なんで司法書士になったの?その2

当時の私が決済にやってきたら、司法書士にとっては災難としか言いようがない。A先生に今からでも土下座して謝りたいとたまに思います。

ある日、女性営業トップが結婚しました。その際会社に産休育休制度がないことが判明(当時)。結婚後彼女と会うと「旦那と顔を合わせることは滅多にない」「ご飯はつくったことがない」「仕事中トイレ行けない」「海外の新婚旅行は諦めた」と笑っていました。私は内心、全然笑えませんでした。そこまでしないとダメなのかと絶望しましたし、また会社もそれを当然としていることに強い違和感を感じました。

この会社に長くはいられない。そう思った時、ふと頭に浮かんだのはA先生でした。専門職として尊敬していたのは勿論、いつも18時すぎたら電話はつながらない。土日も絶対いない。で、束縛される時間も少ない割にいいお金取ってる。司法書士って、実はすごく魅力的な仕事じゃない?資格取って手に職だ!これなら食いっぱぐれない!彼氏と別れて結婚も遠ざかっていましたから、一人で生きていけるという光が見えた気がしました。

親の説得、いくばくかの退職金、補助金などフルに使い、どうにか勉強を始めました。たまたま友人にベンチャー企業を立ち上げるから手伝えと言われ、昼間はそこで働き夜間学校に通う日々が続きました。

あと、予備校の相談窓口に行ったら「宅建は有利。合格率3%というのは受けるだけの人が沢山いるからで実際は違う、頑張れば取れます」とおだてられ、いい気になったのも受験の理由の一つです。全然有利じゃないってことがわかるのは、勉強を始めて暫く経ってからでした。宅建関係ないじゃん!と叫んでも後の祭り。3%の壁も、実際に身に染みたのは初受験でした。まったく歯が立たなかった。ひどい沼に足を突っ込んでしまったと思いましたが、もう頑張るしかありませんでした。


手伝ってたベンチャーが失敗して派遣社員に慌てて登録したり、一人暮らししたり、東日本大震災があったり、なぜか結婚したり。紆余曲折ありましたが、どうにか5回目で合格することができました。

結局、私が司法書士になれた理由は「出会い」に尽きます。転職を勧めてくれる人がいたこと。A先生に出会ったこと。結婚したこと。働きながら勉強することを応援してくれた人たち。司法書士の卵だからと関連部署に異動させてくれた派遣先の上長。いつもどこかで誰かが助け支えてくれていました。司法書士になって、微力ながら少しでもそれが還元出来たらと思っているのです。

なお、途中、司法書士について誤解があるなあと思われたかもしれません。私も思ってたんと違う、、、となったことはまぁまぁありまして、それはまた別の機会に書こうと思います。

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