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人気マンガをあっさりと完結させる理由

あんたにもお気に入りの物語ってやつ、あったりするかい?

最近の話題作って言ったら鬼滅の刃だと思うけれど、惜しまれつつも見事に完結したよな。

そして、2020/06/15。ついに約束のネバーランドも完結した。

そこでふと考える。

物語がきれいに終わる作品が増えてきている?

俺たちが子供の頃なんて、終わりたくても人気があるために終われずに、作品の魂みたいなものがどんどん抜け落ちていく作品達を山程見てたよな。

例えば、北斗の拳なんて、ラオウとケンシロウの戦いで終わっていたら、あんなに美しい話もないと思うのは俺だけかね?

今回は、このきれいに終わる物語が増えてきているってことについて考えてみる回だ。

ちっと一緒にその理由ってやつを想像してみようぜ?

きれいに終わる作品たち

実際、ここ最近の話題作を見ると鬼滅の刃にしろ約束のネバーランドにせよ、作品の冒頭に提示された最大の課題をクリアして物語として完結している。

まるでエンディングのさせ方を作品を書き始めた時点で決めているがごとくのきれいさだよね。

あの進撃の巨人だって、すべての謎が最初から設計されていたと考えないと、あの展開は作り上げられそうにないもんな。

そんな作品たちの中で、ひときわ美しい終わり方をする物語がある。

彼方のアストラだ。

以前、俺のnoteでも紹介したので、合わせて読んでみてくれよな。

この彼方のアストラは完璧にスタートからエンディングまで設計が完了してから書き始めただろってくらいに伏線がきれいに張られて、実に見事に回収されていく。
こう言うきれいに整理された物語に対するニーズが高まっているってことなんだろうか?

コンパクトに整理された物語が好まれる理由

で、物語の引き伸ばしって、昔のジャンプでは結構普通に行われていた。
有名なところではドラゴンボールのピッコロ(マジュニア)との天下一武道会での戦いの終わりで「あともうちょっとだけ続くんじゃ」って亀仙人のセリフは有名どころだよな。

実際、あのときのジャンプというか集英社にとっては、かけることが許されないほどの状況だったのは想像に難くない。

たしかにあそこで話を終わらすことも出来たとは思う。
でもその引き伸ばしがベジータやフリーザを生み出したことを考えると、一概に引き伸ばしは悪手ってするわけにも行かないのが難しいところだよね。

とは言え、ここ最近のマンガを見ているとあっさりと人気作品が完結していくことが普通になってきている。

これはなぜなんだろう?

一つ考えられるのが可処分時間を無限にかけ続けるにはマンガ以外の娯楽が増えすぎているってのが思いつくよな。

昔は週刊マンガ雑誌が飛ぶように売れていた。
ジャンプ第一次黄金期と呼ばれる1983年には平均でジャンプは371万部売れていたってんだからびっくり仰天だよな。
更にその後、1995年には653万部をマークしてギネス記録をゲットしている。この記録は未だに破られていないんだそうだ。

※ちなみに今は160万部。100万部を超えているマンガ雑誌はジャンプだけ

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出典:https://toukeidata.com/entame/4dai_syonensi_busuu.html

なんでそれほど売れていたのか。

逆に考えてみよう。
1995年をピークに一度ジャンプの売上部数は下がっている。
なぜか?
一つの要因がドラゴンボールの完結。でもさ、正直魔人ブウのあたりのドラゴンボールってフリーザのときのようなドキドキっていうか、ワクワクっていうかはもうなかったってのが俺の印象なんだよな。

もう一つの方が理由としてはでっかい気がするんだよね。

1995年といえば、俺たちの世界を一変させるある商品が出た年だよな。
そう、Windows95だ。

それまでのWindows 3.1の操作感を圧倒的に一般大衆に近づけることで、パーソナルコンピュータという存在を一気に一般家庭に取り込み、その先にあるインターネットと組み合わさることで、俺たちの世界を変えた商品だよな。

このインターネットが登場することで、俺たちの周りにある娯楽は一気に多様性を帯び始めていく。

可処分時間の奪い合い

この多様な娯楽ってやつは、俺たちの最も大切な資産である時間を無尽蔵に奪い始めた。

大作RPGは俺たちの睡眠時間を大幅にかっぱらっていったし、SNSは俺たちのスキマ時間を徹底的にかっぱらっていった。

結果として俺たちにはいくら余暇の時間があっても足りないって世界観に突っ込んでいった。

その前提で改めてマンガに求められるモノってやつを考えてみる。

時代はマンガに「短時間で感動なり笑いなりの価値を与える」って要素を求めているってことなんじゃないかな?

今の時代には毎週雑誌を買って時間をかけてワクワクしている余裕はないんだ。
俺たちは即効で感動して、即効で大笑いできるコンテンツを欲している。

結果として、You Tubeの動画は10分ちょいの長さになるし、Twitterは140文字になるし、マンガのストーリーはコンパクトに設計され始めたってわけだ。

だってさ、鬼滅の刃が全巻一気買いをするやつが山程出てきて、ランキングの上位を鬼滅の刃が独占するとかって、この最たる例だべ?

一気に読んで一気に楽しみたいってこってしょ?

なるほどね。だから引き伸ばすくらいならスピンオフ作品山ほど作っとけって感じになるってスンポーなわけだ。

なあ、あんたはどう思う?

これからのマンガはテーマを絞って多くの作品がガンガン出てくるって時代になると思うかい?

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