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ドリアンのシンガク・ノート(キリスト教神学)

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聖書や教会に関するちょっとリクツっぽい話。見えない神がここで見えるはずなのに、違って見えているかも、というところが気がかり。
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#新約聖書

シンガク・ノート メモ

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I. キリストの福音による恵みと平安のため ガラテヤ1:1-5 (2)

(2)福音による恵みと平安を祈る祝祷 1:3-5 差出人、宛先に続いて、挨拶の言葉となるのですが、そこでパウロは祝福を祈る言葉をつづります。単なる儀礼の言葉としての祈祷文ではなく、これから書き綴っていこうとしている手紙の内容が、本当に読み手にとって祝福となるように、という気持ちが込められた祈りです。  A.神、主から恵みと平安があるように(1:3)3 わたしたちの父なる神と主イエス・キリストから、恵みと平安とが、あなたがたにあるように。 ここから本文に入って書かれる内容

ガラテヤ1:1-5 I. キリストの福音による恵みと平安のため(1)

「ガラテヤの諸教会はパウロを通してキリストの贖罪による福音を知った」 「キリストは、わたしたちの父なる神のみ旨に従い、わたしたちを今の悪の世から救い出そうとして、ご自身をわたしたちの罪のためにささげられたのである。」(1:4) 聖書を読むと、突然、外国のど真ん中に入り込んだような。よくできていない推理小説、ミステリーみたいでもあって、状況が全く分からないままに渦中に放り出された感じになります。推理小説なら、読者に状況説明をしてくれるわけですが、聖書の最初の「読者」は、もと

ガラテヤ人への手紙 構成

律法の下にある人々に対して、約束の御霊を受け、その導きに従うことを目指すように、律法によって義とされようとすることの間違いをただし、個人的・人格的に神に結び付く唯一の信仰を提示します。 I. キリストの福音による恵みと平安のため 1:1-5 「ガラテヤの諸教会はパウロを通してキリストの犠牲の福音を知った」 「キリストは、わたしたちの父なる神のみ旨に従い、わたしたちを今の悪の世から救い出そうとして、ご自身をわたしたちの罪のためにささげられたのである。」(1:4) (1)

ガラテヤ人への手紙の著者・内容・宛先・目的

ガラテヤ人への手紙は、新約聖書にあるパウロの手紙の中で一番最初に書かれたものだと考えられます。パウロ自身の歴史、活動の実際が端々に現れる内容。推理小説を解き進めるように、パウロの履歴や、手紙の内容に迫ってみます。 推定されるパウロの初期の履歴◆推定誕生 紀元前後?(使徒22:3そこで彼は言葉をついで言った、「わたしはキリキヤのタルソで生れたユダヤ人であるが、この都で育てられ) ◆ユダヤ教指導者ガマリエルのもとで学び、訓練(使徒26:3ガマリエルのひざもとで先祖伝来の律法につ

ガラテヤ人への手紙

「キリストの形ができるまで」使徒パウロが書いた手紙が、新約聖書に13通(一説には14通)あります。その中で一番最初に書かれたものがこのガラテヤ人への手紙です。紀元49年頃と考えられます。「自由の憲章」と言われる内容で、私たちが宗教に縛られることなく自由に神に生きることを目的に書かれました。 キリスト教会の草創期、教会に神を敬う異邦人が大挙して流入し始めたところで、大事件が起きます。神の民であるイスラエルが握りしめていた神の約束を盾に、神の国に入るには神の契約のしるし割礼を受