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恐怖に立ち向かう前にするべきこと

あんたも新型コロナウィルスのニュースに合わせてマスクが不足しているってニュースを聞いたことがあるかい?

俺も花粉症なので、マスク不足が俺に与える影響ってやつはシャレにならないものがあるわけだが、それでも一連のこの動きを見ていてちっと感じたことがある。

あり?コレと同じこと、前にも会ったよなってさ。

1993年米騒動って今じゃ言われているらしい、あの米不足騒動だ。

あの時はタイからタイ米が輸入されて、その味わいの違いから日本の米に対する日本人の愛情のようなものが露見する出来事だった。

そんな風に、俺たちは多くのものが「不足する」って情報に踊らされているってことなのかもしれない。

今回はこの不足するって情報が俺たちにもたらしているものについて考えてみようって回だ。

ちっとばっかりおっかねぇ話だが、付き合ってくれよな。

マスク不足という情報が生み出している状況

実際にマスクが不足しているって言うが、本当にそうなんだろうか?

そう思ってドラッグストアに顔を出してみると、確かにマスクが品薄状態になっている。
俺たちはなくなるとマズイってんで買い占めているやつと、コレを期にメルカリやらAmazonで一儲けしちゃろうってやつが渾然一体となって今の状況を作り上げている。

実際、Amazonでユニ・チャームの超快適マスクの状況を覗いてみよう。

例えばこの商品。現段階で13,800円の値段で売り出されているが、このおんなじ商品が今年の1月21日にはいくらだったと思う?
3,280円だぞ?マジで!

ほんの10日で4倍以上だぞ。コラ。

この価格高騰をみて俺がいの一番に感じたことが、俺たちが何でも検索して物事を判断しているってことだ。

ネット上には玉石混交の情報が入り乱れているんだが、それ故に「何かが不足する」という情報がネット上で受け入れられてしまうと、俺たち消費者と転売屋の商売感覚が絶妙に反応してこう言う過激なことが起きているってことなわけだ。

恐怖が俺たちに行動させる

こうなってくると、俺たちは本当の意味で自分の意志で行動しているのかって疑問が自然に湧いてきてしまうよな。
ただ、不足するって「恐怖」に反応しているだけなんじゃないかってね。

確かにヒトにとって恐怖は最も避けるべき「現実」だ。
何しろ俺たちは実際にマスクが不足しているかって事実よりも、マスクが不足するっていう恐怖のほうが先に、しかも圧倒的な存在感で自分の中で処理されてしまう。

恐怖に反応することはヒトが生き物として自然界を生き残るために必要不可欠なことだった。
恐怖から逃れようとしたから、実際の危険から距離を取ることが出来たわけだからね。

ところが、俺たちヒトが地球上で最も反映した種族になれたもう一つの能力ってやつがこの恐怖が持つ影響力を飛躍的に向上させている。

つまり虚構を共有するという能力だ。

ヒトは神だったり、国だったり、お金だったりと多くの虚構の上に自分たちの世界を構築した。
この虚構はヒトに一致団結する力を与え、実際にその多くの虚構を現実のものとして受け入れてその力を余すところなく発揮した。

例えば俺たちは1億2千万人のほとんどと会ったことすらないけれども、日本人を「俺たち」として認識できている。
その認識は日本という虚構そのものに力を与えて、世界の中であたかも実際に「日本」という実態があるが如くに振る舞っている。

ところが、この虚構は恐怖のような負の感情とされるものにも、あたかも実態があるがごとくの存在感を与えてしまう

そこに存在すると認識された恐怖は、もはや俺たちヒトの手を離れてリヴァイアサンよろしく暴れまわる。

何か思い出さないか?
そう。9.11。
あのときに俺たちが「テロ組織」に対して抱いたものと、今回のマスク不足騒動が抱えている問題の根っこは同じなのかもしれない。

恐怖が俺たちに行動をさせるという一点の事実においてね。

俺たちは、俺たちの意思ってものがあるとして、その意思は俺たちの思う通りには動いてくれない。
ただただ、存在する恐怖に俺たちの意思は反応することしか出来ない。

なら、俺たちはどうすれば良いのか?

俺たちが選択出来るのは恐怖を「存在させない」ことしか出来ないんじゃないんだろうか?

マスク不足はいつか解消する。
その頃までに新型コロナウィルスで日本人の1割が死に至るなんてことは考えにくい。
※新型コロナウィルスの致死率は2%程度だそうだ。

恐怖を「存在させない」ために俺たちに出来ること。
そいつは、そう言う数字的な事実を俺達の前に「存在させる」ことなんじゃないかな?

なあ、あんたはどう思う?

俺たちは、恐怖に立ち向かうんじゃなくて、恐怖が恐怖でなかった状態を取り戻す努力がいるんじゃないだろうか?

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