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行き着いたインハウス支援のカタチ(前編)

こんにちは。高瀬です。株式会社ハートラスという会社で取締役CSMOとして経営、戦略策定、事業全体を管掌しています。
今、主に手掛けているのは「インハウス支援」です。(以前のエントリーはこちら
これまでの流れを経て、見えてきたインハウス支援の在り方を書いてみようと思います。

お役御免を許容することの勇気

何事も、いずれは終わりが来るわけです。その終わりが次の始まりでもあります。ただ、出来れば永続的に関わりたいですし、結果的に自社の収益につなげたい。

でも、インハウス支援は違う。内製化すべきことを実行したらお役御免に「ならないといけない」んです。長く一緒に並走すればするほど、インハウス支援は上手くいっていない、とも言えるかもしれません。(プロジェクトのスコープ次第でこの判断は変わりますが)

ゴールを達成すれば一つの仕事が完了する。場合によってはチームは解散。そして、また次の新しいチームで仕事をする。プロジェクト単位で動くことが多かったため、私自身、広告主側にいたときは当たり前の感覚でしたが、広告代理店時代にはその発想はほぼ無かったとお思います。

お役御免なんてとんでもない。何とかしてお仕事を継続したい。

当たり前のように様々な目標を掲げていますし、それなりに数字を伸ばさないといけない。一方で、上手くいくときも、いかないときも、必死にクライアントに向き合います。すると、クライアントのことが大好きになる。気が付くと、どんどん楽しくなっている。もちろん仕事とはいえ情も生まれます。単純にずっと一緒に仕事をしたくなるんです。

結果的に、足元の収益、クライアント愛、プロジェクトスコープ(=達成すべきゴール)、この3角形の中心で悩むわけです。

まさに【お役御免】VS【何とかして継続】です。

ここの乗り越えないと、インハウス支援を推進しきれません。ウェットな視点ではありますが、勇気が必要なのです。

大袈裟に言えば経営者視点が無いといけない

自分の会社のマーケティング機能をどうすべきか。外部のパートナー会社も沢山いる。共に働いてくれている従業員、チーム、組織へポジティブに寄与しなければならない。

時間軸もあります。1か月後にどうありたいか、来期に向けてどうするか等、短期・中期視点も無いといけない。もっと言えば、ビジョンや理念、中期経営計画に準じた理想の状態を把握したうえでギャップを埋めるための支援をしないといけません。

結果として投資に対して何が得られるのか。トップラインが上がるのか、原価や販管費が抑制されることで売上総利益や営業利益が上がるのか。はたまた間接販管費抑制に伴う業務効率化が実現されるのか(結果として何かしらの業績が上がる)。

そして、組織、体制、人材配置、業務設計、等々はどうなっているべきか。ここまで考える必要があります。

いずれも「自分が社長だったら」「マーケティング領域の責任者だったら」を考え抜かなければならない。もちろん、PL視点で物事を捉えることは必須となるわけです。(弊社の支援の形式の場合、BSへのヒットはほぼ無いため、PLに寄せて考えています)

ツールやシステム、何かしらのソリューションをただ提案すれば良いわけではありません。

これはインハウス支援に限らずの話かと思いますが、全ては「得られるであろうこと」に投資していただくのです。

戦略、組織、人、業務、数字、諸々を鑑みることが出来ているか否か。
自分事として考え抜き、ディスカッションできなければ、インハウス支援が片手落ちになると感じています。

実行前の土台づくりがプロジェクトの成否を決める

ここまで書いた通り、スタンスや視点のお話をさせていただきました。

お役御免に対しての勇気や経営者視点を持ったうえでという前提ですが、インハウスの取り組みを成功させるためには事前の「土台づくり」が非常に重要だと感じています。

過去、多くのクライアントと並走し、時には失敗を重ねながら今に至っておりますが、それらを踏まえての行き着いた考えです。

その土台とは「人材」「組織/体制」「業務設計」をいかに整理し、明確化できるかどうかです。

・本来あるべき組織/体制はどういったものなのか
・その組織/体制をスムーズに稼働させるには、どういった人材が必要なのか
・業務はどういったもの(フローやルール含む)なのか

第4回_素材1

もちろん、特定の領域を内製化すべく、即動くことも多々あります。ただ、土台が無い場合、結果的にアウトソースとして弊社に業務が戻ってきたり、既存でお世話になっているパートナー企業に再依頼することになるケースが散見されます。それでは本末転倒ですし、何よりもいただいた投資額に対して、結果として残せるものが小さいと感じます。

ですので、そうならないためにも「事前の土台づくり」が必須と思いますし、それがインハウスのプロジェクト成否を決めるといっても過言ではありません。

改めて書きますが、インハウス支援の成否を決めるポイントは次回は、「人材」「組織/体制」「業務設計」をいかに整理し、明確化できるかどうかなのです。

次回は「後編」として、別の視点でのインハウス支援のカタチを書きたいと思います。