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実家へ#10 独りきりで初めて空っぽの家に


こんどう治療室です。

夏休みに次女の自由研究で大活躍してくれたアマガエルさんたちを田んぼに返す為に 実家に行ってきました。

母の居るグループホームへの面会は、ホームでコロナが出てしばらく経つけどちょっと厳しい対応らしいのでまた今度。


9月の残暑が厳しい。

伊勢原に着くと、雲が出ていて少し楽だった。
これなら歩いても良いかな。
スーパーでお弁当とビールを買って歩く。

サクサクと歩いても25分。

家の直ぐ裏の田んぼにカエルたちを放してから帰ろう。

稲穂が大分頭を垂れていた

うちにいたひと月ほどの間に少し大きくなったようだ。 今日からはご飯くれる人は居ないんだからね! しっかり取って食べるんだよ!
少しずつあちら、こちらへと去る彼らをしばし目で追う。

しばらく世話して可愛くなってもいたので、
このまま飼育を続けようか、とも思った事もあったのだけれど。
いやいや、生き餌の確保が大変すぎる。
やめておこう。自然に返すのが一番だ。

すっかり慣れたカエルさんたち
ちょっとだけ分かれ難かった


空っぽになったケースにホッとひと息。


家は、雨戸が全部閉まっている。
まず、雨戸を開けて風通し! 窓を開け放つと
涼しい風が田んぼを通ってくる。
よく、暑い夏の日に「お願いだからクーラーつけてね! 熱中症注意だよ!」と電話をしたけれど。 両親はあまりクーラーをつけてなかった。
今日も室温28.5度だけど、正直扇風機で充分。


父の写真にお線香を焚いてリンを鳴らす。

ただいま!お父さん!

勲章をもらった時の記念写真。
帽子被って格好いいんだなぁ。何度も言って悪いけど、良かったよなぁ。この写真撮っておいて!

交通課のお巡りさん。
警察官というより父はお巡りさん。

写真の傍らに、ベルトの金具?とタイピン。
定年から見てないから懐かしい。
さて、お弁当食べるかな。

グループホームの母は今日何を食べたのかなぁ。

四食おにぎり行楽弁当、フルーツサンドとグリーンラベル


台所のロールカーテンも開けて窓を開けた。
ササー ササー 稲を揺らして風が走ってきて頬がひやりと気持ち良い。

いつも母は此処に立って、細々とした仕事をしながら 訪ねてくる私や子供たちの為にご飯の事を気にしていた。

作り置きの佃煮や煮物がいつもあって、
つまみ食いが美味しくて楽しかった。

あれ?

あれ? あれ?

涙が。
とまらん。

風の音と一緒に、元気だった頃の父、母の声が脳裏に響く。姿が目に浮かぶ。
悲しいよりも懐かしい。

久しぶりに時間を逆戻ししたいと思った。

しばらくの間、夢を見るように父、母の想い出にひたり泣いた。
頭がギリギリと痛んだ。マズイ。久々に感情失禁を起こしてる!自分。
そこから戻れないくらい苦しくなって
別件で連絡をしていたG先生に、涙が止まらない!とLINE。

ちなみにG先生は私のバレエの先生です。

https://note.com/dukezion/n/nfb5e4586d13e

幾つか優しい言葉をもらった。
「そこにひとりで居るのは苦しいだろうね。」
共感してくれる人が居るだけで、どれだけ心が軽くなることか!

しばらくLINEでやりとりして 大分落ち着いた。

自分がこんなに弱虫だとは驚いた。


落ち着いたらお腹が空いてきた。


殆ど食べてしまってから、温めるのを忘れていたことに気づく。
ま、美味しかったからいいや。


この何日かはお天気続くようなので、
庭の草木に水をあげておかないと。

父の脚が弱ってからボウボウだった庭の草木を、私も多少は整理したけれど。

父が亡くなった後の兄の頑張りは凄かった!
庭はかなりこざっぱりして水をあげやすかったよ。ありがとうお兄ちゃん!

ふと横に見慣れた物体。

可愛い

それもかなり大きめで立派なアマガエルさん!
思わず連れて帰りたい衝動に駆られたが、我慢!


その隣には蝉の抜け殻が。

母はこれを集めてた。

「これ持ってるとね、衣装もちになれるのよ!」
嬉しそうに見せてくれだが、私はちょっとこれ、怖い。
衣装もちは良いんだけどさ。 箪笥の整理に兄夫婦は四苦八苦してるよ!

母の着ないものは大分処分進んできたらしいが、
父が最近まで着ていたものは面影があり捨てられない!と兄嫁が泣いていた。

親のものは、彼らが生きている間に処分した方が良いらしい。兄夫婦が本に書いてあったと教えてくれた事は本当らしい。


母の桐箪笥は三竿ある。
中の着物や反物ごと、取手の長女の家に運ぶ事にした。
布はいつどう制作の役に立つか分からないからもらっとく! 藝大生の長女には何でもお宝だ。


帰り道は陽がさして暑かった!

駅への上り坂が一層キツく感じた。

駅に着くと、厚木駅で人身事故と。
物騒なことだ。

本厚木駅まで移動してそこでまた運行再開を待って。相模大野。

伊勢原から遠ざかりながら、気持ちも少し整理がつきました。

読んでいただき ありがとうございました。

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