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ドリアンのシンガク・ノート(キリスト教神学)

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聖書や教会に関するちょっとリクツっぽい話。見えない神がここで見えるはずなのに、違って見えているかも、というところが気がかり。
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シンガク・ノート メモ

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使徒行伝ノート「さらに地の果てまで、わたしの証人となる」

著者ルカルカが、第1巻「ルカによる福音書」を著してから、その続きとして第2巻「使徒行伝」を書きました。 2巻セットのこれらの著者が誰なのかということは、第2巻目の「わたしたち」(使徒16:10-17, 20:5-15, 21:1-18, 27:1-28:16)という言葉からルカだとわかるようになったものです。パウロに同行していた医者が、ルカだったのです(コロサイ4:14)。 テーマ第1巻目は、イエス・キリストが、地上で行い、教えた事柄、使徒たちに聖霊によって命じたのち、天

宣教者・教師とは何なのか? ―召しと任命―

さてイエスは山に登り、みこころにかなった者たちを呼び寄せられたので、彼らはみもとにきた。そこで十二人をお立てになった。彼らを自分のそばに置くためであり、さらに宣教につかわし、(マルコ3:13,14) わたしは、自分を強くして下さったわたしたちの主キリスト・イエスに感謝する。主はわたしを忠実な者と見て、この務に任じて下さったのである。(1テモテ1:12) そのために、わたしは立てられて宣教者、使徒となり(わたしは真実を言っている、偽ってはいない)、また異邦人に信仰と真理とを

世界宣教に召されていること ―教会への召し―

兄弟たちよ。あなたがたが召された時のことを考えてみるがよい。人間的には、知恵のある者が多くはなく、権力のある者も多くはなく、身分の高い者も多くはいない。 (1コリント書1章26節) 伝道者の条件は何か?第一に挙げられるのは、おそらく「召し」。私も、その召しを確信したからこそ今の働きについたわけで、派遣の条件としても送り出す側が何を信じて派遣するかといえば、この「召し」だろう。 「召し」が具体的にどのように人に与えられるかといえば、たとえば旧約聖書の時代の預言者には、神が直

II. 使徒パウロが伝えたキリストの福音 ガラテヤ1:6-2:21 (1)違った福音にたやすく落ちている教会 1:6-10

A.教会の変心(1:6)6 あなたがたがこんなにも早く、あなたがたをキリストの恵みの内へお招きになったかたから離れて、違った福音に落ちていくことが、わたしには不思議でならない。 パウロの手紙の中では非常に珍しく、感情の吐露が先立っているような書き出しです。イエス・キリストがラザロの死を悲しんでいる人々の中で「霊に憤り」(ヨハネ11:33、新改訳2017)を感じた場面を思い起こします。でも、激情にかられて厳しい言葉をつい書いてしまった、というのではありません。福音の核心、福音

II. 使徒パウロが伝えたキリストの福音 ガラテヤ1:6-2:21

「自由をねらってキリストの福音の恵みから離れさせる違った福音を語る者はのろわれるべき者だ。もともと迫害者だったパウロがイエス・キリストの啓示によって福音を知ったことは確実で、キリストが信仰者のうちに生きておられることの明確な証しであり、ユダヤの諸教会、おもだった者たちも認めるところだ。個人的なイエス・キリスト告白に至らせる真の福音のために、使徒たちが立てられた。」 「自由をねらう偽兄弟が忍び込んでいた」(2:4) (1) 違った福音にたやすく落ちている教会 1:6-10