泣ける曲が俺たちにもたらすもの
あんたにも泣ける曲ってのがあるかい?
俺にも何曲かそう言う聞くたびに涙が流れてくるような曲ってのがある。
その傾向を見てみると、高確率でアニソンなんだよな。
まあ、俺自身がオタクオッサンだってのは間違いないんだけれども、それにしても泣ける曲がアニソンである確率が異常なまでに高い。
コイツは何なんだろうな?
今回は俺の泣ける曲を振り返ることで、その原因を探ってみようって回だ。
ちっと俺の感情の裏側を覗いてみる旅に付き合ってくれよな。
最近で泣けた曲
ここ最近で一番泣けた曲って言えばこの曲だと思うんだ。
今をときめく劇場版鬼滅の刃の主題歌「炎」だな。
このTHE FIRST TAKEでのLiSAさんの感情の込めっぷりは筆舌に尽くしがたい物があると思う。
この動画の5:00くらいの位置の最後のフレーズにかかる部分に至ってはブレスがすでに泣いている。
発声方法だけでこれだけ感情ってものが曲に宿るのかってある種の感動を覚えるくらいだよな。
「炎」が俺を泣かせた理由
でもこの曲で俺が泣けるのは、そう言うLiSAさんの技術に支えられた歌詞にあると思うんだよな。
この歌詞ってワリカシ有名な話かとは思うけれども、1番の歌詞が竈門炭治郎、2番の歌詞が煉獄杏寿郎の視点で描かれている。
冒頭部分、炭治郎は煉獄杏寿郎に向かって語りかけるように曲が始まる。
悲しみよりも大切なこと。
それが感謝だって歌詞だ。
それを「ぬくもりと痛みに間に合うように」伝えようとしている。
最初、この歌詞を聞いてもすんなりとこの部分は俺の中に入ってこなかったんだ。
でもよくよく歌詞を見直してみるとたまらない感情が俺の中に湧き上がった。
そうか、この「ぬくもりと痛み」ってのは煉獄杏寿郎の命があるうちにって意味なんだ。
竈門炭治郎は煉獄杏寿郎に「あなたが死ぬことが悲しい」と伝えるよりも「あなたはかけがえのないものを自分たちに残してくれた」という感謝を伝えたいという歌詞なわけだ。
これって、俺たちの感情をダイレクトに刺激する言葉だと思うんだよな。
2番の煉獄杏寿郎の歌詞は更にオッサンに響く。
手を伸ばして抱きとめていた激しい光の束ってのはなんだったのか?
手を伸ばしているっていうのは「努力」を象徴している。
煉獄杏寿郎は常に「こうあるべき」を背負い続けている。
柱の中で唯一「責務」によって柱になった人物だもんな。
他の柱は家族や身近なヒトを鬼に殺されたことをきっかけに柱にまで昇りつめているんだけれど、煉獄杏寿郎だけは一族が責務として鬼殺隊であり続けている。
そんな、もはや「呪い」といっても良いんじゃないかって「責務」を背負いながら、それを全うすることに命を燃やし続ける。
そんな煉獄杏寿郎が「手を伸ばして」抱きとめようとしていた「激しい光の束」。
それは命の輝きそのものなんだろうな。
物語と歌詞のシンクロがもたらすもの
炎のように作品の物語と歌詞がめちゃくちゃシンクロしている曲ってものすごい俺の心を揺さぶる。
歌詞が物語を、物語が歌詞を双方で深めあっているからなんじゃないだろうか?
しかも、この深めあいって一往復では終わらない。
鬼滅の刃の映画を見た後に炎を聞くことで、竈門炭治郎の心の動き、煉獄杏寿郎の責務の意味をあんたも深く味わっただろ?
で、そうしたらもう一回、炎を聞きたくなっただろう?
したら、もう一回煉獄杏寿郎のことを考えただろう?
もうね、無限ループだ。
で、気がつけば炎を聞くと涙が出てくるっていうパブロフの犬状態になっている自分がいるってスンポーだ。
最近では、その炎を国外の皆さんが聞いている動画を見るっていうこじらせた楽しみ方までやり始めてしまった。
感情の表現がすげーストレートなんだよな。
その感情表現がまた俺の涙を誘う。
いやいやいや、どんだけ泣きたいんだ、俺。
やっぱ、物語って良いよな。
俺たちのヒトを思う想像力ってもんを掻き立ててくれる。
俺たちにとってあんたたちが大切だってことを思い出させてくれる。
それこそが「泣ける曲」を聞き続ける理由なのかもな。
なあ、あんたはどうだい?
あんたの大切な曲はどんな物語が込められている?
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