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「自由」の履き違いはチームを壊す

部署の責任者をしていると(チーム運営)たまにだが「自由を履き違えた」行動を取る人間が出てくる。

これはどんなに優秀な人でもそう。能力やスキルの問題ではない。チームという生き物に対する捉え方の問題。

当然ながらリーダーはメンバーに対して仕事を指示する。僕の場合は、仕事がルーティンワークが多いことも相まって、そこまで具体的な指示は出さない。ゴール設定だけして、そこに至る過程は各々が工夫してくれればいい、その思考が人間形成につながったり、より仕事に対して責任感が持てるようになると思っているので。

チームのスタイルなんて、正解はない。成功してしまえば「正解」なのである。逆に失敗したら不正解。勝てば官軍みたいな話にもなってくる。

メンバーに自由を与えること。これは指示するのが面倒とか、自分のことだけ考えたいとかではなく、「その方がうまくいく」仕事内容であり、よりフレキシブルに対応できるから。

ガチガチに指示した方がいいなら、当然そうする。でも、その末路は「指示待ち人間」の育成であり、チームにとっては何もプラスにならない。仕事とは、育成と結果を出すことの両輪を求められるもの。リーダーは、そこに責務を負うのである。

と、前置きが長くなったが、冒頭に戻ってみる。

このように自由を与えると、「なんでもしていいんだ」と勘違いする人間が一定する出てくる。たとえば……

・マニュアル無視の仕事の進め方
・コミュニケーションを適当にする
・節度やモラルを守らない

チームというものは「生き物」である。毎日調子が違う。だからこそ、メンバー個々が「チームが正常に回るためにはどうしたらいいだろう?」と問い続けることが必要だし、それが役職であればなおさら。もっと言えば自分の機嫌や気分なんてものはどうでもいいわけである。

そんな人物を役職にあげた方にも責任はあるかもしれないが、それはそれ。役職にあげること、そしてチームメンバーとして自由を与えられていることはなんの関係もない。

個人的な考えでは、この辺の感覚というのは学生時代に培われていくものだと思っている。部活動がすべてではないが、ある程度の規律がある集団で目標に向かって努力したことがある人間は、その辺の節度の大切さをわかっていることが多い(もちろん例外はある)。

しかし、そこを経験していない人間は、モラルや節度がチームに影響をもたらす”体験”をしていない。良い悪いではなく、そもそも自分の中にその情報がないのでわからないのである。

過去のことを振り返っても仕方ない。だったら、気づいた瞬間からその”体験”をさせるように仕向ければ良いと思っている。どこかで気づかせないと、そのまま歳をとり、ろくな人間にならない。

気分なんてものは、他人には関係ない。他人が原因(ムカつくことをされた、期待に応えてくれない)であったとしても、それは自分の主観であって、もしかしたら相手にも不満はあるかもしれない。チームで仕事している以上、相手に不満がないなんてことはありえない。お互い様なのである。

そもそも1日8時間以上を共にしていて、不満が出ない方が異常。不満を感じているということは、それだけ向き合っているとも言える。相手のことがどうでもよかったら、イライラすることもない。無関心な人に、怒りなんて湧かないであろう。

まあ、どんなにこちらがアクションを起こしても、相手が期待に応えてくれないことは往々にしてある。気づいてくれたらラッキーくらいの感覚でいないと損する。



僕はこれをわかった上でも、明日も明後日もメンバーに自由を与え続ける。フラストレーションは溜まることはあるが、それはよく観察しているからとも考えているし、結果を残してくれているなら、そこに問題はない。ただ、いくら結果を残していてもチーム崩壊につながる行動を取るなら、そこは指摘する。良いことはいい、悪いことは悪い。いくら自由があっても、リーダーの指示があった場合は、そこに従う姿勢を見せないとチームとして成り立たなくなることを教えるべきだ。

時代が変わっても、チームというものの基本は変わらない。


チームについて再考しながら、もう一度自分の行動を振り返って、改善できるところは改善する。その姿をメンバーにも見てもらい、自身がリーダーになった際の参考にしてもらう。

これが今自分にできること。

リーダーは指摘してくれる人がどうしても少ない。自分で自分を律しないといけないポジションであることは、どんな業界でも変わらない。右腕的な人がいたとしてもだ。


今日は内心イライラ、しかしどこかで自分の非も感じていたので、こうして言語化してみた。チームである以上、最終責任はリーダーである。そのことを改めて心に刻み込んで、明日からの仕事を進めていく。

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