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イラク・エルビルへ

今から8年前、ドバイにいた頃は、毎年、エルビルというイラク北部のクルド民族自治地域の首都に出かけていた。イラクの首都のバグダッドは危ないので、防弾車の車列を3台組んで空港からグリーンゾーンへ移動するが、エルビルは50km先で戦争をしているが、防弾車の代わりに、たった拳銃1丁の中年太りで走れそうにない護衛付きで街中を廻る。まぁ、無いより有った方がいい感じもするが、襲われる時は1対1のOK牧場の決闘じゃなくて、集団でISなんかに襲われるだろうから、やっぱり無い方が助かる確率はありそうな気がして、護衛の人に帰っていいとも言えずにモヤモヤしていた。もし、捕まって、オレンジ色の服を着せられたら「ちょっと待て!イーラッハー イーラッラー・・・」と唱えれば、解放してくれると期待できたが、銃を持っているクルド人と一緒なら、即銃殺だろうなと想像した(涙)

しかし、本当に拳銃は本物かどうか、そして実弾が入っているのかどうか寄越して見せてと言ったらダメとのことで、銃口を下に向けて見せてくれた。まぁ、ペシュメルガのおじさんは空港で襲われた時の弾除けぐらいにはなるだろうと信用するしかなかった。

また、当時は戦時下であり、自分の普通の携帯電話は持って来ているが、余計な衛星携帯電話(ポケットに入る代物では無いw)を持たされた。ホテルに着いたらテストしろという指令。間抜けなことに、ホテルの外に出て、テロリストのいい標的のように、ボーッと突ったって南の空を見上げて5分ぐらいしないと電波を掴まないという“優秀な衛星電話“だった。「これで撃たれたら、どうすんだ〜っ(怒)」という第一声をドバイに届けた。

クルド自治政府の幹部(イラクの大統領はクルドから出る)

空港からエルビル市内に着くと、なんだかわからない部屋に通され、顔の濃いクルド人のお偉方が集まる部屋に放り込まれた。この当時、クルド人自治区のキルクークと言う都市では石油が出るため、まだISと政府軍が戦っていたようだが、サッダーム無き後のクルド人の街なかは、まだ前より平和そうに見えた。
クルド人は誰が偉いのか顔なんて知らないし、名前も顔も大統領しか知らないので、末席で大人しくしておいた。

クビデ・キャバブが喰いたい!

のっけからの血生臭い話しは終わりにして、肉の話しにしよう。
美味しい食文化は国境を越えるものであり、イランと同じ味とスタイルのキャバブ(ケバブとも言う)に出会うことが出来た。遊牧民と羊には国境は無いので、味は同じだ〜!いま思えば、海外では身体が羊に変身するくらいキャバブを食べてきて、相当に健康に悪い食生活をし、一生分の美味しいキャバブを堪能できた。そして、食生活を改め、今では血管も綺麗に修復できたので、いつからでも健康は取り返しがつくことを学んだ。

カマドで焼くパンの味は最高だった

さらに、今は小麦製品は全く食べるのを止めているが、当時は小麦Loverだったので、下町を歩いて現地食を色々と食べ歩いた。カマドで焼きたてのパンは最高の味だ!イタリアのピザみたいなトッピング付きは小麦Loverにとっては邪道だ!(偏見)
なお、仕事以外では拳銃おじさんは付いてこないので、晴れて自由の身になって、安心してw市民の中に潜入できたw
顔と言葉(ペルシャ語もクルド語に近いので7割は通じる)はクルド人仕様(ヒゲを生やしていないのでオカマと間違われるw)なので、まぁ、イスラームなので女性に襲われることは無いが、男には要注意だ(涙&笑)
ちなみに、ユダヤ教やイスラム教では、いま流行りの?LGBTQは石打ちの刑だ!
これは、「産めよ増やせよ地に満ちよ」という神の掟に反することだからだ。そうしないと地上から人類は滅びるので、そんなの見つけたら刈り取るという掟だ。(聖書が言っているのであり、小生の意見では無いからね〜)

エルビルの高級ホテルの寿司レストラン!

旅の楽しみはやはり食であり、海外では日本食が全く無くても生きていける、自称「魂は外国人」だが、寿司は気になる。それで自称「スシ・ポリス」(死語)をやっている。中東各国に出かけると、自分の腸内細菌様の言うことは聞かずに「スシ」と名の付くものを食べ歩いている。尤も、胃袋様には配慮をして、上に乗っている魚の鮮度は良く見ているが、中のアニサキスは見えないので、一応「冷凍魚か?」とは質問している。ここのシェフはフィリピン人女性であり、寿司ネタ数は少ないが、良くやりくりしていた。
余談だが、レバノンのベイルート市内で展開する大手チェーンストアの寿司レストランで食べた寿司は喉に詰まった。フィリピン人男性シェフが握る寿司は、なんと、酢飯じゃなくて、ただの握り飯の上に魚が乗っていて、水分が足りずに喉につっかえたのだ。もちろん、スシ・ポリスとして「レッドカード」を出した(笑)

エルビルの空港のファザード(銃弾跡も無く新築だ!)

帰りの空港まで拳銃おじさんが見送ってくれて、なんとか首と胴体がつながったままドバイに帰ることとなったwこれでまたキャバブと寿司が喰えると喜んだ。
しかし、空港では最新機器が導入されており、セキュリティチェックのブースでは、大型円筒形の全身スキャナーが1台有った。前を行く人を見ると、人相の悪い髭モジャのテロリスト風(笑)のような人はスキャナーを免れ、そのまま通過して行った。きっと空港のセキュリティの人の親戚だろうwそして、いかにも善良風で拳銃も持っていなさそうな日本人(自分のことね)は、無慈悲にも筒に入れとの命令を受けた。多分、怪しいスラヤ製のバカでかい衛星電話にセキュリティが反応したのだろうと思われた。そして、筒の中のスキャナーを見ていると目まいがしそうなくらいの速さで目の前のスキャナー部分が回転し、強力な電磁波で殺菌消毒されてwホカホカで焼きたてのクビデ・キャバブ状態で出て来た。
これからも各地の寿司を食べ歩くため、タマタマ様と腸内細菌様は無事に生き残れたかを心配した。(了)

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