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思い上がらないための仕掛け

弓道を習い初めて、早半年が過ぎた。

ようやく本道場で、皆さんに混じって的を狙い、矢を放つことが許されるようになった。・・・とはいえ、簡単に的に当たるはずもなく、当ててやろうと思えば思うほど矢がうねってあらぬ方向に飛んでいく。師範と目が合い、何がいけないんでしょうかと尋ねると10年続ければ自然と当たるようになるとのお言葉。

10年か〜(絶句)。

もっと肩を回して、矢の高さは口の高さ、力だけで弾かない・・・などなど、ことあるごとにダメ出しされたり、叱られたり。物覚えが悪くなっていることもあるにはあるが、そこに露呈しているのは「早呑み込み」とか「適当」とか、ようは「世間をなめている」といった私の人間的欠点。

60歳も過ぎると、出会う人はたいがい年下だし、何かと気を遣われて、そうした私の欠点をあからさまに指摘する人も居なくなった。

考えてみるとこの弓道というものは、いい年になって叱られないのをいいことに、いい気になっている自分を「自惚れるなよ。思い上がるなよ。」とピシリと頭を叩くという教育的仕掛けになっているような気がする。

自然と的に当たるのに10年かかるとするならば、この先最低でも10年は叱られ続けるということだろうし、幾つになっても弓道がこの「思い上がり」を防ぐ仕掛けとしてずっと機能していくということ。そんなこと思いもしなかったけれど、叱られるのも悪く無いと思うようになった。

弓道には、「射は心の影」という言葉がある。

日常生活での行動をひとつひとつ丁寧に行なっているかどうかが射に表れる。矢を放つ時だけいい子ぶってみたところで、上手くはいかないということ。

さすが道が付く稽古事だけあって、的を射るのが目的ではなく、あくまで精神修養が目的。これまでいいかげんに生きてきた私がどこまで巻き返せるか、まさに試されているようだ。


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