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仕入費の立て替え、分割・後払い(BNPL)サービス「STOCK YELL」をリリースします。

広告費の支援を意味して名付けた「AD YELL」。次なる「〇〇YELL」としてリリースされるのが、仕入費を支援する「STOCK YELL」です。今回のnoteでは、STOCK YELLの概要や立ち上げ背景、サービスに込める想いについてご紹介したいと思います。

STOCK YELLとは


弊社は、広告費の分割・後払いサービス「AD YELL」を展開しています。これはキャッシュフローを考慮しなければならないために、広告費に投資すべきときにアクセルを踏み切れず、成長できるタイミングを逃してしまう企業を減らしたいという想いで提供しているサービスです。

成長段階にある企業にとって、この広告費と似た構造により課題となっている資本の使いどころがあります。それが「仕入れ」です。

弊社から新たに登場する「STOCK YELL」は、いわば「仕入れ版AD YELL」。プライベートブランドやOEMを手掛けるEC企業に向けた仕入費の分割・後払いサービスです。

バンカブル立ち上げ時から着目していた「広告費」と「仕入費」


STOCK YELLの構想は、AD YELLリリース前からありました。事業立ち上げ準備の過程で行ったお客様へのデプスインタビューで、運転資金の中で広告費と仕入費が高くなりがちであり、財務に与えるインパクトが大きいことがわかっていたためです。

最初のサービスをAD YELLにしたのは、グループとして有していたWeb広告のノウハウを活かせる事業であり、入口として早期に立ち上げやすいと考えたから。AD YELLを立ち上げるにあたってリターンの予測モデルや審査上のフロー、業務設計を行い、できあがったあとに「絶対仕入費にもいいよね」と話していました。

AD YELLのお客様からも「仕入費にも使えないの?」というお声をいただきはじめ、「やはりニーズはある」と再認識。「ニーズがあるならやらない手はないでしょう」という話になりました。さらに、バンカブルがMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)に沿いながらどう事業を拡張させていくのかという成長戦略の文脈でも整合性が取れた。これが着手を決めた背景です。

ただ、グループとして求められる成長軌道のあり方を一旦無視して、もう少し堅実にゆっくりやっていいという状況であれば、STOCK YELLへの着手はもう少し遅くなっただろうと思っています。バンカブルはまだまだどベンチャーであり、事業の「選択と集中」を教科書通りに考えるならば、今STOCK YELLに手を出すのは最適な判断なのかどうかという迷いがありましたから。

結果的に今のタイミングを選んだのは、覚悟の一言に尽きます。今あるアセットから考えているだけでは、バンカブルが描きたい未来、ありたい姿の実現に相当な時間を要する。僕の生きている間に実現できないかもしれません。事業の選択と集中に関しては、「STOCK YELLは、ADYELLの審査の在り方、考え方を発展させたもの」という整理をし、一歩踏み出す挑戦であると判断しました。

STOCK YELLを利用して仕入れた在庫の所有権の持ち主は?


STOCK YELLの考え方やアプローチは、AD YELLとほぼ同じになると仮説を立てています。AD YELLのご利用時と同様、必要なデータをもらい、弊社が与信の判断をし、仕入費の支払いを一旦こちらが立て替える。在庫を適切に確保できることで、事業者は迅速にお客様の元に品物を届けられる。注文後になかなか商品が届かずクレームになってしまう、在庫が枯渇したために売り逃してしまうといったリスクをなくせます。

順調に事業が伸びていて、もっとアクセルを踏みたいのに、キャッシュフローが理由で踏み切れない。そんな企業のためのサービスである点もAD YELLと同じです。科目が異なるだけで、利用することで解決できる課題はSTOCK YELLもAD YELLも変わらないと思っています。

ただ、サービス設計時に考えなければならない点は異なりました。それは何か。「モノ」があることです。

AD YELLが支援する広告費の場合、対象が「広告」ですから、手元にモノがありません。しかし、仕入費の場合は物理的に在庫が存在する。その「モノ」の支払いを立て替えるとなると、「所有権はどうする?」という問題が浮上するんです。

例えば、自動車を残価クレジットで買った場合、車の物理的な所有権は車の利用者ではなくリース会社にあります。そのため、支払いが完遂するまでは勝手に車を売却することはできません。

リース会社が提供する建機なども同じですね。所有権を持っているのはリース会社であり、建設会社ではない。リース会社は、いざとなれば建機を売却してお金にできる。ですから、リース会社が扱うものは担保価値が高いものになります。

このリース会社がSTOCK YELLの競合といえる存在ではあるのですが、私たちが取り組むのは担保価値が見いだせないものになります。例えば、シャンプー1万本の仕入費を立て替える場合、シャンプーの所有権をこちらが持っていたとしても、いざというときにお金にできるかというと、難しいでしょう。そういったリースが付かないところをサポートするのがSTOCK YELLの特徴です。

また、弊社が所有権を持ってしまうと、顧客である事業者は自らの判断で在庫処分ができず、身動きが取りづらくなります。それは私たちの本意ではありません。さらに、商品・梱包用の袋・ダンボールと、モノによって課税額が異なるため、所有権を移転する場合の金額換算が非常に煩雑になることもわかりました。そのため、STOCK YELLでは所有権の移転はせず、仕入れ後の在庫の転売は事業者の自由とすることにしました。

お客様を大切に、素晴らしい商品をきちんと届けたい。そんな事業者を「STOCK YELL」で支えたい


プレ営業を経て、これからPMFしなければならないと思っているのは、分割回数、支払期間です。AD YELLは4回払いですが、STOCK YELLは明らかに4回では完全にフィットしているとはいえないと考えています。じゃあ、6回なのか12回なのか。期間を長くできればできるほどお客様にとっての利便性は高くなりますが、弊社側のリスクは上がる。両社にとって適切な回数・期間を考えていく必要があります。

あとは審査期間。こちらもAD YELLは最短3営業日とかなりスピーディーに行っていまして、STOCK YELLも最終的にはAD YELLと同じぐらいのスピード感で審査ができるようにしたいと思っています。選ばれるために1番重要なのは、やはり利用開始までのスピードと手続きの手軽さです。この2点を優先して進めています。

素晴らしい商品は、それを求めるお客様にスムーズに届いてほしい。事業会社にはきちんと商品を届けるための投資が求められますが、同時にキャッシュフローのことも考えなければならない。仕入費はコストですから、そう簡単に銀行融資も受けられません。

「お金が理由でアクセルを踏めない」状況を打破する一手として、STOCK YELLを届けたい。商品を買っていただいたお客様を大切にして、体験価値を上げていく。買った商品をきちんとお届けするという当たり前のことを当たり前にきちんとする。そんな事業者の活動をSTOCK YELLで支えられたら素晴らしい。そんな想いをもって、生活雑貨やインテリア、一般消費財などを手掛ける国内EC事業者にサービスを届けていきたいです。