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私の自立~ No.4 辻 和美 様

基礎情報

現在の職業:ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 執行役員オンコロジー事業部門長


どんな状況も楽しむことをモットーに挑戦を続け、現在は外資系製薬会社にて事業部門の責任者として、チームの強みが発揮できる環境作りに尽力しています。(2020年1月14日インタビュー時点)
詳しくはこちらhttps://www.linkedin.com/in/kazumi-tsuji-0b54487a/


私の自立を感じた瞬間

「海外でMBA を取り、なりたい自分になる」
いい大学に進学し、就職、ゆくゆくは結婚、寿退社・・・という当時は一般的だった人生の選択もありましたが、自分の興味の湧く道へ進むと思いきって決断したこの時、自身の自立した人生がスタートしたと感じます。やりたい仕事に就くには英語力とマーケティングの知識が必要と知り、同時に実力がつく海外MBA を選択しました。

私の自立ー 過去の振り返り
1.学生時代からの悩み:枠に収まる私

 当時から活発で、男の子たちと一緒に外で遊ぶタイプでした。「学問が身を助ける」という教育方針の元、勉学にも努力を重ねつつ、両親にはのびのびと育ててもらったと感謝しています。常に前向きな性格ということもあり、充実した学生時代を送りましたが、振り返ってみて強いて言うならば、当たり前の認識の枠からはみ出してもっと冒険することもできたのではないか、と思うことがあります。


2.どう克服したか?:冒険する私

 出身大学の卒業生が外資系製薬会社でMR として活躍されているのを知り、その方の充実した姿に憧れ製薬業界の道に進みました。何年か希望の MR職として働きましたが、その後の異動先の部署での仕事が合わず、正直面白くないと感じたこともあります。しかし異動という大きな環境変化のおかげで、顧客と接する仕事の方が向いていると、改めて気づくことが出来ました。また、異動先の部署で新製品を企画する製品企画部と接点が出来たのは、その後の私のキャリアにとって大きなターニングポイントとなりました。製品企画部で出会った女性社員との出会いは、私も企画・マーケティングに携わりたいと強く思うきっかけとなりました。その部署へ異動するためには英語力と MBA 取得が求められていたので、一旦仕事を辞め、海外で MBA を取得することを決めました。この時、そのまま会社に残り、結婚・出産と続く生き方の選択肢もありましたが、冒険したい、なりたい自分になりたいという思いから決断した、この「勇気」が今の私の基礎となっています。

私の自立ー 夢や目標に向かう為に
1.取り組んだこと:夢を育む私

 MBAを取得するために 2 年半の時間を要しましたが、帰国後に入社した外資系製薬会社で念願のマーケティングに携わるポジションに就くことができ、大きな達成感を得ることができました。「努力すれば叶う」ことを身を以て体験したのです。前職での異動先の仕事に違和感を感じた経験もありましたが、ひとまず向き合って取り組んできたからこそ、マーケティングという職種に出会え、将来に繋がりました。不本意な環境変化に遭遇しても、そこでの努力によって意外なチャンスを得られるかもしれません。自分を知るためには、いろいろやってみることが大切だと思います。


2.私の充実感は何か?:喜びを共有する私

 女性のマーケティング責任者というのは、多くの責任あるポジションが男性で占められていた当時の製薬業界では大変珍しい存在でした。取引先の日系企業の方に「女性に任せていいのか?」と威圧的な態度を取られた悔しい経験もあります。しかし、そういった逆境に直面した時こそ気持ちをモチベートし、「そのような圧力で私のパフォーマンスを落としてなるものか」と、今に見てろ根性で乗り越えてきました。もちろん失敗もありますし、不可能に思える出来事にもぶち当たってきましたが、逃げずに立ち向かい取り組み続けた末に達成した時の喜びは、なんとも言えない充実感をもたらします。
 あるタイミングで管理職に就いてみないか?と声がかかった当初、自分は管理職にふさわしい器ではないと思っていました。しかし、ふと、適任者という一般的な基準に満たない自分を否定するのではなく、自分らしい上司像を作っていけば良いと考え直し、承諾しました。この「大きな決断」が、現在の私の充実した毎日に繋がっていると信じています。
 チームで仕事を達成していく楽しさは、私の充足感を何倍にも倍増させています。私はどんな状況も楽しむことをモットーにしていますが、管理職となった今は、「チーム」で楽しめる状況をどう作っていくか?を常に考えています。チームメンバー個人の強みを引き出すことが上司の役目ですから、忌憚なく意見を言い合ってのびのびと楽しんで仕事ができる環境作りに務め、チームメンバーにも充実した毎日を送ってほしいと願っています。

私の自立ー 継続する努力
1.心の努力:生きていく私

 今まで生きてきた人生を振り返って思うことは、経済的にも精神的にも自立して生きていく力を持つことがとても重要だということです。例えば世の中には離婚したくとも経済的理由により我慢をしている夫婦もいます。経済的・精神的に自立できる力があれば、人生における選択肢がより広がり、能動的に自由を選び取ることが出来ます。私自身、自己研鑽にも努めてきましたが、経済的に自立できるように、これまで支えてくださった家族、仲間、同僚、そして働く環境そのものにとても感謝しています。


2.これからの私:常に興味を持つ私

 様々なことに好奇心を持つことが人を成長させると思います。常にアンテナを張り、トレンドや興味のある事に関して徹底的に調べることを続けています。外交的に人から得た情報を、黙々と内向的に調べていく、このバランスを大事にしています。
 最近は好奇心がさらに高まり、新しい冒険をしたいなと思い始めています。


私の自立ー 最後に応援メッセージ:冒険する勇気、夢は叶う私

 女性の働く環境は、以前に比べると随分改善されていると感じます。
「24 時間働けますか」と問われていた時代には、女性は仕事だけではなく家事もこなさなければならず、仕事を続けていく上での現実の厳しさに立ち向かわねばなりませんでした。しかしながら、働き方改革が一般化し、育児や家事を分担していこうとする意識改革や在宅勤務などの様々なワークスタイルの浸透を鑑みるに、今後は家庭でも職場でもお互い尊重しながら協働する環境が自然と醸成されていくと思います。その歩みは私たちが期待するよりゆっくりかもしれませんが、確実に変化していきます。
 性別問わず、お互い尊敬し、生活できる努力を皆で分かち合う社会を築いていきたいと思いますし、だからこそ、女性は常に冒険する勇気を持って欲しいと願っています。

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