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リソースは整理し選択と集中をする話

今回は施策は増やすより整理する事で売上は改善されるということについてお話します。

今回は自分の経験だけでなく、現在進行形で関わらせて頂いている営業会社の例を元に、具体的な例を挙げて書いていきます。
前回社内でミーティングした中身をご紹介しながら皆さんにもシェアします。
具体的な例を出しながらなるべく分かりやすく書いていますので、スタートアップの経営者はもちろん、これから何か事業を始めたいという方もぜひ一読ください。

では初めていきましょう。


まず初めに、皆さんは戦略と戦術の違いは理解していますか?

目的・戦略・戦術

視覚的に1番シンプルで分かりやすい図を例にします。

ピラミッドの上部→目的
今よりもよりよい未来を達成・実現したい時に立てるのが目的・目標です。

ピラミッド中部→戦略
その目的を達成する為にどのルートを通っていくのか、この方向性を決めるのが戦略です。

ピラミッド下部→戦術
その立案した戦略を実現するための具体的な方法論が戦術です。

漫画キングダムを読んでみると戦争の度に将軍が戦略立案し、それを兵士が実行しています。戦略とは古の時代から普遍的なもので、今の時代も基本的な考え方は変わらないそうです。
社長や経営層が戦略を立て、社員が戦術を実行する。一緒ですね。

漫画キングダムより


今回のお話は戦略についての内容が多いので、
戦略についてさらに具体的に分かりやすく説明したブログを見つけたのでそのままご紹介いたします。

一一一一一
以下引用文
戦略とはなんだろう?

経営者でなくても、「経営には戦略が必要だ!」ということは、おおよそ会社に所属したことがある方ならば、なんとなく思っているところだと思います。「当社の経営戦略は・・・」という話しはどこの会社でも行われています。

先に述べた通り、マーケティング=経営、ですから、必然的にマーケティングの思考法を理解するには、その前段の戦略思考も理解しておく必要が生じます。

戦略=目的達成の為にリソースを何に使うのか、という選択

つまり、戦略がなぜ必要かと問われれば、1)達成したい目的があって、2)活用できるリソースが限られているので、3)選択が必要だから、と答えることが出来ます。

例えば、After5で恋人とディズニーランドに行くとしましょう。目的は、思いっきり楽しむことかもしれませんし、ロマンティックな雰囲気を味わって仲を深めるためかもしれません。

前者であれば、それを達成する為に、片っ端から絶叫系を中心に回ろうという戦略が立つでしょう。混雑具合から考えれば、閉演までに2-3個アトラクションに乗れれば御の字といったところでしょう。

後者の目的であれば、シンデレラ城の前を真っ先に陣取って、良い席でパレードを観賞しようという戦略になるかもしれません。それと引き換えに、ビックサンダーマウンテンに乗る時間は残されていないでしょうが、仕方がありません。

どちらにしても、"5時から閉演まで"という限られた時間(リソース)しか持っていなかった為に、絶叫系とパレードを両立させることは叶わず、明確な戦略=選択が必要になってくるわけです。

戦略がいらない場合を考えてみる

さらに戦略の必要性を理解する為に、”戦略がいらないのはどんな時か?”という問いを考えてみたいと思います。

一つ目は、目的が無い場合です。先ほどの例で考えてみると、恋人とディズニーランドには来たけれど、ぶらぶらしてるだけで二人ともOKで、特定の何かを達成したいわけではない場合です。この場合、選択が要らないことは明確です。園内を気ままに歩き回り、気に入ったアトラクションがあったら乗ったり、パレードが始まったら見てみたり、疲れたら座ってチュロスを食べたりしたらいい。選択なんてものは全く持って不要なことは明白です。

二つ目は、リソースが限られていない場合です。例えば、朝から晩までディズニーランドを恋人と二人で貸し切っているとしたら、わざわざアトラクションを回る順番なんて考える必要はありません。乗りたいものに乗りたいだけ片っ端から乗ればいいのです。夜になったら絶好の位置でパレードを眺めることだってできます。この例から分かる通り、リソース上の強みは、戦略そのものを不要にしたり、戦略に自由度を与えることになります。

実際のビジネス文脈では、企業活動に目的が無かったり、リソースが無限にある、というケースはまず考えられません。会社として株主にコミットしている経営目標があり、社員の数や投資できる資金には必ず限りがあります。その結果として、目的達成のためのリソースの活用指針である戦略が必要になってくる、という構図になります。
一一一一一

これはP&G出身の石井さんという凄いマーケターの方のブログから拝借しました。
ワンピース読んでないやつは人生半分損してる、とよく巷で言われますがそれ以上です。人生のほとんどを損すると思うので一度読んでみることをお勧めします。

話を戻すと、どんなに小さな企業でも小さければ小さいなりにリソースは限られ、ソフトバンクの様な大企業でも、規模が大きくなればなるほど必要なリソースも大きくなるので、結果的にリソースには限りが出てきます。

つまり戦略とはリソースを整理し選択と集中を行い、なるべく短期間で掲げた目標を達成するルートを決めることです。
(なぜ短期間かと言うと、我々の人生にも時間というリソースがあるからです。)

主には戦略の話になりましたが、ここまでが目的・戦略・戦術のおさらいです。

ここまでの内容が難しかった方は、まだ進まずにもう一度最初に戻って振り返って下さい^ ^



ではここからが今回の内容です。

営業会社の状況を端的にお伝えすると、10~20人ほどで優秀な営業マンも数人在籍し売上も毎月黒字です。ここからさらに支店展開を行い、数年以内に年商30億を目標にしている野心あふれる企業です。従業員の方もすごく意欲的な方が多く、企業としてもさらに伸びていく様な凄いポテンシャルを秘めている素晴らしい会社です。

この企業が今後準備している施策を箇条書きします↓

・これから採用活動を行いさらに人員拡充する
・資金を投入し営業マンとは別でテレアポの部隊をつくる
・来年には支店展開を予定している
・商材の数を増やしていく

簡単に言うと、売上の最大化のためにリスクを厭わず、そのために思いつく施策を実行する為に費用をかけていく予定です。正直しっかりと売上がたっているのと、社内の雰囲気も良いのでこのままアクセルを踏んでも問題はなさそうです。

ただ一方で、自分が感じる分かりやすい課題は下記の通りです↓

・事業の原理原則が守られていない
・戦略と戦術が混同している
・リソースの整理がされていないので、リソースが分散されていく
・営業マンによっては売上ばらつきがある
(中には損益分岐を超えない社員もいる)
・会社の法整備が進んでいない

※ここから下の部分が大切なので、この事業の施策と感じる課題は分かりにくいと思う方もいると思うので流し見くらいで大丈夫です^ ^

この企業の場合の課題は明確で、戦略と戦術か混同している可能性がありますね。
さらに損益分岐を超えていない社員がいるにも関わらず、社内の法整備が進んでいないまま人材を拡充しようとしています。すると、このままいくと新しく人を採用しても、チーム内がバラバラになり社内がまとまらない可能性もありえます。

このようにリソースが分散された場合、逆に事業のスケールのスピードが遅くなる可能性があります。

ただ全く悲観的なことはなく、リソースの整理と選択と集中をするだけで、より明確な「数年以内に年商30億」へのルートが見えてきます。


ここまで何度もお伝えしている様に、事業には原理原則があり、事業拡大には守るべき順番があります。
ここを無視してノリと勢いや感覚で事業拡大すると、後に大きな落とし穴にハマるので、資金を必要とする施策を打つ場合は特に注意が必要です。

スタートアップや、資金的リソースに限りがある企業が事業拡大する際に守るべき順番はは以下の通りです。

リスクを最小限に抑えて、営業マンor従業員一人当たりの生産性をアッパーまでもっていき、そしてそれをマニュアル化しその再現性の確認をする、再現性が確認できたら拡大。

これだけです。

このセオリー通りに事業を慎重に進めることで、リスクを極力抑えて事業が積み上がっていきます
このフェーズで必要なことは過去最高の売上を更新することでもなく、お金をかけて人を増員することでもありません。


ここで分かりやすい例を、企業と人の体型を交えて例えます。

まず企業の目的は何かというと、企業の目的=売上の最大化です。
しかも無駄な経費を限りなく削減し、利益を最大化することが全ての企業の理想の形です。これが人でいう理想の体型です。

では無駄な経費とはなんでしょうか?
この企業の中では無駄な経費とは売上を作れない社員です。
無駄な経費と売上を作れない社員は、企業の「ぜい肉・余分な脂肪」です。

ぜい肉が乗ったまま、体を大きくしたらどうなりますかわかりますよね?
確かに体は大きくなりますが余分な脂肪も乗っているので、体の燃費も悪いし見た目も悪いですよね。
これを企業で言うと、燃費が悪い=無駄なランニングコストであり、見た目=決算書になります。
この無駄な経費を限りなく落とすことで、利益率が高い筋肉質な企業体質になるのです。


もし仮に人や施策を増やし売上が拡大したとしても、スタートアップ段階で無駄な経費を垂れ流しにしていては、非常に勿体無いしリスクなのです。
特にスタートアップの段階ではリスクは最小限に抑えて売上(利益)を最大化することが、安全に生きていく唯一の術になります。

売上は上がっているからといって赤字社員の改善を放置し、再現性があるマニュアルがないまま新しく人をどんどん採用するとします。

どうなると思いますか?

採用した人の能力が高ければ黒字社員、そうでなければ赤字社員になりえる。
これってもう経営じゃなくて博打なんですよね。

基本的に経営の原理原則は、小さくテストを重ねて再現性が担保されてから拡大のルートです。
何故テストを重ねる必要があるかというと、資金的なリソースは限られているからです。
人を増やして事業がコケるともう取り返しが付かないので、だから最初は小さくテストが必要なのです。

事業は勝つべくして勝つのです。決して感覚で進めてはいけません。

ここまでが、再現性のあるマニュアルを作ってから人は拡充しようというお話です。


以前のブログで何度か書きましたが、人の採用について書きました。

人を採用する=リスクを取ることをしっかりと認識しましょう。

何故なら人を採用するにはコストがかかり、尚且つ人はコントロールが効かないからです。
人を採用する上での鉄則は、社内の法整備・ルール作りを完了した後です。
整備が完了していないのに人を入れると組織はカオス化します。
法律・ルールとは、評価制度や昇進の条件、売上ノルマなどです。そしてどんな人を採用したいのか粒度が細かく言語化できないと、通すべきでない人を通してしまい早期退職されてしまいます。

会社の法律・ルールが整備されることで、初めて人は機能し資産になります。
法律がない企業では、人は機能せず負債に変わるリスクがあります。

企業内の徹底したマニュアル・法律・ルールが人を資産にするか負債にするか左右するのです。
ルールが整備されていない状態で、ノリで人を採用するとしましょう。
1人でも会社に対しての不満を言う様な人間がいる場合、チーム内に不穏な空気が流れ、1人また1人と離職していきます。人のネガティブはすぐに伝染するので注意が必要です。



ここまで長く書きましたが、今回のこの企業の場合の自分が考える正しい施策は以下の通りです。

ここでまず選択すべき施策は、赤字社員を切るor赤字社員を黒字にもっていくです。

今回のサブタイトルでもあるように、売上改善の為には施策は増やすよりも整理して選択と集中を行うことで改善可能です。

今現状のリソースを整理するだけにはお金がかからないので何のリスクもないのです。まずは社内を見直して、お金がかからないところから着手すべきなのです。
今回の場合は赤字の社員を黒字にするだけでキャッシュフローが改善されて、売上が上がるシンプルな構図です。

どんな施策を選択しても自由ですが、もし事故りたくなければ、施策について事細かに言語化して説明できるくらい落とし込んでください。根拠がない上に、正しく説明できない施策はそれはただのノリと勢いで博打です。

経営が感覚と博打になると、市場の中で大きなルールチェンジ起きたりすると、市場から一発退場してしまうリスクも含んでいます。
リスクをマネジメントするのは、売上を最大化するのと同じくらい大切なのです。


売上に直接インパクトがある施策の方が、分かりすくて面白いしセクシーに見えがちです。
一方で限られたリソースを整理し選択と集中を行い、限りなくリスクを最低限に留めることは地味のようですが、同じ様に必要な施策なのです。

感覚で事業を進め、ノリで施策を打つとどこかで事故を起こします。
軽傷だけで済むとまだいいですが、テスト無しに資金をかけた状態で施策がボツってしまうと資金が溶けるリスクがあります。
新しく施策を行う前は、事業の原理原則を徹底的に頭に入れ、徹底的なリスクヘッジを行った上で、戦略を立案し戦術に落とし込むことで勝ち戦になります。

どのカードを切るのか、何故いまのタイミングで切るのか、リスクはなんなのか、全てを徹底的に言語化しテーブルに並べた上で、手持ちのリソースを整理し選択と集中を行い、その時々のフェーズで最善のカードを切っていきましょう。

今回のブログも少しでも皆さんのためになれば幸いです^ ^

今回は以上です。

今回も読んでいただきありがとうございました^ ^

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