見出し画像

50代でも獲れる!52歳・サブ3達成の裏側 勝田全国マラソン2023疾走記


2023年 第70回勝田全国マラソン

2023年1月29日。3年ぶり開催の勝田全国マラソン第70回記念大会。2017年、2018年の参戦に続き3回目となる。46-47歳当時の記録は3時間13分。2022年の東京マラソンで「公認サブ3」(2時間57分24秒)を獲った2022年。故障が長引き、夏〜秋のレースは厳しく12月も肉離れ…思うような練習が積めない我慢の時期が続いた。でもそれを織り込んで、2023年1月からのレースに照準を合わせることができた。勝田は、2月の本命・大阪マラソンを控えた実戦的な練習でもあり、サブ3にどこまで近づいているか?確認のための重要なレース。
その結果、2時間56分39秒(ネット)自己ベストを約1分更新できた。
50歳から3年連続!なぜサブ3領域でPB更新を達成できたのか?
いつものように、5K毎に振り返る!


勝田全国マラソンコースマップ(公式HPより引用)

スタート〜5K 20分32秒

5年ぶりに勝田のスタートラインへ。朧げにコースの記憶があったが事前に動画で流れは掴んだ。30kまでは無難だが、高低図にない地味なアップダウンが各所にある。33k以降の「3連起伏」が最大のヤマ場。そこまでは「体力の貯金」が必要だ。設定ペースは、4分10秒/km。5kを20分50秒。
ハーフは1時間27分45秒で設定。後半を90分以内で走ると決めた。
「B」ブロック出走。腹を冷やさないように、今回はインナーを着用した。快晴。風も穏やか。周りのランナーからは「言い訳のできないコンディションだな!」の声が聞かれる。午前10時半スタートの号砲。順調な滑り出し!
5kは21分で走るつもりが、周りに釣られて少し速め…

5〜10k  20分33秒

最初の5kで呼吸を整える。緩やかな登りをこなし巡航ペースを意識。この区間は道幅が広いので走りやすい。「さて、今日はどの集団についていくか」とボチボチ考え始める。毎回レースには颯爽と走る「女性ランナー」が1人はいるものだが、いない…周りはガチ練習を積んできたと見られる「市民アスリート系の中高年ランナー」が多い。。「さすが、勝田!」としばらくは路肩の白線をターゲットにボーッと走る。

10k〜15k   20分40秒

この区間のポイントは、13k過ぎの約1kのアップダウン。工事中の大きめの橋?を渡る。過去2回走った記憶が蘇る。5年前はお腹が冷えてトイレに駆け込んだ笑 今回はインナーがあるので万全。気温も風も許容範囲だ。身体が解れてくる時間帯なので、むしろこの程度のアップダウンは適度な刺激になる。下りも上りも脱力してリズム感だけでこなす。ここを越えれば、30kまでほぼフラット。落ち着いてラップを刻む。

勝田マラソン高低図(公式HPより引用)

15k〜20k  20分49秒

15kからは東海村の地区へ。原子力科学館を左折していく。走りながら、小学生の頃、東海村から来た転校生がいたことを思い出した。「橋本博」君。「茨城弁が時々出て、恥ずかしそうにしてたな。達筆だった!」フルマラソンは長い。昔の記憶を呼び起こしながらサブ3ペースで巡航するのも悪くない。ここまで、大きなサブ3集団は形成されず。ピンクのカツラをかぶった、明らかにサブエガ以上の細身ランナーをターゲットに巡航していた。
ハーフが近くなる17kで最初の補給。なぜ17k?過去のマラソンの経験から、小さな疲労感の波が最初に来るのだ。今回も「カフェイン系」。メイタンの100mgをまずは投入した。

20k〜25k  20分58秒

予想通り、17k以降で感じた小さな疲労感。これが微妙にペースに影響している。短い陸橋のアップダウンもあり、我慢の時間帯。ただ、疲労の波がレース中にやってくる感覚は、去年の夏・秋のレース(北海道、水戸黄門、つくば、NAHA)で体感的に分かっていた。こういう時は、沿道の応援を使う!ちびっ子とのハイタッチなどで気を紛らわせる。

アディダス・アディオスプロ3

ここで今回の使用シューズを紹介する。「アディオスプロ3」。2022年7月にアディダスが投入した厚底カーボンのニューモデルだ。去年の東京マラソンは、プロ2を使用して初の公認サブ3を達成していた。違いは何か?勝田で使うまでに、約80Kを試走。個人の感想だが、推進力よりも接地幅が広くなり安定性が格段に増したと感じる。5本指カーボンロッドが足裏全体に使われたので(*プロ2は前足部のみ)後半に疲労した時でも、着地箇所を問わずペースを維持できそう。サブ3レベルではもったいないアスリートシューズだ。
で、中間点へ。ハーフは1時間27分19秒で通過。想定ラップは、1時間27分45秒だったので「上出来」。ハーフを過ぎた頃には、初めの疲労感の波は収まっていた。

25k〜30k  20分50秒

東海村から、ひたちなか市へ戻っていく区間。「ザ・茨城!」な風景。つまり何もない荒涼とした国道をひた走る。風は地味に向かい風。単独走のような走りになっていたので、少々ストレスを感じた。「風よけが欲しいな」と思っていたところ、27k辺りで4'10/kmの集団が10人程度突如、形成された。
サブ3狙いのランナーたちだ。30kを前にターゲットを求めて無意識に集まり出したのだろう。この集団の中に入る。30k以降のためペースを維持する温存の走りに徹した。28kで2回目のカフェイン投入。後半戦に備える。

30k〜35k   21分09秒

30kの通過タイムは、2時間4分31秒。想定は2時間5分。ハーフに続き30秒の貯金上乗せ。「上出来」だ。ここからが勝田のヤマ場。気を引き締めていく。まず32〜33k辺りで坂がある。集団はもうバラけていた。多少ペースは落ちても貯金があるので足を使わないことを意識して、ここは無難にこなす。折り返しの連続を通過すると、勝田最大の難所「3連起伏」区間となる。約2kだが、高低図にない「うねり」が3回連続でくる。ここでのポイント?ロッキーのテーマが突如爆音で!知る人ぞ知る「名物ロッキーおじさん」が登場。ランナーを鼓舞してくれた。起伏は「1回目、2回目、3回目…」と数えながら、アップとダウンのリズムにランを合わせるイメージで巡航する。当初のプラン通り「ここで撃沈しなければ、サブ3は確実に行ける!」と気持ちを強く持つ。このために、トレーニングで起伏走や坂道ダッシュを取り入れていた。その甲斐あって、危なげなく通過。
だが、ラップは21分を超え、疲労感は高まっていた。ここで迷わずラストのメイタン、最強のカフェイン200mgを投入。焦らずにゴールを見据える。

35k〜40k    21分35秒

勝田の最大のヤマ場「カツタ3連坂」(*命名;江戸川乱走)を通過。
「ここから垂れずにキープして、どこかでペースアップいけるか?」と苦しいがラストの算段を考える。ひたちなか市の中心部へ突入。ゴールの石川陸上公園を目指していく。細かいアップダウンはあるが、もはやこの区間は気力との勝負。「リミッターを外すタイミング、どこよっ?」身体に聞きながらペースを保つ。だが、38k地点。左ふくらはぎ。うじゃうじゃとミミズが這う「ゾリゾリっ!」の感触が襲ってきた!肉離れ前の危険な兆候だ・・・「ちいーっ!ここで肉離れだとー?ストップなんて絶対ダメだ!」とたまらず、ペースを落とす。同時に着地をフォアフットからカカトに変えて安全に減速。「勝田はそもそもサブ3が目的、もう安全圏だから…」とペースを落として(4'20−30/km)でゴールを目指す。

40k〜ゴール 9分33秒

ラストの区間は、スタートで走った逆区間。「戻ってきた感」を感じる。
運動公園までの風景は動画で復習済み。スタート地点の石川陸上公園前の
マンションを目標に「この2.195kは10分以内を死守」で粘る。肉離れの兆候は、幸い収まっていた。同時に、攻めるモードも消沈。でも、公園にさしかかかる最後の角に来ると、「よし、ラスト行くぞー!」と己に声がけ。ゴールまで600mでスパートをかけた。タイムのボードが見えた!「2時間56分」に入った。「56分台ならPBか。よしっ!」ゴール前にいた数人のランナーをちぎる。(ガーミン記録では、ラスト400mを3分30/km辺り)
秋マラソンではなかった「プチスパート」でゴールに飛び込む!
結果は2時間56分39秒(ネット)自己ベストを48秒ほど更新。
5年ぶりの勝田全国マラソン。サブ3領域で3年連続の自己ベスト更新
終了した。


第70回 全国勝田マラソン記録

まとめ

2022年3月の東京マラソンで、公認サブ3を奪取。しかし以降、故障して
6月までjogしかできなかった。8月の北海道からマラソンへの意識を目覚めさせ、秋の水戸黄門(10月)つくば(11月)の参戦も「スピード持久力不足」が露呈し、サブ3は獲れず。さらに、強化目的の12月NAHAマラソン前に肉離れを発症…正直、2023年1月以降のレースシーズンにどこまで復調できるか、一抹の不安を抱えながらランと向き合う日々だった。

しかし、12月に思い切って1週間のランオフ。故障からしっかり回復させ、3’50-4'00/kmのゾーンでのミドル走の練習がうまくハマり出した。1月のハイテクハーフで、余裕を感じて1時間23分で走れたことも大きい。その裏で、去年の「連続フル撃沈」で体得したレース運び、疲労&ペースコントロール。反省と修正を探ってきた。1月の勝田はそうしたトライ&エラーから設定した目標であり、ほぼ想定通り走れた。大きな収穫である。

本命は2月の大阪マラソン。なので、1月にピークは置いていない。
勝田は幸い想定通りの設定で走れたが、あくまでこれは通過点と身体が感じている。(はず笑)しっかり疲労を抜いて、2023年冬レースの最大のヤマ場へ挑む。(了)












この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?