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臨床検査技師は「医療界のボランチ」です

どうも、臨床検査技師には無限の可能性しかないと思っているだぴてぃです。

何を隠そう、僕は臨床検査技師になってから15年ほどが経ちます。まあまあの中堅どころですね。この業界、「検査室」という空間にいることが多いので、どうしてもコミュ力なくなっていくんですよねー。後述しますが、これが自分たちの価値を落とすことになるわけですが…


今日のテーマは珍しく「臨床検査技師」について書いていこうと思います。とは言っても聞いたこともないという方がいるのも事実です。

なので今日は面白おかしくアピールしつつ、その重要性を世間に広めたいと思います!!


なくなる職業ランクイン

重要だって言ったそばから「なくなる職業ランクイン」って…

数年前にアメリカの「この先なくなるだろう職業ランキング」みたいなもので、堂々と47位にランクインしてしまった職業でもある『臨床検査技師』。


まあアメリカでの立ち位置における発表なので、日本でも同じかと言われれば決してそんなことはないと思うのですが、世間的または一部の臨床検査技師から「ほーん、やっぱり価値ないんだ」とか言われていましたね、当時は。

今でもそんなことを言い出す臨床検査技師さんがいますが、これはハッキリ言って自身の努力不足です。お知り合いの臨床検査技師さんがこんなことを言っていたら「オマエノドリョクフソク」と呪文を唱えてあげてください。

ただ一方で、確かに活躍の幅(仕事の幅)が広すぎるので、一体何をしたらいいかわからない…というのはあります。ただそれイコール価値がないというのは大間違い。メガトン級の間違いです。むしろその逆で、価値しかありませんね。もう、キラッキラしてますよ。



臨床検査技師の未来…

結論から言えば無くならないと思います。

というのも年々その重要性が増してきているからです。

特に超音波分野(いわゆるエコー検査ってやつですね)ではいろんな臓器を見るのが主流になってきて、お腹や心臓だけではなく、血管や関節などもその対象になります。ますます検査のファーストチョイスにもなってきています。なので、エコーを武器とする臨床検査技師さんの重要性は、今後も増していくと感じます。

そんなエコー技師の中でもスペシャルな方々が集まったコミュニティ…『くまのこ検査技師塾』というものがあります。エコーだけじゃなく、病理検査、細菌検査、医動物(寄生虫)などを専任する技師さんも集まってます。控えめにって「最高かよ」です。

今では医療職であれば加入できる素晴らしいコミュニティなので、興味のある方はぜひどうぞ😊(特に薬剤師さんや栄養士さんとかまだいませんので、参加してみてほしいです😏)

ええっと…宣伝でした笑

さて、話をもとに戻しましょう。

エコー以外の分野、例えば病理検査とか血液検査、細菌検査などがありますが、AIが急速に発達する今、確かに衰退するかもしれないジャンルがあるのは確かです。ですが、だからと言って、急になくなることはないでしょう。

勘違いしてはいけないのが、確かに小さめの病院やクリニックではコスパが悪い検査は切られる傾向にあります。ですが、これは今に始まった事ではないので、この事実をもって「なくなるかもしれない!」とはなりません。

そしてここが大事なのですが、決してその分野が重要じゃないということではありません。厳しめのことを言うと、そこにいる人間が価値を示すことができなかった…という時代が到来したということでもあります。


厳しいジャンルの筆頭候補である「生化学分野」。

この分野は緊急検査として用いられるくらい大切な分野で、人間の体の状態をわかりやすく数値で表してくれる検査です。だからなくなりはしません。でも「臨床検査技師」が検査しなくてもいい時代はやってきます。

というか既に行われているんですよ…

実は臨床検査技師でなくても「検査自体」は可能なのです。(というか臨床検査技師の行う検査は「独占業務」ではないので、極論言えば高校生のバイトでもいいんですよねぇ…)


ここに目をつけた経営者は、人的コストカットのために、その分野に臨床検査技師を雇わないケースも出てくると思います。これは臨床検査技師に価値がないんじゃなくて、法的な問題も絡んできている複雑な問題でしょう。

でも、それでも、臨床検査技師の未来はまだまだ捨てたもんじゃありません。


どこにいるの?臨床検査技師
そして何しているの?臨床検査技師

出現率はポケモンでいうところの「ポッポ」です。

臨床検査技師は思っている以上に、あなたのそばにいます。右向けばいる…とはまでは言いませんが、ウォーリーを探せよりは確実にカンタンに見つけられます。

例えば、新規のお薬が本当に有効かどうかをテストする治験という事業。これは「治験コーディネーター」と呼ばれる方達が専門となってやっていますが、ベースに臨床検査技師の資格を持った方も少なくありません。

また、お水が飲めるに値するのか、魚など生物が生息するのに適しているのかを調べたりする水質検査など。

そのほかにも保健所の検査、検査専門会社など、病院以外にも多く存在します。まるでポッポみたいに生息地は多いんです。


謎に包まれた職業…

一方で「何している職業かわからない」という声も多く頂きます。

なんたって病院の中でも「検査室」という場所にこもっているので、その姿を現すことは数少ないんです。

だからなのか、こんなことがありました。

以前、子どもの保育園の送り迎えをしていた時のことです。ひょんなことから「職業」が話題になったんです。多くの方は自ら職業を話したりはしないものですが、僕は隠すものではないと思っているので「あ、〇〇病院で臨床検査技師やってます」と言いました。

するとこんな反応でした。

「臨床…?検査技師…?」

回答があまりに想定内だったので、いつも説明用に使っているテンプレ「あ、血液とか心電図とか検査する人です」を伝えたところ「あぁ!!あの人たちって臨床検査技師って言うんですね!」との答えが。


これはその人が無知だからじゃありません。臨床検査技師はアピール力が足りないので、往々にしてこんなことが起きるんです。


そんなこんなで存在感が足りていない臨床検査技師ですが、実は医療の中核を担っているんですよ。現代医療では検査なしでは何もできないというくらい、医師たちには信頼いただいています。(中には検査なんていらんとかいうヤブ医者もいますが)


医療チームのボランチ

その存在はまるでサッカーで言うところの「ボランチ」です。


サッカーにおけるボランチとは、攻撃と守備をリンクさせる存在で、チームの勝敗に決定的な働きはしませんが、いないと攻撃が停滞したり、守備がはまらなかったり。間接的にチームの良し悪しを決めている存在です。

これは僕の大好きだったサッカー選手、中村憲剛さんが非常にうまく言語化してくれています。


つまり、臨床検査技師は医療において、「体の中で起きていることを言語化したり数値化すること」が求められる職業なんです。

だからこそ勉強量も養成学校によりけりですがかなりの科目数がありますし、その内容も広いものになっているんです。


問題はそういう立ち位置なのに、自分たちの存在をアピールしないことで、相対的に大したことない職業に見られていること。これは誰が悪いわけではなく、明らかに自分たちの問題です。


それこそ自分たちの仕事について、言語化できるくらいじゃないといけません。その言語化は、小難しい言葉を並べて「なんとなくデキる奴」を醸し出すんじゃなくて、小学生でもわかるくらいの説明をしなければいけません。

臨床検査技師って職人気質の人が多いので、意固地なんですよ…そしてマニアックなんですよ…だからつい「専門用語」が口から出てくるんですが、これだと誰も興味持ってくれないんです。

それこそ先ほど書いた通り、謎に包まれてしまうんです。

子どもでもなんとなくわかる説明を

僕の場合は自分の子どもにこう説明しています。

「顕微鏡っていう小さいものを見る道具を使ってね、体の中を覗いて病気がないか探しているんだよ」
 
「見つけたらお医者さんに教えて、具合悪い人にお薬出してもらったり、悪いところを取ってもらうんだよ」
 
「だからパパが病気を見つけられないと、具合悪い人はもっと具合悪くなっちゃうんだよ」
 
「だから毎日疲れちゃうから早く寝るんだよ←」

最後の文章だけアレですが、これだけで5歳児は理解した模様です。

次の日、保育士さんやお友達に自慢していたのは、ちょっとだけ恥ずかしい感じがしましたが、自分の子どもに自慢させることができるっていいなぁと感じます。


まあこれは余談でしたが、これくらい言語化できないとダメです。これでも足りないくらいですが、一般の人に「血液中のなんちゃらがー」」とか「細胞の核が大きいからー」とか言ってもポカンとされるだけです。誰もそんなこと聞いてない…


軽くまとめるとこんな感じです。

臨床検査技師は自分の思考を言語化し、それを数値や文章へ変換する。そしてそのデータをもとにチーム医療が動き出す。直接ゴールも失点もない代わりに、自分たちのクオリティで患者さんの未来が決まってしまうという、超重要なポジションなんです。


物語の結末は…オレが決める!!!

はい、なんだか厨二病みたいなセリフですが、臨床検査技師という職業の未来を決めるのは、あくまで自分たちです。


今ではタスクシフトだとか、タスクシェアリングだとか、カッコイイ横文字ばっか使って業務の幅を広げようとしていますが、本質はそこじゃない。


今あるものだけでも十分に価値を示すことはできます。それをしないで、ただ幅を広げてしまうのは、結局同じことの繰り返し。広く浅く活躍できるのは、サッカーでいうならボランチじゃなくて、ポジションすらないベンチメンバーみたいなものです。

もちろん医師の負担、看護師の負担を軽減するために、職種間でできることはシェアしていこう、スイッチしていこうという取り組みは間違ってはいません。

でも、それよりも先にやるべきことがあります。

いざという時に何に役立つかわからない。じゃあスペシャルな能力を持っているのかと言われれば、独占業務じゃないからそれもない。だからこそ自分たちに何ができて、何をもたらすことができるのか。ここを突き詰めないといけない。


今ではフリーランスというか、特定の機関に所属しないで活躍する臨床検査技師さんも出てきています。 そういう人たちも医療という大きな枠の中で、いかに自分たちのチカラや存在価値を示すかを考えてらっしゃいます。


最初にも書きましたが、可能性は無限大♾だと思っています。まさにRINSHYOUKENSAGISI♾です。(←わかる人いるかなぁ…わかったらコメント欄にて!)


このnoteを通じて、少しでも臨床検査技師のことを知ってもらえたら嬉しいです。そして、同業者さんたち。がんばりましょう!!!もっと自分たちの存在価値を世間にプッシュしましょう!!!


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