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ハートの強さの話し ②

初めて自分等が「お巡り」ではなく、「お巡りさん」と呼べるポジションでお巡りさんと邂逅した。
そのreggae barも、音を出し過ぎてお巡りが来るパターンに全振りしていたのもあり
店主も「今日はスペシャルリクエストだしちゃいました!」
と、張り切って、「お巡りさん」も珍しがって優しく接してきた。
自分らは張り切りすぎてベロベロだったが、
どうにか状況を説明し、ゴリラを起こす事になった。
お巡りさんがゴリラをいくらゆすっても、声を掛けてもゴリラは寝続けた。
目を無理矢理開けても、腰を90度に曲げて体を起こしても寝てる。
「目を開けたまま寝てますね、、、」
お巡りさんも、ゴリラの手強さに気付いて、困り始めた。自分達も多少冷静になっていて、
「まぁ、こんなもんか」
的な空気感になった矢先、
普段口数が少ない友人の1人が衝撃的な言葉を吐いた。

「こいつ、寝たフリしてない?」

「えっ!!??」

自分は予想外の死角からぶん殴られたような感覚だった。とりあえずその友人に
なんで寝たフリだと思ったのか??と聞いたが
「お巡りが来る前によく観察してたら、店の音楽に合わせて足がリズム取ってた、あれ絶対寝たフリだよ」
と100点の答えが帰ってきた。
この友達は普段は大人しいが、核心を突くのが得意な頭の良いヤツで、信用もある。
聞いた瞬間全員が腹が捩れるまで笑った。
「その手があったか!!」と声にならない声を漏らしながらの爆笑。
文章じゃなかなか伝わらない、凄い特殊な空気感だった。
お巡りさんが、どうしました?と聞いてきても
笑い過ぎて伝えられなかったが、一通り笑い終えた後に
「多分このゴリラ寝てないっすよ。」と伝えた。
お巡りさんも、最初はビックリしてたが、
だんだん、確信に変わっていった感じだった。

ただただ、自分達はこっからの展開が楽しみでしかない。
いつしか、頼んだ酒にも手を付けずにゴリラとお巡りさんに釘付けだった。

「スタンガン使いましょう。警棒で引っ叩きましょう。」
などなど、調子に乗って、お巡りさんに面白い方に転がるような無茶な提案を多数したお陰で
こっちはこっちでウザイって感じになってきた。

「とりあえず、寝たフリをしているかどうかは、今判断出来ないので、応援を呼びます。」

スタンガンも警棒も使わないのか、、、
と少し残念だったがまぁ、こうなるだろうという予想はついていた。
が、これから起こる事の予想は全く出来てなかった。

続く….





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