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“破壊神×守護神”大激突の舞台裏~『ゴジラvsコング アート・オブ・アルティメット・バトルロワイヤル』より、アダム・ウィンガード監督のまえがきをためし読み公開

本書は、この夢を実現してくれた天才たちへのトリビュートである
――アダム・ウィンガード監督

 破壊神×守護神、相まみえる!
 本日ついに劇場公開の日を迎えた映画『ゴジラvsコング』の制作過程に迫ったメイキングブック『ゴジラvsコング アート・オブ・アルティメット・バトルロワイヤル』(ダニエル・ウォレス著、富永晶子訳)が8/6(金)に発売されます。

ゴジラ帯つき

 このたびは映画の公開を記念し、アダム・ウィンガード監督が本書に寄せた「まえがき」をためし読み公開いたします。脚本を手にする前から監督の頭に浮かんでいたという、巨大怪獣激突の光景とは――。ぜひご一読ください。(*映画のネタバレにあたる部分は割愛しております。本書には、重要シーンも含めた『ゴジラvsコング』の“すべて”が収録されていますので、ご鑑賞後にお楽しみください)

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FOREWORD――まえがき

文=アダム・ウィンガード 訳=富永晶子

『ゴジラvsコング』の制作過程の原動力となったのは、純粋な“想像力”である。この作品では、私が思いついたクレイジーな案がいかに壮大であろうと、あるいは複雑きわまりないものであろうと、すべてに命が吹きこまれ、環境やキャラクターとして完璧に再現された。本作におけるデザインは、視覚的に過去と未来というふたつのテーマに分かれている。

 実際、すでに脚本を受けとるまえから、私の頭には、最終的に未来の光景の一部となるイメージがはっきりと浮かんでいた。シンセウェーブ[80年代のニューウェーブやエレポップ、SF映画サウンドトラックなどの要素を内包したムーブメント]を彷彿させる未来風都市を背景に、ゴジラがコングに向かって放射熱線を放つ光景である。鮮やかなネオンを浴び、2頭の巨大怪獣が戦う――そう考えただけで、胸が高鳴った。マット・オールソップ(コンセプト・アーティスト)の最初の絵を見たときの興奮は、いまでも忘れない。そこには、私の想像どおりのシーンが描かれていた。

 私はゴジラ作品の大ファンとしてこのプロジェクトに加わったわけだが、シリーズの感情的な核がコングだという考えは昔から変わっていない。本作に登場するコングは、『キングコング:髑髏島の巨神』の若く逞しいコングではなく、少しくたびれた、ジョン・マクレーン(『ダイ・ハード』シリーズの主人公)のようなアクションヒーローだと想像した。『髑髏島』よりも歳をとり、いっそう孤立しているとはいえ、戦いを挑まれれば常に受けて立つ。何より重要なのは、コングがどんな苦境に追いこまれても決してあきらめないことだ。

 低予算のインディ映画から大作映画の制作へと移行するさい、私の頭にはこんな疑問が浮かんだ。多額の予算を使える場合、制作過程はどう変わるのか? それから、こう自分に問いかけた。これまで私が作ってきた低予算映画と大作映画は、結局のところ、どこが違うのか? その疑問の答えは『ゴジラvsコング』の制作中に明らかになった。ハリウッド最高傑作のビジュアル、雰囲気、そして作品そのものを生みだすための決定的な違いは、スクリーンに見えるものではなく、舞台裏でそれを実現する人々なのだ。本作で私は、世界に冠たるビジュアルアーティストたちと共同作業を行うという素晴らしい幸運を手にした。彼らの類まれなる才能こそが、『ゴジラvsコング』のビジョンを実現させたのである。監督が抱くビジョンは、実際にそれが描かれるまでは頭のなかにしか存在しない。最高のスキルと創造力を持つアーティストたちと共同作業を行い、私のアイデアを私自身の想像力の限界をはるかに超えた絵として描きだしてくれた彼らの素晴らしさに、ただただ頭が
下がる思いだ。

 本書は、この夢を実現してくれた天才たちへのトリビュートである。

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アダム・ウィンガード監督
撮影現場にて(本書掲載写真)

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ゴジラ

《書誌情報》
『ゴジラvsコング アート・オブ・アルティメット・バトルロワイヤル』
ダニエル・ウォレス=著 富永晶子=訳
B5変型・並製・オールカラー160ページ+観音開き4ページ
本体4,500円+税 ISBN: 978-4-86647-147-1
2021年8月6日(金)発売
https://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK302

全国の書店・オンライン書店にてご予約承り中

〈内容紹介〉
本書でしか見られない迫力のコンセプトアートや美麗写真、
制作陣のインタビューを収録した完全保存版。
まえがきはアダム・ウィンガード監督。
【限定2,000部生産】

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著者略歴
ダニエル・ウォレス(Daniel Wallace)
著者、または共著者として、これまでに50冊以上の書籍を手がけている。主な著書に『スター・ウォーズ ジェダイの書』『ゴーストバスターズ ヒストリー&メイキングブック』『MARVEL スパイダーマンの日常 THE WORLD ACCORDING TO SPIDER-MAN』『Warcraft ダークポータルの裏側』、ニューヨーク・タイムズ紙でベストセラーとなった『Star Wars: The New Essential Guide to Characters』など。架空の世界を支える世界観や設定を掘り下げることを得意とする。
訳者略歴
富永晶子(Akiko Tominaga)
翻訳者。英国王立音楽大学大学院卒。訳書に『ギレルモ・デル・トロのパンズ・ラビリンス』『ファースト・マン オフィシャル・メイキング・ブック』『グレタ・ガーウィグの世界 ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』(以上DU BOOKS)、『スター・ウォーズ ダース・ヴェイダーとルーク(4才)』(辰巳出版)、『THE STAR WARS BOOK はるかなる銀河のサーガ 全記録』(講談社)、『ボヘミアン・ラプソディ オフィシャル・ブック』(竹書房)など多数。

■シネマトゥデイさんにて紹介いただきました!


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