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暇なので小さい頃の日記を今つけてみる8

部活から帰ってくると家には誰もいなかった。毎週火曜日は母とはママさんバレーに行くので21時まで帰ってこない。父は仕事、兄はまだ部活であろう。

つまり毎週火曜日は行儀を悪くしてもいい日なのである。テレビを見ながらご飯を食べたっていい。ウキウキである。

今日の晩御飯は牛丼だと母は言っていたので、昨日のドラマで見たガツガツと食べるのをやってみよう。母がいれば叩かれてしまうが、今家には僕しかいないのだ。この自由を享受しない手はない。そんなことを考えながら炊飯器を開けた。米がなかった。手紙が入っていた。母の字でこう書いてあった。

「ごめんなさい。ご飯を炊くのを忘れました。時間が無いのでバレーに行ってきます。牛肉は温めれば食べれます。食パンならあります」

食パンならあります。の言葉にイラッとしたが、しかし毎日ご飯を作ってくれる母のミスは責めれない。責めたらご飯が出なくなることうけあいである。

どうせならと思い、濃い味付けの牛肉を食パンに挟んでみた。見事に合わない。お互いが邪魔をしている。あと汁を入れすぎた。食パンから噛むたびに汁が漏れ出て不快だ。行儀を悪く食べようとしたからバチが当たったのだろう。

今度からは一人でも行儀良く食べよう。そう誓った。

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