見出し画像

政府が財政支出を増やさないとならないわけ

あんたのところもいよいよ不景気の影響ってやつが肌で感じる状況になっているんじゃないかい?

不景気は俺のようなシステム屋にも影響を及ぼしている。
まず、まともな商談が出来ないことが多くなってきている。

商談の段階からまともなRFPを貰えることが少なくなってきて、それに伴って要求内容が二転三転することも増えてきている。

多分、世の中の不景気に伴って状況に臨機応変に対応することが求められている結果だとは思うが、システム屋の立場からもお客様の立場からも先行きが不透明だってのは厳然たる事実ってことなんだろうね。

こんな時、経済を回していくためにお金を流通させることは政府だけなんだよな。

今回は日本政府の経済対策について振り返ってみる回だ。

まあ、振り返りは大切だもんな。ちっと付き合ってくれよ。

GDPは何で出来ているのか

そもそもGDPってのは何から出来ているのか。そいつから復習しておこう。

GDPは以下の要素から出来ている。

(1)個人消費
(2)設備投資
(3)政府の支出
(4)輸出入(輸入は控除項目)

この中で一番大きな数字を占めるのが個人消費(民間最終消費支出)って数字なんだけれども、その推移ってどうなっているのか。
ちょっとこのグラフを見てみてほしい。

画像1

出典:https://jp.gdfreak.com/public/detail/jp010010001010100002/1

https://jp.gdfreak.com/public/detail/jp010010001010100002/1

この赤い線で表されているのがインフレ・デフレの貨幣価値変動分を除いた実質値の推移だ。

2011年を100として、2019年は110。つまり9年かけて10%伸びているってことになる。

何?伸びてんならいいじゃんって?

うんとね福利計算で9年かけて10%の伸びって言ったら、毎年の伸びは何%だと思う?

1.06%だよ?しかも平均でそれだから、実質的にマイナスになっている年もある。
立てて加えて、2020年は自粛による経済打撃があるからマイナス4%くらいになるって試算もあるくらいだ。

しかもこの状況に未だに打開策は出ていない。
ワクチンだって1年で作るって豪語している企業もあるらしいけれども、通常10年はかけてする開発を1年で国民に接種させるとか、どんな薬害が発生するかわかったものじゃない。

今はGDPを個人消費で支えることは事実上不可能なんだよ。

企業の設備投資だってさっきも言ったとおり、あからさまにシステム化投資が抑え込まれている状況もある。

そうなってきたら、事実上今の経済をコントロールできるのって(3)政府の支出だけなんだよな。

政府がやってきた経済対策

んなこと言ったって、税収が無いことには無い袖は振れないだろうって?

まあ、まず税収の推移ってやつを振り返ってみよう。

画像2

出典:財務省

この青の棒グラフが税収の推移ね。

第二次安倍内閣が発足したのが2014年で、その年は税収をぐ~んと伸ばしているのがわかるよな。
当初は金融政策と財政政策を両輪で進めていたのが功を奏した格好だ。

合わせて消費税増税のタイミングとも見ていってみよう。

消費税増税(3%)が施工されたのが1989年。この年の税収も伸びている。
その主な原因は所得税の税収が上がっていることに起因している用に見えるよな。

こうしてみると、所得税が右肩上がりの時の消費税導入ってのは、コレしか無いってタイミングだったんだろう。
俺からすると、このときはまだ選挙権を持っていなかったので、こんちくしょうってもんだけれどさ。

そこから所得税は1991年をピークに右肩下がりに転ずる。
そして、その次の1997年の消費税5%増税。

これは景気が減退しているタイミングの増税なので、絶対やっちゃダメなやつだ。
案の定所得税は右肩下がりを堅持する事になっちまった。

そして2014年消費税が8%に増税される。

所得税は回復基調を見せているも、3%の導入時に比べるといかにも頼りない上がりっぷりだよね。

しかも、消費税の税収が2009年以降、法人税よりもずっと高いって状態って結構異常値だと思わないかい?

確かに法人税が高いと企業がタックスヘイブンに逃げ込んじまうってのはわかるけれど、利益を生み出す活動をしている法人から税を取るより、消費した分税金払いなさいって消費税が多いってすごい違和感を感じるんだよ。

で、2019年の消費税10%。この程度の税収減で済んでよかったって言うべきなのかな。

そして2020年。
このグラフのは予算値が採用されているんだけれども、こんな数字が出せっこないって思うのは俺だけじゃないと思うんだ。

なぜ俺たちの政治は手が打てないのか

この人類史上もっとも危機的な経済状況に置かれても、日本政府は動かない。
いや、動けないってのが正しいのかもしれない。

何故か?

具体的には前にも少し書いたことのある「財務省設置法」の問題だ。

この法律のあるせいで、財務省は全力で政府の支出を抑える羽目に陥っている。

大胆な財政支出が必要なのに、この法律はシャレじゃなく日本を滅ぼしかねない。

でも、今の状況を作り上げたもっと根っこの原因があるとも思うんだ。

それが衆愚政治だ。

ざっくり言えば、俺たちが感情で政治を判断してしまっていることによる、民主主義の末期症状の一つだ。

政治家なんて誰がやっても同じでしょ?
よく聞く言葉だよな。
若者の政治離れ。
よく聞く言葉だ。

もっとも若者の政治離れって方は、そもそも若者が政治にくっついたこと無いんだから離れってのはおかしくない?ってせやろがいオジサンも言ってたね。

投票率が低い。
関心も持たない。
なので政治家は既得権益と結びつきながらテキトー進むのが当然って状態。

それが衆愚政治だ。

これって、日本だけじゃなくて世界的にはびこってきていて、G7とかが具体的な成果を出せないようになっている原因とも言われている。

これから脱するには

(1) 政府の問題点を理屈で整理して
(2) そのことを発信して
(3) 選挙に行く

しか無いんだよな。

なあ、あんたはどう思う?

俺たちはこの未曾有の危機を乗り越えていくことができるんだろうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?