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YAWARA!を見直す

あんたもオンデマンドの配信サービスを利用しているかい?

amazon primeだとかhuluだとかnetflixだとか、結構な種類の映像配信サービスが世の中で使われる様になってきていると思うんだよね。

で、そう言う配信サービスはちょっと前まで使っていたレンタルビデオ店に比べて昔のコンテンツが普通に選択出来るって要素があると思うんだ。

特にシリーズものの作品を気軽に見る事ができるってのが良い気がするんだよ。

今回は昔なんとなく見ていた作品をオンデマンドで見直してみた感想を書いてみる回だ。

いやぁ、時代って流れているんだなぁって一緒に味わってみようぜ。

YAWARA!を見直してみる

なんかのきっかけで妻がYAWARA!を見たいと言い出した。

息子も見始めたら結構気に入った様子で、ちょくちょく見ているんだよな。

知らないヒトもいるかもな。
この作品は1992年のバルセロナオリンピックを目指した柔道少女の漫画だ。

いや、正確には主人公の少女ではなく、その祖父が目指させたって感じだけれど。

純粋にスポーツアニメとしての面白さもある。
その当時は今みたいにありとあらゆるスポーツを楽しむ風潮なんて無くて、スポーツと言えば野球くらいしか楽しむ感じじゃなかった。

マンガとしてはキャプテン翼とかはあったけれど、今みたいな戦略を楽しむ感じじゃなくてものすごいシンプルなパワーゲームとして描かれていたんだよな。

そんな中で、YAWARA!は結構異色の作品だったと思う。

結構戦術レベルの表現もあるし、精神面での表現もある。
何しろ当時に柔道がコメディマンガとして成立するなんて考えたのがすげぇと思ったりもするんだよ。

それまでの柔道マンガって言えば空手バカ一代とか柔道一直線とか熱血ものしかなかったからね。

1989年の世界

でだ。
俺が今回書きたいのはそんな柔道マンガとしてのYAWARA!じゃないんだよ。

その当時の世界描写だ。

今見てみると、びっくりするくらいに今の世界から消え去ってしまった文化が描き出されている。

主人公の猪熊柔の家の電話は黒電話だったり、公衆電話が普通に使われていたり、車の形がめちゃくちゃ四角かったり、待ち合わせをすっぽかされて怒ったり。

あ、今のところ出てきてないけれども駅の伝言黒板もあの頃はあったよね。

そして、自分でも意識していなかったんだけれど、ファッションのスタイルが今の町中で見かけるものとはぜんぜん違う。

肩パット入ってるし、スカートも長めだし、ジャケットの襟幅が微妙にデカい。

そう言えば、ネクタイを日常的に見ることってなくなったよな。

まあ、30年以上前の話ともなればそのくらいの変化は起きていて当たり前なんだろうけれど、逆に考えればそのあたりの表現をキチンとしていてくれた作品ってことなんだよな。

浦沢直樹さんすげぇ。

美人ではない女の子

あと見直して特徴的だと思ったのが、普通の美人ではない女の子が描き出されているってところだ。

主人公の猪熊柔は可愛らしい女の子として描かれているんだが、その友人やライバルたちはほんとにその辺にいてもおかしくない様な容貌で描かれている。

なんつーんだ?
めちゃくちゃリアルな感じがしたんだよ。

もちろん映像美という観点では今のアニメ作品はエグい位のクオリティを実現していると思う。
鬼滅の刃の映像美って話題になるくらいだもんな。

ただ鬼滅の刃の女性メインキャラクターって美人ばかりなんだよな。

本当に隣にいそうなヒトって意味ではリアリティに寄せていっていない。
まあ、鬼滅の刃の物語そのものがファンタジーを売りにしているからだけれどさ。

YAWARA!の場合、その「その辺にいそう」な女性が実に魅力的に描かられている気がするわけよ。

見目麗しい感じではないけれど、何気ない発言や行動がめちゃくちゃべっぴんだったりする。

本当に「普通の女の子」ってのが魅力的に描かれているんだ。

同時にキチンと「普通の男の子」も魅力的に描いている。

何しろ「普通」ってのがこんなに輝いているってすごい気がするんだよな。

なあ、あんたはどう思う?

俺たちの身の回りに昔から居続けた「普通」の奴らの魅力をどうしたら表現出来るんだろうな。

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