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2拠点生活のススメ|第347回|熱燗の季節

ベランダに出ると魚を焼いているにおいがした。

多分ご近所さんが晩ご飯の支度をされているんだろう。香ばしいにおいに意識を集中してみる。こんな時、目なら「目を懲らす」、耳なら「耳を澄ます」などと言うが、鼻の場合は何て言うんだろうか。「鼻をクンクンする」ぐらいしか浮かばない

多分、ウルメイワシを炙っているんじゃないかな・・・。

こんがりと焼き上がったイワシの映像が脳裏に浮かんで、熱燗を飲みたくなった。・・・とはいえ、歯の治療中なので干したイワシは手強いのだが(笑)。

そう思うと歯のせいで、長らく食べていないものがたくさんある。ナッツやビーフジャーキー、おかきなどなど、別にどうしても食べたいというものでも無いけど、昔会社で深夜まで編集作業をしていて、コピー用紙を皿代わりにそうした乾き物を並べて、ビールで一息なんてことを良くやってたな。

暮れの時期になると、会社の冷蔵庫には、お歳暮でもらったビールがたくさん入っていた。毎日ほんと忙しくて、家にもなかなか帰れない日々。今考えるとよくあんなことを続けていたなとも思うけど、コンプライアンスなんて言葉も無かったし、許されていたこともいっぱいあった気がするな。

再びベランダに出ると、いつの間にかイワシのにおいは消え去り、かわりにおでんを炊いているような臭いが漂っていた。

ますます、熱燗が飲みたくなってきたな(笑)。

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