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僕は、『幸せ』の前に訪れる『災い』らしい。

 「元カノ」「元カレ」、人は数多くの出会いと別れを繰り返し、いつか運命の人と結ばれるらしい。みなさんは、自分の運命の人と出会っているだろうか。

 僕は、相変わらず独りだ。何度も同じ過ちを繰り返し、大切だった相手を傷つけて悲しませている。

 そうやって別れた相手は、必ず僕の次に出会った人と結婚する。世の中の夫婦の3組に1組が離婚をしている中で、僕と付き合った全員が未だに仲良く幸せな日々を過ごしているらしい。

 僕との生活や日々を思い出せば、「この人とであれば、この先どんなことがあってもあの頃よりはマシだと思った。」と捨て台詞を吐かれたことがある。

 その時、僕は否定をすることができず、ただただその言葉を黙って飲み込むことしかできなかった。

 僕は昔から足りないものばかりに目がいってしまう。これが仕事面だと次から次へとアイデアが浮かんだり、現状に満足せずに更なる高みへと目指すことで、半永久的に良いサイクルを回し続けることができている。

 ただ、恋愛だとそうはいかない。自分と相手の足りないところばかりが見えてしまい、自分の両手から溢れそうなくらいの幸せを見ずに、自分の手の届かない幻想ばかりに腕を伸ばそうとしてしまう。

 幸いにも、僕が今までお付き合いしてきた方は、周りから見ても人として素晴らしい人ばかりだった。そんな人との生活にも満足できず、僕は愚かな過ちを繰り返してきた。

 今までたくさん傷つけてきてしまった相手が、幸せで平穏な日々を送っていることだけが僕の唯一の救いだ。むしろ、あの日々を思い出せばどんなことがあろうとも乗り越えることができるのだろう。

 きっと、僕は人生の伴侶を見つけることはできないだろう。たとえ見つけたとしても、今のままであれば同じ過ちを繰り返すだけだろう。

 それならば、僕との日々から解放された人たちの幸せを遠くから祈るだけでいい。

 今の幸せを得るために必要だった「災い」だったと思ってもらえれば少し救われる気がする。きっと、貴女らにとってはあの日々以上の不幸は無いと思うし、あれが人生のどん底だったと思えばこれから先の日々も二人三脚で歩み続けることができると思う。

 キャンバスを真っ黒に塗り潰された上に、今の色とりどりな幸せで彩ってもらうことが、きっと僕の本望なのだろう。

 もう誰も傷つけないと誓ったはずなのに、いつも真逆の方向に進んでいってしまう。過去には戻れないのに、一度出た言葉は取り返しがつかないのに、いつまでも変わることができずにいる。

 今日も過去の後悔と共に眠り、
 明日の朝は遠くの誰かの幸せを願う。

 

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