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Udemy 講座に関する Q&A

なぜ自分が Udemy の講座を作ろうと思ったのか?などを Q&A形式でまとめてみました(誰にも聞かれていないけど…)。

Q1. なぜ講座を作ろうと思ったのですか?

一言で言えば、自分が知りたいことがネット上などになかったので、自分が見たかったり、聞きたかったりしたことを講座としてまとめようと思いました。情報をまとめて、動画やスライド・コードとして提供するだけでも特定の分野の人に取っては時間の節約であったり、その分野についての理解を深めることに役立つ情報になるのではないかと考えました。

Q2. 無料で提供しようとは思わなかったのですか?

現在多くの方が善意でブログ等により情報を公開しています。実際私もそうした情報を使っていろいろと勉強させて頂いていますので、私自身も情報を無料でお返しするべき…という考え方はあると思いますが、ネット上にある情報を見てみると、その多くは断片的な情報になっていることが多くあります。そして、それはおそらくブログを書いている方の多くがちゃんとした本業を持ち、その余った時間を使ってベストエフォートで情報を公開しているからではないかと思っています。しかし、実際のところそうした無料の情報のみを拾い集めて勉強をする…というのは結構骨が折れるのではないでしょうか。

そこで、今回私が試しているのは、Google のような機械ではなく、人間がフルタイムかつ全力でネットや論文、書籍などから情報を集めて、私なりに情報を整理して講座として公開したらどうなるか?ということを試してみています。要するに「人力 Google」みたいなことをやっています。もちろん、私もフルタイムでやっていますので、講座の方では少しだけ費用の方をお願いしていますが、それが意味があることなのか、仕事として成り立つのかを現在実験中です。

※ 私の場合、ネットで情報を公開している皆様へのせめてもの感謝としてブログを見るときは、興味のある広告はちょこちょこ押すように心がけています(ブログに広告がある場合…)。

Q3. ネットと Google でいいのではないですか?

Google のような検索エンジンも基本的にはネット上の誰かの作り出した情報をうまく加工することで新たな価値を生み出している会社です。実際、それは非常にうまく機能している面もあるのですが、同時にあまり機能していない面もあるのではないかと思っています。

例えば、人気 YouTuber の生み出す動画は誰もが気軽に楽しめるエンターテイメントであり、誰もが楽しめるものであるがゆえに自然と再生数も大きくなります。そして、そうした動画の生み出す広告収入で生活することも夢ではないと思いますが、専門性の高い技術解説の動画を無料公開した場合に広告収入で生活できるか?と言えば、どうでしょうか?なかなか難しいのではないかと思います。おそらく、それほど数が取れないからです。

そうなると、ネット上には専門性の高い情報は少なくなり、より多くの人の目に止まるような大衆的な情報がどんどん増殖してゆくことが予想されます。最大多数の最大幸福を目指すというのは民主的には正しい考え方ではありますが、ネットを集合知として機能させることを考えた場合には、ネットと Google の組み合わせだけではまだ十分ではないのではないかと考えています(たぶん、まだ人間の力が必要なのかも…というのが私の見解です)。

Q4. 書籍でいいのではないですか?

私自身もデータサイエンスのような数学が絡む分野について学ぶには、教科書をじっくりと時間をかけて読むのが一番効果的かつ確実な方法のように思います。教科書をじっくり読むのは時間がかかりますが、しっかり時間をかけて身につけた知識は一旦身につけば忘れにくく、逆に急いで身につけた知識はその分だけ速く忘れてしまうように思います。おそらく、これは人間の記憶の機構にも関係しているように思うのですが、とにかく繰り返し何度も時間をかけて経験したことは忘れにくいように思います。そういう観点から、良い教科書をじっくりと時間をかけて読むことは非常に意味があります。特に数学の場合は、前に学んだことを忘れてしまうと、先に進めなくなることも多いので、前に学んだことを忘れないことは非常に重要なように思います。

一方で、実際に社会で数学を応用していくことを考えると、手っ取り早く中身を知って、とりあえず使えるものなのかをまずは試してみたい、という要請がある場合もあります。本当に便利なものであれば、まず使ってみて、実際に使えるものなのか、役に立つものなのか知りたい…ということです。そういった場合は、その分野の詳しい人にお願いするのが一番の早道でもあるのですが、コンサルティング会社にお願いするための十分な費用が取れなかったり、自分が技術を理解しないまま外注してしまうと技術がブラックボックス化してしまうリスクがある…などの懸念がある場合があります。そうしたことから、私の場合は技術の概要とその実践までの過程を紹介するような講座があっても良いのではないかと考えました。

ソフトウェア開発にも「アジャイル」という言葉がありますが、数学を現実社会に応用していく場面でも「まずは動くところまで1回まわしてみる」という部分までを手っ取り早くやってみる…というのは有効なアプローチかもしれないと考えています。

Q5. なぜ専門家でもない人が講座をやっているのですか?

私自身も、本当は私のような未熟者ではなく、その分野をしっかりと極めた研究者や大学の先生の方々にこうしたオンラインの講座を作って頂くのが一番良いと思っています。しかし、多くの研究者の方々は常に新しい成果を出すために、最先端を全速力で走っていることが多く、ゆっくりと教科書を書いたり、教育のために動画を作成したり…というのがなかなか難しい状況にあるのではないかと思っています(特に日本の大学とかでは…)。そうしたことを考えると、本当に良質な教科書やオンラインの講座が世の中に満ち溢れるには、まだもうちょっと時間がかかると考えて、それまでの間におっさんにも貢献できることがあるのではないかと考えました。

Q6. 儲かりますか?

基本的に Udemy の講座は大抵の方がセールのときに講座を購入されるので、それほど大きな儲けがある訳ではありません。大雑把に計算するなら、こんな感じです。

(セールのときの講座の価格)X(受講生の数)X (約 0.3)

私の公開している講座だと、いまのところの感覚としては、普通にコンビニとかで働いた方が全然儲かるような感覚です(専門性の高いものほど、受講生は少なくなり、儲けは少なくなる傾向があるかと思います…)。

しかし、こうしたオンラインの講座は見返りは少なくとも、一旦作れば多くの人に自動的に広く情報を伝えることができる媒体です。「多少見返りは少なくても、多くの人に役に立つ情報を伝えたい!」と思う人がいればぜひトライしてみて欲しいと思います(私よりも優秀な方は世の中に山ほどいるかと思いますので…)

ちなみに、当方の講座はひとつ作るのに大体 2.5ヶ月くらいの時間をかけました。未熟ゆえに、せめて丁寧には作ろうとは思うと、これくらいの時間になってしまうのですが、優秀な方でしたらもっと短時間で作れるかと思います。トライしてみる価値はあるかもしれません…

最後に

こうした動画で儲けようとすると、やはり数の大きな大衆的な情報の方が有利です。これは YouTube でも Udemy でも同じであるように思います。

そこで、個人的な願いとしてはもっと優秀な方に専門性の高い分野の動画を出して欲しい…という気持ちがあります。もちろん、専門性の高い動画は再生数も少なく全く儲からないのですが、大学の先生や大企業の研究者の方々の中にはある程度地位も保証されている方がいるかと思いますので、日本の産業を盛り上げるという意味では、そういう方々にぜひ教育に力を振り向けて欲しいという気持ちがあります(Excel 講座みたいなものではなく、データサイエンスのような専門性の高い分野)。

もしかすると、既に大学内のシステムとして学生向けに動画を公開している…という方もいらっしゃるかもしれませんが、Udemy などですと、大学や組織の枠を超えて広く情報を拡散することができますし、大学独自にシステムを開発したりするよりもはるかに低コストで情報を拡散することができます

ブログなどで少しずつ情報を出すだけでも十分に教育には貢献している…とは言えるかもしれないのですが、やはりしっかりとした系統的な教育ができるのは本当に力のある教育者や研究者の皆様だと思いますので、ぜひ Udemy というシステムをうまく利用して頂けたらと思います。


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