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ドリアンのバイブル・ワールド

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世界のロングセラー、ベストセラー、聖書を、日本の外に視点を移して読んでみたら・・・
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#イエス・キリスト

ドリアンのバイブル・ワールド

こんにちは、インドネシアのドリアンです聖書を読み始めたのは、1980年頃だったかと思います。それから、40年。 聖書は読めば読むほど味わいが深まります。インドネシアに来て30年ですが、日本では味わえないことごとも合わせ、聖書への視点も変わったように思います。それで、自分なりに教わったこと、思ったことなどを書いてみようとはじめて20年くらい。HTMLの基本形でちまちまとサイトを自作してたのも今は昔。 また新しい媒体で、新たな気分で始めようと思います。古いコンテンツも、折々ノ

愛 ―強いられてではなく自ずから―

愛が一つになることへの強い思慕と言う時、相手を無理強いすることはできません。相手にも自ずから愛が生まれるように接するのが愛。無理強いするのはただの占有欲にすぎず、愛と真逆のものです。 3千年前に書かれた旧約聖書の「歌の中の歌」と呼ばれる雅歌に、こんなワンフレーズ。「ソロモンの知恵」で有名な、ソロモン王が書いたものです。 エルサレムの娘たちよ、 わたしは、かもしかと野の雌じかをさして、 あなたがたに誓い、お願いする、 愛のおのずから起るときまでは、 ことさらに呼び起すことも

四福音書によるイエス・キリストの福音

今から四十年前のこと。親しい友人が、自身に起きた出来事を語ってくれました。どうにも信じられないような内容。その友人は、僕のためにもなることだ、と心底思って、熱心に語ってくれる。ふだんなら信頼できる人なのだけれど、この話を信じていいものなのかどうか・・・ こと「神さま」となると、なぜか、身がまえて聞いてしまいます。宗教は胡散臭いもの、芸術的な建造物や、芸術的な物言いで、驚嘆させ、丸め込んで心を虜にしてしまい、挙句の果てには人から金品を吸い取るマシーンじゃないか・・・ そんな先

「マルコの福音書」 ”神の御子を証しする”

”イエスはガリラヤに行き、神の良い知らせを宣べ伝えて言われた、 「時は満ちた、神の国は近づいた。 心を向きなおして、この良い知らせを信じなさい。」”(私訳)(マルコによる福音書1章から) マルコが伝える「福音」とは、預言されていたとおりにやって来た「メシア」は、なんと、「神の御子であった」ということ。その神の御子が、罪人のために十字架にかかって死に、三日目によみがえったので、信じる者は救われる、ということ。これ以上にものすごい、喜ばしい知らせがあるでしょうか。 マルコの福音

ルカの福音書 ”わたしたちの間に成就された出来事”

神に愛され人に愛された人間イエス・キリストの誕生から死と復活、昇天までを、ギリシャ人らしい知恵深さに裏付けられた筆致で描いているのが、ルカ。その本質が人間であり、かつ神であるとは・・・? 著者ルカは知性あふれるギリシャ人の医者だったようです。ギリシャ語で書かれている原文は、非常に格調高く、しかも当時の一般の人にも読みやすいギリシャ語だそう。新約聖書のほかの箇所に「医者」として紹介されています(コロサイ4:14)。「ルカ」という名は、ラテン語名のLukanos ["光"という