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中島大土ランツが語る、デザイナーの生き方|hey designers night Vol.02 [EVENT]

本日開催された「hey designers night Vol.02」に参加してきました。元Apple→元Evernote→現Airbnbのリードデザイナー中島大土ランツさんがゲストということで、かつてないほどの倍率だったみたいです。その中で運よく当選したので、参加できなかった方のためにもレポートを共有させてもらいます。

●イベント概要
https://hey.connpass.com/event/103867/


イベント概要では「グローバルなサービスを作っていく際の考え方やデザイン思想、新しいサービスやビジネスの立ち上げ方について話を聞き」と書いてあるのですが、ここらへんの話は軽く触れられた程度で、ほとんどがデザイナーとして / 人としてどう生きていくか、という話でした。これがいい意味で裏切られました。

なんといっても大土さんがめちゃくちゃ熱い方で、デザイナーとしてユーザーのため / チームのため / 世の中のために何ができるか考え、真摯に真正面から向き合っておられ、そのパワーとエネルギーに圧倒されました。この熱量は正直文章にすると全然伝わらないのですが、以下大土さんの発言で特に印象に残ったことを書いていきます。


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AppleやAirbnbのデザイナーは、全員プロダクトデザイナーという肩書きで、UIデザイナーやビジュアルデザイナーのように細分化されていない。基本的なスキルは全員持っていて当たり前だし、必要なスキルはその場でつけていくのが当たり前だから。

アメリカの大企業こそ職能が細分化されているイメージだったのでこれは意外でした。この『当たり前』のレベルは恐らく桁違いだと思われます。

チームの中でとことん議論をして、ストーリーをつくっていく。ユーザー視点でWhyを突き詰めていくと、はじめにプロトタイプしたストーリーを壊さなければいけないときがくる。ストーリーを通して、人や会社を変えていける。それはデザイナーにしかできないこと、こんなにいい立場はない。

ストーリーの力で世の中を変えていける職業って素敵だな、と改めて気付かされました。自分の仕事に対してどのような見方をするか / どのような意義を設けるかはとても重要な視点だと感じました。

niceとkindは全然違う。例えばフィードバックするときに、嫌われたくないから本当に言いたいことの前後で相手を褒める(=フィードバックサンドイッチ)、これはnice。相手のことを思って成長をサポートするために本当のことをまっすぐ伝える、これがkind。don't be nice be kind.
アウトプットに対するフィードバックは、その人自身を否定したいのではなく、むしろサポートしてあげたいと思っているから。デザイナーはアウトプットに全力で魂を込めているが故に、フィードバックを恐れがちだが、常にどんなフィードバックも甘んじて受け入れるべき。
日本人はよく議論するときに「会社と戦う」「相手と戦う」「クライアントと戦う」などと表現するがそれは間違っている。勝ち負けの話ではない。全員意見が違うのは当たり前だし、全員が同じ意見だったらクリエイターであることの価値が全くない。相手の主張や考え方を理解して、サポートすべき。

ここの話が最も盛り上がっていました。頭ではわかっているものの、なかなかマインドセットまで変えるのは難しいですよね。重要なのは、フィードバックするときもされるときも、どれだけ相手のことを考えられるかだと思いました。ときには相手の横に立ち、ときには前や後ろに立ち、状況に応じて立ち位置を変えながらサポートしていくのが重要だと感じました。

自分に対する自信がない人が多すぎる。自分のバリューは自分で設定すべき。自分で設定しないと誰かに設定されてしまう。そうすると、また違うところに行くと別の人には別のバリューを設定されてしまう。そうしていると、いつまで経ってもゴールにたどり着けない。
bunr out する原因は「仕事量が多い」「チャレンジができていない」「成果が他人に受け入れられていない」の3つ。このうち2つ当てはまると burn out してしまう。そうなったときに多くの人が転職するが、それだけでは同じことを繰り返してしまう。burn out したときは、自分がそのような状況であることを自覚して、なぜそうなってしまったかを振り返ることが大切。
自分は四半期ごとに自分自身を振り返る機会を設けている。そこで3ヶ月での活動や思考を言語化して、自分がやりたいことが本当にできているかを見つめ直している。should(=他人からでた必要なこと)とmust(=自分からでた必要なこと)は分けて考えるべき。

デザインのイベントでここらへんが語られることはあまりないですよね。大土さんが今回最も言いたかったのはここのようで、「デザイナーは自分の人生こそデザインすべき」という言葉が印象的でした。自分はどうなっていきたいのか、そのために何をしなければいけないのか、そういうことにちゃんと向き合う。当たり前のことですが、超一流企業で活躍されてる大土さんが言うと、説得力と言葉の重みが段違いでした。


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以上です。本当に熱い熱い2時間でした。大土さんのミッションステートメントは「自分に関わる人の人生をよりよくするためにサポートする」らしいのですが、まさにそのマインドセットが凝縮されたお話でした。色々と思うところがあったので、明日からどんどん行動していこうと思います。

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