「生ドーナツ」を検索しているユーザーが次に興味を持っているスイーツとは?
こんにちは、ヤフー・データソリューションです。
今話題のスイーツと言えば「生ドーナツ」がその一つではないでしょうか。柔らかくとろけるような食感が特徴で、専門店も次々オープンし、街中での行列を見かける方も多いと思います。
実はこの「生ドーナツ」のヒットを、ヤフー・データソリューションは検索ビッグデータとAIを駆使し、2022年末に予測していました!(自慢)
時期は少々後ろにずれて2024年のヒットとなりましたが、的中と言っていいのではないでしょうか?
このヒット予測に活用したのが、LINEヤフーが保有する様々なデータからヒット商品を予測するアルゴリズムを抽出して作り出した独自の仕組み「トレンドマップ」。ヤフー・データソリューションのデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」内の、検索ビッグデータからトレンドを分析できる機能「DS.INSIGHT Trend」から使うことができます。
今回は「生ドーナツ」に続くヒットスイーツの可能性を、「DS.INSIGHT」から探ってみたいと思います。
「生ドーナツ」を検索しているユーザーはどんな人?
まずは、「生ドーナツ」を検索しているユーザーがどんな人たちなのかを探っていきます。
検索しているユーザーの性別割合を調べてみたところ、男子が29%、女性が71%となり、女性の方が興味を持っていることがわかりました。これは「スイーツ」という点からも想像しやすいですね。
さらに年代別で割合を調べてみると、ボリュームゾーンは40代・50代となりこれはやや意外でした。既にブームとなっている現在は、若い人が中心となって調べているわけではなさそうです。どこかに訪問するときなどにご挨拶として持っていく「お持たせ」需要があるのかもしれませんね。
さらに検索推移を確認してみたところ、2022年の3月ごろから少しずつ検索され始めています。この時期は、「生ドーナツ」ブームの火付け役と言われる専門店『I'm donut ?』 が、中目黒に1号店をオープンした時期と一致します。その後じわじわと検索数が上昇し、今年の4月に一気に爆発したことがわかります。
「生ドーナツ」を検索しているユーザーが興味を持っているキーワードとは
それでは、「生ドーナツ」を検索している人が他にどんなキーワードに興味を持っているのか、「DS.INSIGHT People」の「時系列キーワード」機能を使って調べてみます。
結果はこのようになりました。真ん中の軸が「生ドーナツ」を検索した当日となり、検索当日から見て左に行くほど前、右に行くほど後に検索したキーワードとなります。
パッと見て「お菓子関係が多そう」と思ったのは私だけでしょうか。やはり「生ドーナツ」を検索している人は、常にスイーツをリサーチしている様子が見て取れます。また「アイムドーナツ」や「ストラスブール」「アマムダコタン」「ユニドーナツ」などのドーナツ専門店や、地名と「生ドーナツ」を掛け合わせてよりおいしそうな商品をリサーチしている様子がわかります。
これらのキーワードの中で気になったものをいくつかピックアップしてみました。
1. 韓国発の新感覚パリパリスイーツ「クルンジ」
図の右側、割と目立つところに鎮座している「クルンジ」。どうやら、「生ドーナツ」を調べた2ヶ月後くらいに調べられているキーワードです。
調べてみたところ、クルンジは韓国発のスイーツで、クロワッサンを叩いて伸ばしたような見た目とサクサクパリパリな食感がSNSで話題となっているそう。生ドーナツを検索しているスイーツ大好きユーザーが注目しているスイーツとあらば、次のヒット商品としても期待できそうです。
2. 一度にいろんなパンと出合える!「パンフェス」
スイーツではないものの、検索の前にも後にも出てきたキーワードとして気になったのが「パンフェス」です。調べてみると、どうやら全国各地でさまざまなパンを購入できる祭典が催されているようです。中でも代表的なのが、横浜の赤レンガ倉庫で開催される「パンのフェス」。2016年3月に初開催して以来、累計125万人が来場し、今年3月の第10回の開催も大盛況だったそう。
そのほかの時系列キーワードの中にも「伸びるクロワッサン」や「デニッシュ食パン」などのパン関連のキーワードが確認できました。生ドーナツに欠かせない小麦つながりで、ユーザーがパンにも興味を持っていることがわかりますね。
3. 北海道で生まれた生チョコレートサンドクッキー「スノーサンド」
時系列キーワードで表示するカテゴリを「製品・商品」に絞ってみたところ、多くのユーザーが「生ドーナツ」と検索した数日後に検索しているスイーツがありました。それが北海道発のスイーツ「スノーサンド」。冬に絞る北海道の濃厚な牛乳から作ったなめらかな生チョコレートを、カリカリに挟み焼いたラングドシャのクッキーでサンドしたお菓子。とてもおいしそうです…。
加えて筆者が心惹かれたのは、パッケージの美しさ。版画家である大谷一良さんの作品を全面にプリントしており、食べた後も飾りたくなりますし、ギフトとしても喜ばれるでしょう。SNS時代の今、見た目が“映える”こともヒットの重要な要素と言えるため注目です。
AIと検索ビッグデータが予測する次なるヒットスイーツはこれだ!
最後に、トレンドになりそうなキーワードを分析できる機能「DS.INSIGHT Trend」を活用し、次なるヒット商品として期待できそうなスイーツを導き出してみました。
1. グミなのに?新食感おやつ「皮がむけるグミ」
実は若年層の間でグミが流行っているのをご存知ですか?LINEリサーチが4月に発表した「高校生がこれから流行りそうだと思う『スイーツ・飲みもの』ランキング」でも、グミは男女ともに1位にランクインしていました。
「水グミ」や「地球グミ」などさまざまなグミが話題ですが、今回「トレンドマップ」がとらえたのは「皮がむけるグミ」というキーワード。どうやら、グミなのに皮をむいて食べる商品がいくつか発売されており、SNSから話題になっているようです。「やってみたい!」と思わせる体験設計がヒットに繋がるか注目です。またむいた皮も食べられるのか?疑問です…。
2. 韓国人気で再燃!家でも作れる「グリークヨーグルト」
「トレンドマップ」で見つけたキーワードが「グリークヨーグルト 作り方」。調べてみると、「グリークヨーグルト」は水を切ることで濃縮させた通常より固めの食感のヨーグルトだそう。日本では「カスピ海ヨーグルト」「ギリシャヨーグルト」などの名称で以前から販売されていましたが、韓国で人気が出たことをきっかけに再度話題になっています。市販のヨーグルトをキッチンペーパーなどで水切りすることで自宅でも簡単に作れるため、「グリークヨーグルト 作り方」で検索されているようです。フルーツをトッピングすればちょっとしたデザートに。レアチーズケーキのような口当たりとか。誰でも手作りにトライできる手軽さから次なるヒットなるか?
3. まだまだ伸びている「アサイーボウル」
以前のレポート「アサイーボウルが10年ぶりの大流行中? データトレンド分析がとらえたその中身」でもお伝えした「アサイーボウル」の検索数の伸びですが、依然としてその勢いは保たれたまま。10年ぶりのリバイバルブームが真実味を帯びてきました。「トレンドマップ」上では「アサイー 冷凍」や「アサイーボウルとは」といったキーワードも確認でき、常備したいニーズやどのような食べ物なのかを知ろうとするユーザーの様子が見て取れました。
いかがだったでしょうか?知らないグルメやスイーツがたくさんで、すっかり食べたくなってしまいました。これらが今後さらにヒットとなっていくか、注目です。
※本記事の内容は公開日時点の情報です。
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