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中国ドラマ”鄧小平”が語る香港

鄧小平が行なった改革と、それによって人生が変わっていく若者を描いた、当時の中国の変化が伺える興味深い内容でした。

最初に印象に残ったのは、政界に復帰したばかりの時にサッカーの試合を見たのち、ロッカールームで選手や審判団に言った一言。
「サッカーは、ゆっくり強くなっていったらいい。しかし審判はすぐにでも改善しないといけない。ヨーロッパに勉強に行くように。」
評価基準をどう定めるか、それを間違えると正しい対策ができるわけがない。鄧小平の信念を印象付けるシーンでした。

大躍進政策と文化大革命のダブルパンチで倒産の危機に陥った国をV字回復させた、偉大な経営者の一生を描いたようなストーリー。
「問題を直視する」「解決を結果まで追い続ける」「舵取りは大きく」
これを繰り返し、改善を積み重ねる。成功哲学の基本だが、実践することは難しい。これを貫き通した男の物語です。

「朝日新聞は、当時の広岡知男社長自らが顔写真つきで一面トップに「中国訪問を終えて」と題した記事を掲載したが、そこには文化大革命の悲惨な実態は全く伝えられないままであるだけでなく、むしろ礼賛する内容であった。」とwikiに紹介されている文化大革命ですが、中国では政府からも国民からも「とんでもない大失敗」という評価がなされています。戦前から今に至るまで「反人間」という朝日新聞のスタンスは一貫していますね。

ちなみに、これも朝日新聞が叩きまくった田中角栄ですが、欧米社会に先がけて中国と国交を結んだ恩人として、鄧小平が来日の際に訪れるという形で登場してきます。それ以外にも、中国が学ぶべき隣人として、他の国よりもずっと多く日本や日本人が登場していました。

このドラマの中に、香港人と鄧小平のやり取りがありました。
鄧小平のコメントは以下の通りで、ざっくり訳しました。

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「香港が戻った後は香港人が自分で管理する。社会制度、経済制度、生活方式、何も変える必要はない。私たちが承諾する。その場しのぎで言っているんじゃない。香港の同胞達全員が大陸の社会主義制度に賛成することも要求しない。ただし、祖国を愛してほしい、香港を愛してほしい。」

まさに「腹のある」政治家でした。これを見た後、中国人の友人に鄧小平のすごさを熱く語ったところ、その功績は認め、尊敬できると言いながらも「なんで鄧小平だけが常に正しい方法を見つけられたんだろうね?(そんなはずはない、脚色もあると思うよ)」という、いかにも中国人らしい冷静な反応をされました。

今は引き続き中国の近代史を知るべく、毛沢東が主役の「解放」というドラマを見始めました。これは共産党と国民党の戦いを描いたもので、その前の抗日時代のドラマもあるらしいのですが、友人から気分が悪くなると思うから見ないほうがいいよと言われ、素直にスルーすることに。
まだ2話までしか見ていませんが、興味深かったのは国民党の「独裁」と共産党の「民主」の戦い、というふうに描かれているところ。

「民主」の定義をどう設けているのか、これも見終わって、書く元気があったらいつか紹介したいと思います。

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