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ストリート・カルチャーを愛するヘッズのための参考書~『ヒップホップ英会話入門 学校に教科書を置きっぱなしにしてきた人のための英語学習帳 JUICE』をためし読み公開

「三度の飯よりラップが好き!」
「ダンスしてる時が一番楽しい!」

 ストリート・カルチャーが大好きで、知識を深めたり、活動の幅を広げるために英語にも興味がある。でも学校の教科書や本屋さんで見かける参考書はムズカしい(それにちょっと退屈……)。英会話学校も試してみたけど、どうも長続きしない――けれど、やっぱり英語をしゃべりたい!

 そんなストリート・カルチャーを愛する英語学習者に贈る待望の一冊、『ヒップホップ英会話入門 学校に教科書を置きっぱなしにしてきた人のための英語学習帳 JUICE』(TARO著)を8月に刊行します。

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■『ヒップホップ英会話入門』はこんな本――先行ためし読み公開

「英語を勉強したい。でも教科書は面白くない」という生徒の実際の声に応え、カルチャー好きが楽しく学べることを第一に設計された“ストリート仕様”の参考書。

ラップ/DJ/ダンス/バスケットボール/スケートボード/グラフィティのシーン別レッスンで、今すぐ使える日常会話表現を紹介。身近なテーマなので、楽しみながら勉強ができます。

・舞台は架空の街、SHIBU CITY(シブ・シティ)。オリジナル・キャラクターのウィルやジェニーたちが、毎話ラップやスケボーに奮闘します。

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トラヴィス・スコット、ケンドリック・ラマー、ビヨンセ、チャンス・ザ・ラッパー、カニエ・ウェスト、2パックほか、大人気アーティストの歌詞解説を通じて英語を学べる〈パンチラインで覚える英語〉も収録。

 著者は、中学生の時にキングギドラやライムスター、エミネムに衝撃を受けて以来、ヒップホップの虜となり、学生時代はダンスに専心、現在は高校で英語を教える教師のTARO(タロー)。

 そして今回は、本書に収録の1話「最近、どんなラッパーを聴いてんの?」を先行ためし読み公開します! ぜひご覧ください。

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Which rapper have you been listening to recently?
最近、どんなラッパーを聴いてんの?

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普段は90年代から2000年代初めのヒップホップを中心に聴くウィルは、今時のヒップホップ・シーンに詳しいジェニーが最近どんなアーティストを聴いているのか気になるみたい。

WILL: Which rapper have you been listening to recently?
ウィル:最近、どんなラッパーを聴いてんの?

JENNY: I’m into Lil Nas X now. I went to his concert in LA last year.
ジェニー:今はリル・ナズ・エックスにハマってるわ。去年、LAで彼のコンサートに行ったよ。

WILL: Cool! The “Old Town Road” guy, right? How was it?
ウィル:いいね! あの「Old Town Road」のやつだよね? どうだった?

JENNY: I really enjoyed the concert. It was lit.
ジェニー:めっちゃ楽しかった。盛り上がったわ。

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 ジェニーのお気に入りのラッパーは、2019年に「Old Town Road」の大ヒットで一躍世界的スターとなったリル・ナズ・エックス。

 みんなにも今ハマっているラッパーっているんじゃないかな? そんな時に便利なのが、次のフレーズ。

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be into...   ~にハマっている、夢中だ
――――――――――――――――――――

 何かハマっていることを話す時にめちゃめちゃ便利なフレーズだ。もちろんラッパー以外にも、

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I’m into hip-hop dance.
ヒップホップ・ダンスにハマってるんだ。
――――――――――――――――――――
He is into making beats.
彼はビートメイクにハマってるよ。
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など、いろいろな話題に使えるよ。be into... は「~に夢中だ」にもなるので、ハマっていることの他に、好きな子がいる場合などにも使える。

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I’m into her.   僕は彼女に夢中だ。
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 前置詞の in には「~の中に(で)」、to には「~の方へ、~へ向かって」という「方向、到達点」を表す意味がある。なので be into... は「何か目的のもの、好きなものに向かって、自分という存在が入り込んでいく」というイメージから「~にハマっている、夢中だ」という意味になるんだ。

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 リル・ナズ・エックスのコンサートを楽しんだジェニーが感想を伝える時に使っているのが次のフレーズ。

――――――――――――――――――――
It was lit.   盛り上がったわ。
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 lit[リット]はもともと、light[ライト:明かり、~に火をつける、~を明るくする]の過去形。過去形としては、

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He lit a cigarette.
彼はタバコに火をつけた。
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The dance floor was lit by a disco ball.
ダンスフロアはミラーボールで照らされていた。――――――――――――――――――――

などの使い方をする単語だ。そんな lit なんだけど、最近では「酔っている」や「(イベントやパーティーが)楽しい」という意味のスラングにもなっているんだ。

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Bring the tequila! I’m gonna get lit tonight!
テキーラ持ってこい! 今夜は酔うぞー!――――――――――――――――――――
The party was lit!
そのパーティーはチョー楽しかった!――――――――――――――――――――

 lit は日本語の日常会話でも使える単語。「先週の渋谷でのイベントどうだった?」「めっちゃリットだった」みたいな感じで使ってみよう。

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YFN Lucci - Everyday We Lit (feat. PnB Rock) [2016]

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Everyday we lit, yeah, you can't tell me shit, yeah
'Member I was broke, yeah, now I'm gettin' rich, yeah
毎日オレたちリット、お前らの言うことなんて気にしない
オレが文無しだった頃を思い出す、今やリッチになっていってる

 YFNルッチはアメリカ南部の都市、アトランタ出身のラッパー。2014年にアトランタを拠点とするレーベル、TIGレコードと契約し、ミックステープ『Wish Me Well』『Wish Me Well 2』をリリース。後者に収録の「Key to the Streets (feat. Migos & Trouble)」などでヒットを飛ばし、ラッパーとして着実に成り上がっていった。一方のPnBロックはフィラデルフィア出身のラッパー/シンガーで、歌とラップをミックスしたスタイルが人気のアーティストだ。今ではエド・シーランをはじめとするポップ・アーティストともコラボするなどオーバーグラウンドで活躍するPnBだけど、当時は若手の注目株として頭角を現してきている最中。

 そんな赤丸急上昇中だったふたりが組んだのが「Everyday We Lit」だ。「Everyday We Lit」は日本語にすると「毎日オレたちはリット、楽しい」という意味。共に broke[ブローク:お金がない、文無し]の状態から、自分たちの信念と音楽への情熱で成功を掴んだことを祝う、最高にリットな曲だ。

※転載につき、動画を追加しています。

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書誌情報

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『ヒップホップ英会話入門 学校に教科書を置きっぱなしにしてきた人のための英語学習帳 JUICE』
TARO=著
四六・並製・224ページ(2色刷)
ISBN: 978-4-86647-126-6
定価(本体1,600円+税)
8月14日(金)発売予定
https://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK273
全国の書店、オンライン書店にてご予約承り中

著者略歴
TARO(タロー)
1987年生まれ。高校の英語教師。
中学生の時に聴いたライムスターとキングギドラ、エミネムに衝撃を受け、ヒップホップの虜になる。学生時代をストリートダンスに打ち込んで過ごしたのち、アパレル関連企業への就職を経て、高校の教員へ。赴任した学校でヒップホップが若者に広く浸透しているのを目の当たりにし、教育にヒップホップのマインドを取り入れたスマートフォン用英語学習アプリ「JUICE」をプロデュースする。ストリート・カルチャー情報サイト「Represent」でラップ解説コラム〈ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?〉を連載中。

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