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【イベントレポート(前編)】海外駐在帯同中のキャリア継続、できますか?

こんにちは。Dual Career Anywhereの岡山です。

日本に一時帰国した際に会った人から「お仕事は何かされていますか?」と何度か質問を受けました。私の今いる国では帯同ビザでは仕事をできない旨を伝えると「その様な制度であることを知らなかった。」というお返事をよく聞きます。

このように海外赴任に帯同するパートナーのキャリアについては、当事者以外にはあまり知られていません。しかし現実として、海外に進出している日系企業の総数は、約8万社。海外駐在員の数は全世界で82万人を超え(※1)、駐在員帯同パートナー(女性)は約10万人いると算出されます(※2)。割合的に決して多くはありませんが、誰もが当事者になる可能性はあるのです。


2024年2月、社会課題解決へ志ある人々が業界や業種を超えて繋がり、高め合うプラットフォーム「willink」様のランチ勉強会にて、代表の加治屋と副代表の鎌田が「転勤とパートナーのキャリア」をテーマに話題提供をさせていただきました。

本記事の前編では、駐在員帯同パートナーの個人キャリアの現状と課題についてをレポート。後編では、転勤者やそのパートナーを抱える企業側の現状や課題をレポートします。

※1:2022年10月1日時点、外務省が在外公館などを通じて実施した「海外進出日系企業実態調査」より
※2:計算式:長期滞在者における「民間企業関係者」の女性同居家族ー(長期滞在者の在留邦人
(学齢期)子女数/2)


「パートナーの転勤」が原因でキャリアを中断した方の8割は、キャリア継続がしたい。

まず初めに、副代表の鎌田よりパートナーの転勤によるキャリアの現状についてお話しました。

既婚女性の退職理由ライフイベントの中でもパートナーの転勤による退職は第4位。年間約2万人がパートナーの転勤を理由に離職をしているとのこと。加えて、海外駐在に帯同したことのある方向けの調査※3では、キャリアを継続しなかった方の8割の方は、本当は仕事をしたいと思っているが状況が整わずにできなかったこともわかっています。具体的な理由としては、自身の勤務先の仕組みの問題、居住国の税金やビザの問題、パートナーの勤務先が帯同者の就労を推奨していない。などがあげられています。
※3 株式会社Waris「日本人海外駐在員配偶者(駐妻・駐夫)のキャリア継続に関する調査」/2020.8.19


キャリア継続の壁についてのよくあるケース

次に、私たちにご相談をいただく代表的なパターンを3つお話しました。

まず1人目のAさんは「就業継続を希望していたが、勤務先には休職制度しかなく休職して帯同。その後、退職されて現地企業に就職された事例」です。
リモートでの業務継続について1年にわたり社内検討してもらったのですが、結果的には継続できずに休職制度を利用してアメリカ赴任へ帯同。その半年後、アメリカにて現地企業に就職された事例です。
2人目のBさんは「自分の勤務先では継続可能だったが、パートナーの勤務先と折り合いがつかなった事例」です。
帯同での海外赴任をする場合、パートナーの勤務先から家族帯同に伴う様々な補助が出ていることがあります。例えば、家賃補助や医療補助、教育補助のようなものです。この種の制度は、前提として帯同家族が働かなくても生活できるように作られている制度です。そのため、パートナーが就業する場合は、補助が外される可能性があります。補助と自身の収入とを天秤にかけた上で、最終的には仕事を辞めるという判断をされたケースです。
3人目のCさんは「帯同先からリモートで働ける日本企業を見つけたが、滞在国のビザや税金への対応がわからずに内定辞退をした事例」です。
この方に関しては、私たちの会員より現地のビザや税金に詳しいコンサルタントの紹介をいたしました。その後、コンサルタントのアドバイスも受けて現在は就業をされています。

キャリア継続に悩まれたら、私たちDual Career Anywhereにご相談ください

キャリア継続のための壁は、1つではありません。ご自身の仕事の都合、パートナーの勤務先の都合、滞在国の制度など様々な要因があります。

私たちは、SNSや各種メディアにて、転勤とパートナーのキャリアに関する情報発信を行っています。そして、コミュニティ運営(現在会員数130名)によって、当事者サポートも行っています。海外駐在帯同に伴うキャリア継続に悩まれたら、ぜひ一度ご相談ください。

また、従業員や身近な方から、パートナーの転勤に伴うキャリア継続についてご相談を受けた場合、ぜひ私たちをご紹介いただけたらと思います。

【お問い合わせ先】

Dual career Anywhere会員グループ

X(旧twitter)
https://twitter.com/dualcareer0317/

執筆担当:岡山美和
国立大学や教育系NPOで学校と社会との橋渡し役を担った後、パートナーの国内転勤先で地方自治体のシティプロモーションを経験。2023年4月よりインドネシア駐在帯同中。現在はライターとして”言葉を残し届ける力”を磨きながら、Dual Career Anywhereに参画。

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