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176.怒られたり怒られなかったり

やってくる

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三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェア(本記事は2020-2021のヨンデル選書 3rd seasonが対象)で、お買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。

「実例」が出てくる本なんだけど、その「実例」って何なんだろうな、ってところから思考を深めていける稀有な本。人工知能に対する「天然知能」という言葉ばかりが一人歩きすると郡司ペギオ幸夫さんの思考はうまく伝わらない気もするし、いや、そういうことを織り込み済みで、コピーライティングのように知能を考えるきっかけを世にばらまいているのかもしれないな、ということも考える。これってホラーですよね、っていう感想を人から聞いて、なるほど、そもそもホラーにはこういう思想の裏付けがあってもいいんだなと感心しました。なおぼくが出演したYouTube LIVE「SNS医療のカタチTV」の、「医療と和尚と、阿吽の呼吸。」というセッションでぼくがしゃべった「境界と前縁」の話はこの本が元ネタです。だから……というわけではないんですが読むといいです。

おすすめすると「なんですかあの本! 怖かったんですけど!」などと怒られることがある名著である。なんとなくデスクの横の、すぐ手が届くところに置いてあるのだが、じつはまだ再読したことがない。そろそろ読み直そうかな。すごく情緒ある本なのだ。シリーズ「ケアをひらく」の中でも屈指の、「けっこうケア以外をひらいている」本。

(2022.12.2 176冊目)

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