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「やってみる」って仕事

あんたも仕事でいろんな事があると思うんだよね。

やれお客様に納得の行く説明をしないといけないだの、協力会社のヒトが納得行く説明をしなければいけないだの。
俺たちの仕事は大体誰かに何かを説明することだったりもする。

でもそれとは別に「とりあえずやってみる」って仕事もあるのは事実だ。
やってみることで前に進むしか無いってことってあるじゃんか?

結果に結びつく確信のないままの仕事ってのは最終的に誰かに説明が通らない可能性を抱えたままの仕事になるので本質的にはなかなかシビアな仕事だと思う。

でもね、この類の仕事って駆け抜けている感覚っていうなかなか得難いものも与えてくれるってのは事実だよね。

今回は走り抜ける仕事について考えてみる回だ。

仕事の達成感って大事だもんな。ちっと一緒に考えてみようや。

計画された仕事

俺らシステム屋の仕事ってのは、その多くがその仕事を始める前に「どうやったらその仕事がうまくいくのか」ってことと「その仕事をやるにあたってどんな不測の事態が想定できるのか」ってことを考えるのが通常のプロセスだ。

お客様が望んでいることはこれだから、この仕組とこの仕組を組み合わせて提供することで価値を提供しよう。
でもその過程でお客様がこの点で満足しないと言うことを言い出すかもしれないから、それについては今回の仕事でやらないこととして明記した上で提案しよう。

そんなふうに転ばぬ先の杖よろしく、ありとあらゆる可能性について考慮しまくってから提案をする。
そもそもその提案が脇の甘いものだと組織としてリスクを背負うことになるので、お客様に正式に提案する前に組織としてその商談のリスクと達成するためのプロセスについて検討が繰り返される。

実際、この仕事をする前の仕事ってやつは結構尋常じゃない労力がかかるんだよね。
課長に説明して部長に説明して事業部長に説明して本部長に説明してって言う感じで偉いヒトが納得行く状況を綿密に作り込んでいく作業だからね。
お客様が納得行く仕事であることは最低条件で、その上で組織としてきちんと利益が出てリスクに対するヘッジも計画されていることが求められるわけだ。

な?なかなかに辟易する感じだろ?

お客様と共に走り続ける仕事

対して、「とりあえず何が出来るかわからないけれど、この大きな目標に向かってお客様と共に走る」って仕事もある。

お客様の経営者層が大きな目標を掲げているものの、その具体的な実現方法が明確になっていないような場合、その具体化から一緒に考えてみるってタイプの仕事だ。

一般的にはこの類の仕事はベラボーに時間がかかる。
その結果としてコストもベラボーにかかる。

なので、このタイプの仕事を俺たちシステム屋が受注できるケースってのは稀だ。
ただ、俺たちシステム屋がきちんと信頼を勝ち得ている場合に限りこう言う仕事を受注できるケースがある。

こう言う仕事を受けた時は、お客様がキッチリと成果を得られる保証も無い。俺たちシステム屋としても成果を約束できない。

なので通常の請負契約という「成果を約束する」契約ではなくて委任契約という「とりあえずこの期間どれだけ働きますよ」って契約にならざるを得ない。

委任契約は働きさえすればいいので、請負契約のような受注側のリスクは無い。
お客様がリスクを背負ってすすめるタイプの仕事だ。

それ故にお客様としては必死にならざるを得ない。何しろお金をドブに捨てることになりかねないわけだからね。

俺たちシステム屋にしても、成果の残らない仕事ってのは虫酸が走るくらい嫌いなのでなんとか形にしようと躍起になる。

結果として、よりお客様と一体感のある仕事になることが多いように感じるんだよね。

この一緒に走るっていう感覚って俺個人としては結構好きなんだよな。

「これはどうだ?」
「あのやり方あったよね?」
「ええい!動かしてみなきゃわからん!!」

請負契約の仕事ではなかなか味わうことの無い感覚がそこかしこにある。

ひょんなことからこの類の仕事をやることになったんだよ。

楽しんでいけると良いんだけれどね。

なあ、あんたはどう思う?

俺たちは、オッサンになっても新しい感覚を仕事の中に見つけることが出来ると思うかい?

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