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【あお】【雑感】第30節ノリッジ戦、保ったメンタリティ

チェルシーファンだけでなくサッカーファン全体に衝撃を与えたチェルシーの運営に関わるニュース。アブラモビッチオーナーの資産凍結に端を発し、チケット・グッズの販売停止、選手との契約更新の禁止その他諸々。

今後のチェルシーはどうなってしまうのかと遠く離れた日本のファンですら不安に揺れる中でのアウェイ・ノリッジ戦。

結果は3−1の勝利。後半は押し込まれる時間が続いたものの、精神的にも大きな勝ち点3になった。

保たれていたメンタリティ、ぶれなかった高いクオリティ

直近13試合で9勝4分と相性の良さを見せるノリッジ戦。ここで負けると「ニュースの影響か」と見出しをつけられてしまうだろう試合で、選手は変わらないクオリティで試合を運んでくれた。

ここまでプレミア最多失点で最下位に沈むノリッジ。今日は3バックで前線からプレスをかける戦術で前半に臨んだ。

しかし落とし込みが不十分だったのか、チェルシーへのオーバーリスペクトなのか、前がかりな前線に比べて最終ラインが上げられず。ぽっかりと空いた中盤のスペースと両ウイングバックがプレスに来た背後のスペースを好きに使う攻撃でチェルシーは有意義な前半を過ごした。

それでも決めきったことに大きな価値があった。後半になってノリッジは4バックにして最終ラインの位置を修正。2点取ったことでやや引き気味になったチェルシーを押し込む形が続いた。

前節のバーンリー戦でもそうだが、90分間自分たちの時間を作れないようなチームはプレミアリーグにはいない。自分たちの時間が作れた時に決め切る力こそ大事になってくる。

その基本をこの状況下でもしっかり実行して見せたチェルシーの選手こそ素晴らしいものだった。

よくない時のロフタスチークと息を吹き返させたカンテ

後半修正して押し込み始めたノリッジ。それを助長させたのは後半頭からアスピリクエタに代わったロフタスチークの緩慢さだろう。

前節バーンリー戦でウイングバックという新境地開拓を始めたロフタスチーク。その試合ではバーンリーが消沈した後だったので奔走するほどのケースは現れなかった。

今節では相手が一気呵成に攻め込んできて、ロフタスチークのウイングバックとしての真価が問われた。前半アスピリクエタが完璧に抑え込んだブランドン・ウィリアムズとのマッチアップ。周囲との選手配置を考えながら上下動しなければならない。

しかし残念ながら、この日のロフタスチークは良くない時の彼。悠然とピッチをジョギングしながら、右のCBに入ったチャロバーがサイドに引き出される展開を何回も招いた。

押し込まれながら我慢して試合を終わらせるしかないと思えた試合終盤の85分。投入されたカンテが持ち前の走力とボール運びで再びチェルシーの前プレを蘇らせる。

押し込まれる展開に慣れてしまいプレッシャーがかけられなかったノリッジの最後尾まで追い回し、ボール回収を容易にした。

そこからのラストパスでハヴァーツのダメ押しとなる3点目を演出した。

嬉しかった契約未更新の選手の活躍

最後に小さくまとめるが、この試合で何よりも嬉しかったのはアスピリクエタ、クリステンセンの活躍だ。

この日ベンチに入ったリュディガーを含む彼らは、今季で契約が切れてしまう。もしこのまま契約更新交渉ができない状況が続いてしまえば、どうしてもチームを離れなければならない選手たち。つまりは来季にはチームにいない可能性が最も高い選手たちなのだ。

モチベーションの維持がとても大変で、チームの中でも微妙な立ち位置になりかねないはずだ。

そんな状況下でも2人のパフォーマンスは素晴らしいものだった。
チェルシーファン冥利に尽きる思いだった。

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