出しただけで勇気づけるような拍手が起こっていた。侍ジャパンを応援する、素晴らしいファンの連携だ。しかし、今からアメリカに行くのだ。つまり、アウェイゲームになる。東京ドームの暖かな歓声はなくなる。メキシコ戦になれば、会場はメキシコ一色になるだろう。アメリカにはメキシコにルーツを持つ人は多いし、メキシコからマイアミはそんなに遠くない。アウェイの中で苦しい試合を戦わなくてはいけない。それをぶっつけ本番でやらせるのか?という疑問がある。そして決勝ともなれば、会場は完全に星条旗に包まれる。熱狂的なUSAコールが会場を支配する。その状況で1点を争う局面を、緊急招集の選手が背負うのは流石に酷だと思う。

とはいえ、読んでおいて使わない訳にもいかない。使える場面があれば使うと思う。それが、準決勝の大差がついた場面だと思う。ここで山崎選手が投げてくれれば、アメリカ戦で使いたいピッチャーを温存する事ができる。山崎選手が投げるとしたら、これしかないと思う。

栗林選手は何も悪くない。責めるつもりはない。しかし、山崎選手は難しい場面に直面していると思う。本当に頑張ってほしい。まじで。後、ダルビッシュからスライダーとか教わったらいいと思う。今日の試合見て、スライダーって200種類あるんだな、って思いました。

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