ライブに行きたい。

ライブに行きたい。

 でんぱ組.incが自身2度目となる武道館のステージに立ったあの日から4年が経ったそうだ。もがちゃんがでんぱのメンバーとして歌い踊る姿を最後に観た日である。いまでも思い出す。間違いなく記憶に残るライブのうち5本の指に入る。そんなライブから4年が経った。2021年に入った。ライブが開催されない週末はもう何度目になっただろう。


 この文章を書き始めたきっかけは、YouTubeで、でんぱと諭吉佳作/menが共演した幕張ジャンボリーコンサートのライブ映像を見たことである。この映像は幾度となく見た。今日の体験は私の気持ちを動かした。ライブに行きたい。


 私はライブが好きだ。ライブ会場に向かう道中、事前物販、仲間と会ってしゃべることが好きだ。入場して開演前のステージの見え方を確認すること、ペンライトの光り方を確認し、サイリウムがすぐ取り出せるか荷物の位置を調整し、スマホの電源を切り、その時に備える。開演する。無我夢中で叫び、目で追い、笑い、涙する。光るステージで輝く推しを観るのが好きだ。楽しい時間はあっという間である。終焉後、隣のヲタクにお疲れさまでしたと声をかける。みんないい顔をしている。あの一体感は会場でしか味わえない。外に出ると、ライブの前より景色が明るい。感想を交わす居酒屋も、ツイッターで饒舌になる電車の中も好きだ。帰宅してグッズを広げ、プレイリストを作る。その次の日からまた頑張ろうと思える。そんな体験が好きだ。とにかく私はライブが好きだ。


 私には推しがたくさんいる。ライブに行きたい推しがたくさんいる。でんぱ組.inc、Negicco、CYNHN、寺嶋由芙…挙げるときりがない。ライブに行きたい。それぞれにそれぞれの良さがある。その良さを味わいたい。


 2020年2月24日、ナゴヤドーム。4日間にわたる乃木坂46の8th YEAR BIRTHDAY LIVEの最終日が行われた。私は古くからの友人に誘われ足を運んだ。乃木坂46のライブは2度目である。1度目は福岡だった。人生で一番遠くに行った遠征が初めての乃木坂46のライブである。代表曲をいくつか知っているレベルで、膨大な楽曲のうちほんの一部しか知らない私、メンバーも10人知っているかどうかの私。それでも2度の乃木坂46のライブは強く印象に残っている。楽しかった。ライブの魔力というのだろうか。ナゴヤドームでのライブは、空白の9か月に入るまでの最後のライブであった。本当なら3月に大須演芸場でゆっふぃーを観て、大阪でCYNHNを観ているはずだった。


 ライブに通うきっかけはでんぱ組.incである。2015年2月、桑名市民会館のライブが最初である。それから約5年間でんぱのライブに通った。みりんちゃんの生き様を観たい。相沢さんに煽られたい。えいたその輝きを浴びたい。ピンちゃんの踊りに吸い込まれたい。ねもちゃんの歌声で高まりたい。ぺろりんの成長を感じたい。ライブに行きたい。


 ライブに行きたい。初めての現場は緊張するが、行ったら最後、とりこになる。いつもの現場には安心感とある種の不安、何が起こるのだろうという期待が混ざり合う。ライブはもれなく訪れた人を幸せにする。演者、スタッフ、観客を一体にし、全員を幸せにする。みんなで幸せになりたい。私はライブに行きたい。その思いがかなうその日を楽しみにしている。



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