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122.本に選ばれるということ

対話のことば: オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得

(上記リンクをクリックすると版元・丸善出版のリンク。いろいろな書店で買えます。)

三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェア(本記事は2019-2020のヨンデル選書 2nd seasonが対象)で、お買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。

これはねえ、独特な本です。オープンダイアローグ関連の本というとほかにもいい本がいっぱいあるんですけど、ぼくこれスキです。なぜって? あっという間に読めるから。イラストがかわいいから。そんなに難しいこと書いてないから。たぶん本を読み慣れた人でしたら、文章が少ねえなって思いながら1時間くらいで全部読み終わっちゃうと思うんですよね。でもぼくこの本を、デスクのすぐ側にある本棚の、一番手の届きやすいところに大事において、いつでも見返せるようにしようと思って、一番手に取りやすいところっつったらやっぱここかな、って思って、病態生理の本と内視鏡の本の間に置いてるんですよ。つまりは惚れ込んだんだな。これは単に精神科的アプローチのために使うべき本じゃなくて、なんらかの「対話」を解析するときに広く役に立つと思う。

その後、オープンダイアローグ関連の本は(主に医学書院などから)いっぱい出て、そのどれもがけっこうおもしろいんだけれども、複数冊読み比べた今思うこととして、この丸善出版の本がけっこう「要」になっている。ものすごく情報量が多いかというとそれほどではないし(多いが)、すっげえわかりやすいかというとまあ普通なんだけど(わかりやすいが)、なんだろうな、ほしいイメージがだいたい載っている、みたいなところがある。そういう医学書を狙って作れる人はたぶん世の中にはいない。なぜかというと受け手次第だからだ。そしてぼくは受け手としてこの本に愛されたのだと思う。

(2021.11.5 122冊目)

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