苦痛を歌う天使になりたくて。#2
皆様、こんにちは。24歳女、カヤノです。
こちらは、2021年12月12日、北仙台ペニーレーンさんにて行われた「SENKAN NIGHT」というイベントに出演したお話の第二話です。
前回のお話(#1)からお読みになるのをオススメします。
今回はあっさり塩味(当社比)なかゃちワールド展開です。
意気込んだのはいいけれど
今までバンドをするにしても、アイドルをやるにしても誰かが一緒なように、私は1人では何も出来ない女だと思っております。
創造性に欠けるというか、ゼロから何かを生み出せる質ではないのです。
小学1年の頃の初ステージから20年近く経ったのち、今回ようやっとひとりでステージに、と言うのだから、ビビらずには居られません。
加えて、主催者は「戦艦級の超すごい人たちを集める」というもんですから。
な〜んてハードルが遥か高い所にありますこと。
あっ、わかった!棒高跳び用ですよね?これ。
とまあ、現実逃避が捗るわけです。
笑えねえ!
なんていうか孤独
さらに前提として、誰かと何かを作り上げることは私の中で非常に好きな行為なのだと思います。
音楽……、ことにバンドなら、やはり息を合わせに行く感覚は気持ちが良いものです。
演奏中、視線を交わしたり、相手の体の動きや息遣いからやりたいことを瞬時に察して、それが噛み合った時の気持ちよさは、何物にも変え難い。
舞台なら、それはセリフとなって顕れるのではないでしょうか。
その時その時でじんわりとニュアンスの変わる相手の言葉の雰囲気を掴み、予め決められた「返事」に「息を吹き込む」というのは、「舞台はナマモノ」と呼ばれる理由のひとつにあるのだと思っております。
……うん、うん、まあ。
かっこいいこと言っておきながら恐縮ですが、みんながついてるから例え失敗しても怖くない、が本音ですとも。
ひとりとなると出来栄えの全責任は私にあるなんて、う〜っ、こわっ!
丁度、私のスケジュールはグローティアのライブ準備でなかなかにタイトで、そんな合間を縫いながらひとりでスタジオ練習に入った時の寂しさたるや。
よくよく考えたら一人カラオケとか苦手でした。
それでも歌い方やパフォーマンスの確認はしていくしかないので、「孤独だな……」と独りごつのが精一杯。
よもや、こんな形でグローティアの面々を恋しく思うとは。
誰かと「ここはこうした方がいいかな?」と話をしながら、誰かに聞いてもらって練習する方が私の性分に合っているのだと強く感じました。
それでも、見に来てくださる方々にはどうにか何かを感じて帰って貰いたい。
お金とお時間を割いて、私を見るために足を運んでくださる方がいるという奇跡は何にも変えられません。
ただ、今回のステージで私が決めていたテーマが
「アイドルの時の自分とは違う姿を見せる」ということ。
ましてや、今回私が見せようとしているのは可愛いわけでも、愛嬌があるわけでもなく、どこか淀んだ暗い部分。
そうなると、アイドル「グローティア」として活動しているところを見ているみんなが、今回の私を見たら……
「イメージと違った」
と嫌われてしまうかも、とかそういう心配がついて回って来て。
だから殊更に準備の期間は、どうか見に来て良かったと思ってもらえますように、と祈りを込める様なものでした。
相談の相手も居ないからこそ、どこまでやっても正解や確信が持てないのが不安でたまらないのでございます。
やりたいことをしてるはずなのに、こんなに苦しいなんて……思い通りに生きるのは本当に難しいですね。
アイドルとして笑顔でみんなに手を振る私も、
返しのスピーカーに足をかけてる私も、
顔をぐしゃぐしゃにして歌う私も、
今回見せようとしている心根の暗く弱い私も、
全て私が選んで披露している私なので、そこに嘘をつくことは出来ないですが、ただ一人で正解を探すのはつらいことのようでした。
こんな具合で結婚式前夜かと錯覚するほどにブルー極まりなかった私でしたが、本番では「吹っ切れて」いるのですから、恐ろしいものです。
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次回は「私にとっての『ぶちかます』」をお送りします。
更新予定日は2022/1/23(日)です。
かしこ。
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