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2拠点生活のススメ|第227回|未来へのメッセージ

今日は8月15日、終戦から76年を迎えたことになる。

終戦の日に際し、玉音放送の現代語訳を見つけたので初めてちゃんと読んでみた。前半は圧倒的な劣勢の中で、やむなくポツダム宣言を受け入れた理由について、後半部では、未来に向けた切実なメッセージが綴られている。

(後半部抜粋)わが国民のうちで戦死し、職場で殉職し、不幸な運命で命を落とした人々やその遺族に思いをはせると、まことに悲しみに耐えない。また、戦争で傷を負い、戦禍に遭い、家業を失った人々の厚生を考えると深く心が痛む。思うに、これからわが国が受ける苦難は尋常ではないだろう。わが国民の心中も私はよくわかっている。しかし、時世の移り変わりはやむを得ないところで、耐えがたいことを耐えて、忍び難いことも忍んで、未来の平和を実現するために道を拓いていきたい。
私は今ここに、国体(天皇を中心とする秩序)を護持し得て、忠良な国民の真心を信じ、常に国民とともにある。もし激情にかられて、みだりに問題を起こしたり、同胞が互いに相手をけなし、おとしいれたりして時局を混乱させ、そのために人間の行うべき大道を誤って世界から信義を失うようなことがあれば、それは私が最も戒めたいことだ。全国民が家族のように仲良く分かち合い、長く子孫に受け継ぎ、わが国が不滅であることを固く信じ、国の再建と繁栄への任務は重く、その道のりは遠いことを心に刻み、持てる力の全てを未来の建設のために注ごう。道義心を大切にし、志を強固にして、わが国の美点を発揮して、世界の進歩に遅れないよう努力しなければならない。わが国民よ、私の意のあるところを十分汲み取って身につけてほしい。

日本人はこのメッセージに込められた祈りにも近い思いに応えるように、とにかくがむしゃらに働いた。国の再建と繁栄という同じ目標を共有し、経済においては世界に肩を並べる国へと発展。

けれど、再建と繁栄という任務を果たした後の日本は、目標を見失ってしまったまま時が止まっている。

オリンピックでさえも国民の気持ちを一つにするモノでは無くなり、多様性という言葉が語られるほどに、共有すべき未来が見えなくなってしまった。

敗戦時と今では、まったく状況が違うのに、このメッセージが妙に心に響くのは何故なんだろう?

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