74.大須賀先生ありがとう
ファクトフルネス
(上記リンクをクリックすると版元ドットコム。いろんなかたちで注文できますし、この本については経緯がかなり詳細に書かれていておもしろいです。)
三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェアでお買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。
とってもおいしいお菓子を手に入れたら、それを食べる前には下準備をする。テーブルの上を片付けて、おいしいコーヒーを煎れ、部屋を明るくし、楽しい音楽をかける。「ファクトフルネス」を読む時も下準備をするといい。まず「ハンス TED」で検索して、ハンス・ロスリングの講義動画を一つ見る。「地球規模の人口増加について」が好きだ。そして本書を読む。最高の読書体験になるだろう。しかし、「素晴らしい本」というのは世にいっぱいあるのに、その中でもなぜとりわけ本書が絶賛されているのだろうか? そのひみつは、動画を見てから本書を読み、すっかり興奮したあとに読む「あとがき」に隠されているように思う(順番が大事だ!)。読めば、あなたの脳内には大音量で「マイウェイ」がかかる。必ずだ。そして誰かに本書を薦めたくなる。間違いない。
2019年のベストセラーなのだが2020年の上半期にもまだベストセラーなのである。とんでもない売れ方だ。
この本を、ぼくは大須賀覚先生から教わった。彼が言葉を尽くして絶賛していたのだ(Facebookなどで)。アメリカで先に爆発的に売れていて、ビル・ゲイツが2018年に米国で大学を卒業した人全員(※希望者)に本書をプレゼントしたというエピソードもあるらしい。大須賀先生がそれほどの熱量で紹介するってことはただ事ではないぞ、と思って買って読んでおもしろくて、2019年の1月に三省堂書店池袋本店のヨンデル選書に並べ始めた。
三省堂もこの本の魅力には気づいていたので、ヨンデル選書よりもさらに人通りの大きな地下1階のレジ前に本書を山積みにして売った。そんな環境設定があったにも関わらず、ヨンデル選書でも死ぬほど売れた。
そして読み終わった人々もまたみな絶賛をする。悪口を聞いたことがない。あるいは、21世紀最高の本の中に入るのかも知れない。
なにがいいって……ネアカなのがいい。
(2020.11.6 74冊目)