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『スピナマラダ!』聖地巡礼のススメ:苫小牧、札幌、八戸!



はじめに

野田サトル先生により週刊ヤングジャンプにて2011年から2012年まで連載されていた漫画『スピナマラダ!』の巡礼記録をまとめました。自分用のメモも兼ねています。2023年7月からの「再創生」にともない増刷もされ、じわじわと同作が盛り上がってきているように感じます。聖地巡礼したいと思われている方に参考にしていただければ幸いです。
なお下記は2023年6月現在の情報ですので、訪問前に再度公式サイト等で最新の営業状況等をご確認ください。

追記:新作は『ドッグスレッド』だそうですね。楽しみだ〜!!

苫小牧市の概要

『スピナマラダ!』の聖地の多くは苫小牧市にあります。苫小牧は北海道中南部(道央地方)の胆振総合振興局にある市です。
新千歳空港から苫小牧駅まではバス(安いが遅い・直行便)/JR(速いが高い・乗換有)/車、札幌市街から苫小牧駅までもバス(安いが遅い・直行便)/JR(速いが高い・直行便)/車で行くことができます。

千歳市と苫小牧市の市境の道路沿いに立てられたカントリーサイン(1巻, p.35)

苫小牧市内の移動

苫小牧は東西に長く、徒歩および公共交通機関で回るのはなかなか大変なので、時間に制約がある方には車がオススメです。
4月1日から11月30日までは、苫小牧駅横の苫小牧観光案内所で自転車を借りることもできます。苫小牧はあまり坂がなく平坦なため、数時間乗って街をぐるぐるしてもそこまで大変ではありませんでした。景色も良いです。ただ海沿いで風が強いため、かなり煽られます。
料金:1,500円(レンタル料金:500円、保証金:1,000円)

苫小牧の聖地

めちゃくちゃ雑な聖地巡礼マップをつくりました。これ見るよりググった方が早いです。

苫小牧駅

1巻冒頭にロウくんとハルナちゃんが降り立った場所です。

苫小牧駅の駅名標(1巻, p.10)
苫小牧駅裏口(1巻, p.10)
「オンボロスーツケースめ」
苫小牧駅南口
苫小牧駅連絡通路(6巻, p.12)
連絡通路から見える王子の煙突:冬の昼(1巻, p.56)
連絡通路から見える王子の煙突:夏の夜(1巻, p.56)

苫小牧駅周辺

この辺は数が多いので一気に回るのがオススメです。
ドーナツ屋さん

マサトくんとハルナちゃんがおしゃべりするWister Donutのモデル(2巻, p.76)
「インターハイ?」
苫小牧駅から連絡通路を通って直接行けるMEGAドン・キホーテの1階にあります

ホッケー小僧
苫小牧駅を正面から出たところの広場にあります。すぐに見つかると思います。よく地域猫のキジトラちゃんが歩いています。

樋口先輩初登場シーンに出てくるホッケー小僧の像(3巻, p.152)
「女の子みたいにピーピー泣いてよォ」
その横にはフィギュアスケートする女の子の像(4巻, p.155)
「ケンゴ君もなんであんな奴と…………心配だなぁ」
にゃーん

王子の煙突
苫小牧のランドマークです。背の高い方は200メートル煙突と呼ばれています。

王子製紙の煙突(3巻, p.157; 4巻, p.155)
「いまだに悔しくて目がさめる」
駅正面から出て右を見てください

マンホール

マンホール(1巻, p.11; 6巻, p.1)
「あっ ロウ君見て!!」
街中にありますが、これは駅前中央通のものです

街路灯

ケンゴくんたちがヤンキーに絡まれそうになった場所(3巻, p.146)
「あいつら鬼のように鍛えてるからなァ……」
駅前中央通沿いにあります

王子製紙スケートセンター

源間慶一率いる北陵中アイスホッケー部が練習していたリンクであり、またイクラ事件直後の勇払対清里戦が行われた場所でもあります。老朽化および維持費の問題等から、2012年に惜しまれつつ閉鎖したそうです。現在は入ることができません。ここで練習されていた方は壁画が素晴らしかったとおっしゃっていたので、もう見ることができないのは残念です。

王子製紙スケートセンター(1巻, p.135; 4巻, pp.168-169ほか)
「おいフジよ」
原作で描かれている様子より木が成長していますね
王子製紙スケートセンター(1巻, p.135; 4巻, pp.168-169ほか)
夜は雰囲気が違って、これはこれでかっこいいですね

nepiaアイスアリーナ(旧白鳥王子アイスアリーナ)

原作の頃は「白鳥王子アイスアリーナ」でしたが、2023年に改称し「nepiaアイスアリーナ(通称:ネピアリ)」になりました。苫小牧を拠点とするアイスホッケーチーム、レッドイーグルス北海道の拠点でもあります。

白鳥王子アイスアリーナ(2巻, pp.126, 130; 4巻, p.111; 6巻, pp.3, 9)
白鳥王子アイスアリーナ表看板
施設内にこんな展示があったときもありました
選手たちが座るベンチ
一般滑走もできます
全国高等学校スケート競技アイスホッケー競技大会(インターハイ)決勝時源間慶一が座っていたと思われる席(2巻, p.129)
「俺が奪い返す」
樋口先輩がケンゴくんと密会するときに立っていた場所(4巻, p.112-15)
「蹴落とすしかねえべ?」
同会場でのレッドイーグルス北海道×TVアニメ『ゴールデンカムイ』 スペシャルコラボレーションデー開催の際、モデルとなった駒苫アイスホッケー部OBの選手のユニフォームが展示されていました。キャプテンの19番、かっこいい〜
※撮影許可取得済

北海道大学苫小牧研究林

苫小牧研究林入口(2巻, p.154; 6巻, p.67)

作中では「苫小牧演習林」ですが、正式名称は「苫小牧研究林」だそうです。駅前からはやや離れています。なお、林内の環境保護のためペット同行禁止やバイクでの入林禁止など細かいルールが決まっており、立入制限区域もありますのでご注意ください。

山王ハンバーガーヒル
研究林内にある急勾配の坂が、山王ハンバーガーヒル〜ひき肉にされる丘〜です。勇払高校アイスホッケー部員は、坂の頂上にある山王神社へ向けて坂道ダッシュをしていました。モデルとなった駒苫アイスホッケー部もここで坂道ダッシュをしていたそうです。

坂の下からの景色(2巻, pp.196-200; 3巻, pp.1-10ほか)
「出た!!紅露のカナディアンバックブリーカー」
急勾配すぎて頂上が見えません
坂の上からの景色(2巻, pp.196-200; 3巻, pp.1-10; 4巻, p.123ほか)
「ケツに頭を突っ込んでやれ!!」
頂上の山王神社(2巻, p.197; 3巻, pp.7-8; 4巻, pp.116, 124-127ほか)
どんぐりがお供えされていました
木の根が剥き出しになった穴がたくさんあるので、引っ掛かって転んだらひき肉になります
坂の横の崖から慶一が落ちそうになってケンゴくんに助けられるシーンがありましたが、横側は崖というほど急にはなっていませんでした。それでも落ちたら危険(4巻, pp.128-129)
一般開放区域外へ許可を得て入林すると、こんな景色も見られます。鹿めっちゃいます。

下の大池

研究林内の「下の大池」

源間兄弟とロウくんが邂逅した池リンクはモデルがわかりませんが、研究林内にある下の大池がそれっぽかったです。水が透き通っていて綺麗でした。

ロウくんの帰り道

苫小牧研究林に続く道の途中です(1巻, p.123)
「錆び付かせるなよ」

緑ヶ丘公園

ボッコを持って走っているところです。駅からはやや離れています。敷地が大変広いので、歩いていくとなかなか大変です。階段や坂があります。地元チーム・レッドイーグルス北海道のプロ選手も夏場に陸トレでこの階段を登っておられるようですが、冗談じゃないレベルできつい階段です。

この階段の前に「金太郎の池」があるのですが、苫小牧の人は「金太郎池」と呼びます(2巻, p.160ほか)
「昇ってこい」
冬は雪で滑って危ないです(2巻, p.160ほか)
二瓶監督が語った場所(2巻, pp.160-174ほか)
「事実である!!」
屋根はなくなっていました。階段の上からは滑り台で降りられますが、かなりスピードがでるうえ長いためお尻が終わりになります
ハイランドスポーツセンターへ向かう道。鹿がたくさん生息していて、近づいても逃げずに人間をじっと見つめてきます

苫小牧市ハイランドスポーツセンター

緑ヶ丘公園内の坂の上にあります。勇払高校アイスホッケー部が使っていた屋内リンクは2011年に閉鎖されてしまったそうです。屋外リンクは『巨神兵ちゃんの恋:スピナマラダ!外伝』で和歌美ちゃんがスピードスケートの練習をしていた場所だと思われます。隣接しているからこそ、自分の練習終わりに屋内リンクを覗きに行けていたんですね。かわいい〜
水嶋がカラスを肩に乗せて脇オナラしていた場所もこの辺りのはずです。

ハイランドスポーツセンターの外観(3巻, p.35; 6巻, p.197[電子版])
自販機の群れ
和歌美ちゃんが練習していた屋外リンク(6巻, p.197[電子版])
「自信をもて和歌美!!」
使われていない屋内リンクと思われる建物(3巻, pp.35, 126; 4巻, p.110; 6巻, p.13)
「ハイク!ハイク!」

ダイナックス沼ノ端アイスアリーナ

宮森中対北陵中の試合が行われたリンク。ロウくんが初めてアイスホッケーの試合に出た場所であり、またマサトくんが出場した全国高等学校スケート競技(フィギュア)選手権大会の会場でもありました。苫小牧の東側にあるので、やや市街からは遠いです。日によっては一般滑走もできます。

外観、まんまるでかわいいですね
一般滑走に行ったんですが、平日だったためかガラガラでした。でも氷質が良くてめちゃくちゃ滑りやすい!
選手控え室の扉にスティックのイラスト

苫小牧西港フェリーターミナル

八戸清里高校アイスホッケー部一団が降り立った場所です。

「やっと着いだじゃ」(4巻, pp.130-131)
こんなとこで吐いたの?
「としゃあ〜ッ」「先生桐渕が船酔いで吐いでら」(4巻, p.132)
八苫の船から見た景色
結構揺れますよ〜

勇払地区

舞台は勇払高校ですが、勇払地区内に高校はありません。勇払という名前

はおそらく現在の勇払地区ではなく、勇払原野からとられているのだと思います。モデルとなった駒苫は美園のあたりにありますので、勇払に同作の聖地はないように見受けられますが、せっかくなので行ってきました。観光地ではないため、くれぐれも住民の方々の迷惑にならないように……。また、JRで勇払駅に行く場合、ICカードは使えませんのでご注意ください。

勇払駅の駅名標
勇払駅舎
勇払駅ホーム
勇払前浜広場
景色がいい浜辺でした。和歌美ちゃんとハルナちゃんが砂遊びしていたのはこのあたりかも?
飛行機が描かれている通り、新千歳空港から近いこの地域では飛行機が真上を飛ぶことが多いので、しょっちゅう飛行機の音が聞こえます(2巻, p.73)

札幌の聖地

中島公園

毎年6月14日から16日まで開催される北海道神宮例祭(通称:札幌祭り)の会場です。オートバイサーカスは2023年度には出ていませんでした。

倉田を蹴飛ばす和歌美ちゃん再現(3巻, p,176)
「すげ───っ」
中島公園内の菖蒲池です
子どもが中に入って遊ぶやつ(3巻, pp.165, 169)
「あのゴリラが歩いてきたのかと思った」
お化け屋敷(3巻, p.164)
リンゴ飴(3巻, pp.164, 166, 168-169; 4巻, pp.104-105)
「あの…これよかったら食べますか?私のリンゴ飴」
タコ焼き(3巻, pp.167, 170-171)
「オレはタコ焼きが大好きなのに」

すすきの

雪花アイスホッケー部に追われ、中島公園から走って逃げてきた先です。

すすきのNIKKAウイスキーおじさん(3巻, p.178)
「ごめん おれ試合に遅れちゃう」

月寒体育館

雪花高校と勇払高校の練習試合会場です。

和歌美ちゃんがロウくんにリンゴ飴を渡して玉砕する場所(4巻, p.104)
「ロウ君サイテー」「ひどい男だ」「このバカ」
月寒体育館外観(3巻, p.178; 4巻, p.96)
二瓶監督がご乱心指導した現場(3巻, p.178ほか)
「こいつら囲んでカベ作れ」
ムーンちゃんとサムくん(4巻, 扉絵)
リンクサイドとザンボーニ(4巻, pp.94, 97ほか)
客席(4巻, p.1)
「ここは雪花のホームなんだ」
客席(4巻, pp.2-3)
レッドイーグルス北海道の試合を見に行ったときの写真です

大倉山ジャンプ競技場

雪花高校の倉田の回想で出てきた場所です。
札幌オリンピックミュージアムが併設されていて、オリンピックの歴史を学ぶことができます。アイスホッケーやアイススレッジホッケーの防具などを間近で見たり、ゴールキーパー体験ができたりします。楽しいです。

大倉山ジャンプ競技場入口(4巻, p.42)
下から見たジャンプ台(4巻, p.42)
「『好きじゃないならやめてもいいぞ』……だってよ」
ジャンプ台の上からの景色(4巻, p.43)
「もう1人で戦わなくていいんだぞ」
五輪のマーク(4巻, p.43)
「ホッケーはみんなで戦うんだ」

八戸の聖地

6巻に集中して描かれています。浩一のランニングコースでもありますが、坂がちなうえに歩道がない道も多いので、浩一のランニングへの執着心というか、ストイックさを思って気が遠くなりました。
アジアリーグに所属するアイスホッケーチーム・東北フリーブレイズの拠点でもあります。試合観戦もぜひ!

蕪嶋神社

下から見た蕪嶋神社(6巻, p.60)
蕪嶋神社から見下ろした景色
ウミネコの繁殖地らしく、たくさんのウミネコが見られます。

鮫駅

鮫駅前の鮫ちゃんクリスマスバージョン(6巻, p.60)
「部活が無え日なんだすけ休んだらいいのに」

鮫角灯台

歩道がない道を通るので、車がないとたどり着くのは結構厳しいです。逆にここまで徒歩で行った浩一と桐渕の謎が深まります。

漫画と同じ画角で(6巻, p.63)
「いがは迷わずシュートを止められるが?」

おまけ

スピナマラダ!特別展

とまこまいスケートまつりで行われた「スピナマラダ!特別展」の様子

アイスホッケー的おみやげ

苫小牧市の洋菓子店・三星ではアイスホッケーのお菓子を買うことができます。美味しいです。ハスカップジャムを使用したロールケーキ・よいとまけも食べにくくて美味しいのでオススメです。

野田先生のサイン色紙

札幌市内の珈琲豆屋さんに野田先生のサインがありました。『ゴールデンカムイ』のサインは道内のいろいろなところで見られますが、『スピナマラダ!』のサインはとても珍しいそうです。コーヒーがとても美味しく、店主さんも親切で、素敵なお店でした。
※撮影許可取得済

おわりに

アイスホッケーを題材とした漫画、『スピナマラダ!』が『ドッグスレッド』として再創生したこと、大変嬉しく思います。両作が呼び水になって、アイスホッケーがより盛り上がっていくことを祈っています。

アジアリーグアイスホッケー(略称:AL/ALIH)2023-2024シーズンにおいては、『スピナマラダ!』の聖地である苫小牧、八戸、日光だけでなく、新横浜や韓国のアニャン市でも試合が行われます。『スピナマラダ!』を読んでアイスホッケーに関心を持たれた方は、ぜひ本物のアイスホッケーも見てみてください。最高にワクワクして、最後まで走り続ける選手たちから勇気をもらえると思います。

また誤記や間違い等ございましたら、コメントいただけると助かります。お読みいただきありがとうございました。

『ドッグスレッド』聖地巡礼記録もあります。併せてぜひ。

2023年6月2日
قِطَّة

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