目利き/Connoisseur
スウィンギング・ロンドン。
67年のサマーオブラブと双璧をなす
スーパームーブメント。
その震源地、
チェルシーはキングスロードで
そのムーブメントど真ん中の50年代末から
キャリアをスタートさせたデザイナー……。
いや、この当初はデザイナーではないのか。
ファーストキャリアは美容師。
美容師でありながら、
そのサロンのショーウィンドウでは
KENZO TAKADAのセーターをディスプレイし、
たちどころに即完させた。
そしてセカンドキャリアというか、
サロンと並行して同敷地内階下に
セレクトショップをオープンさせたかと思えば
件のKENZOをはじめ、Emmanuelle Khanh、初期のCastelbajac、同じく初期のKatharine HamnettやJohn Galliano、90年代に入るとA.McQueen....。GUCCIやPRADAも。
兎に角圧倒的な目利きで現代のレジェンド達の濃密なクリエイションを確実にセレクトしていた。
そうして全てを成功させ、A.McQueenをはじめとするH.LangやM.Margielaらの革命も支援(融資とかね)していた、影のレジェンドデザイナー。
その人こそがJOSEPHの創設者
Joseph Ettedgui である。
ここまでの略歴というか、
横文字の多いヒストリーで
この人の審美眼がどれだけ天元突破していたか、というのが伝わると思う。
本物のカルチャームーブメントを、「美容師」という最もその光景を間近で目の当たりに出来る環境のもと観測し続けた彼にこそ成せる目利き。
で、その人のシグネチャーレーベル「JOSEPH」より、今現在ETRAKでもいくつか古いパンツを出し始めてる。
古い と言えどもこの人の作る服の永遠性、色褪せなさというのは特筆せざるを得ないレベル。
というか、そここそが魅力なのだけれど。
パンツのシルエットを何より再重要視した彼のクリエイションは、そのパンツの美しさは勿論のこと、その美しいパンツを核に、その美しさを最大限引き出し相乗させていく、スタイルそのものの展開力が凄まじい。
*現在適切に再評価されているJOSEPH TRICOTもその展開力の賜物。
そして素材そのものの突き詰めではなく、カットやウィットなどの非物質的な要素から作られるミニマルなラグジュアリー。
その構成要素の性質上、ラグジュアリーでありながらもあくまでデイリーに使える、アンエクスペンシヴな着地を見せている点も特筆点。
ここに関してはこの人の小売業者としての凄まじいサクセスストーリーを鑑みればなんとか納得できるところではあるのだが。
さあ正規のファッション教育を受けていないにも関わらずこのカテゴリで誰の目にも確かな栄光を手にした/そしてそれに留まらず後世のファッションクリエイターを支えた御大のクリエイション。
少しでもご興味をお持ちいただけましたら幸い。
先ずはブランドのフィロソフィーとなる、スリックスタイルパンツより。
2004・Winterの個体(近日ドロップ)
イエローストライプ
と
1990's(推測)のユーロ個体(販売中)
ベルベットコーズ。
この2本は撮れてます。
あ、そうそう。
あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
ETRAK
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