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人口集中地区とは?ドロ-ンを飛ばせない?ドローン規制の謎に迫る

ドローンの世界にようこそ、どうもこんにちは!
ドローンBusiness研究所ヒロユキです。

こちらのnoteでは、週一回程度のペースで、ドローンに関わる様々な情報を発信していきます。
どうぞ宜しくお願いいたします。

今回は、ドローンの特定飛行の中に出てくる飛行する空域「人口集中地区(DID)」についてお話しいたします。

ドローンを飛行させているみなさんも、よく耳にするけど、調べた事ないなぁと言う方は、このnoteをご覧いただくのもいいかもしれません。

人口集中地区とは

「人口集中地区」とは、都市の地域を統計データに基づいて一定の基準により設定された人口の多い地域のことです。
人口集中地区は、DIDと略されることもあり、これは「Densely Inhabited District」の頭文字を取ったものです。

この人口集中地区は、都市部と農漁村部の違いを明確にするために設定された統計上の地域単位です。

もともと市及び区はまとめて市部として、町及び村は郡部として、それぞれ都市的地域又は農漁村的地域を表すものとして使われていました。
町村合併及び新市の創設による市町区域の拡大などにより、市部・郡部といった地域分類が必ずしも都市的地域と農村的地域の特質を明瞭に示さなくなった事情を考慮して「人口集中地区」が設定されたのです。

集中地区人口の設定基準は、人口密度と地域の隣接に設置されています。
1平方キロメートル当たり4,000人以上の人口密度を持つ地区を「基本単位区」と呼びます。基本区に隣接した地区を合わせた人口が5,000人以上となる地区が人口集中地区に該当します。

個々の基本単位区等が人口密度の基準を満たしていた場合でも、隣接した基準を満たしている基本単位区等の人口を合わせた合計が5,000人未満の場合は人口集中地区とはなりません。

また、基本単位区の人口が増加し、それら隣接した総人口が5000人以上になると新たに人口集中地区として設定されます。逆に、基本単位区の人口が減少し、連接していた地域が分断されるなどで総人口が5000人以下になると、人口集中地区から除外されます。


この人口集中地区は都市計画や地域開発の重要な情報源であり、地方行政の解決案や統計資料の提供に活用されています。

人口集中地区(DID地域)のマップは、5年毎の国勢調査の調査区地図を基に設定されています。

そして、DID地区は国土地理院の地図やアプリで確認する事ができます。


人口集中地区で飛行は可能か

ここでは、人口集中地区でドローンの飛行は可能なのかを解説いたします。

人口集中地区について、航空法においては「人又は家屋の密集している地域の上空」と表現され、その飛行については、下記のような記載があります。

一 無人航空機の飛行により航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがあるものとして国土交通省令で定める空域
二 前号に掲げる空域以外の空域であつて、国土交通省令で定める人又は家屋の密集している地域の上空
2 何人も、前項第一号の空域又は同項第二号の空域(立入管理措置を講ずることなく無人航空機を飛行させる場合又は立入管理措置を講じた上で国土交通省令で定める総重量を超える無人航空機を飛行させる場合に限る。)においては、同項に規定する場合に該当し、かつ、国土交通大臣がその運航の管理が適切に行われるものと認めて許可した場合でなければ、無人航空機を飛行させてはならない。

第四節 無人航空機の飛行 (飛行の禁止空域) 第百三十二条の八十五

ここから読み取れるのは、国土交通省へ許可申請を提出し許可された場合に飛行が可能という事です。※国土交通省からの許可が出たとしても、他人の敷地内を飛行させるなどの場合は、その持ち主に許可を取る必要があります。

言うまでもないですが、このような規制があるのは、民家やビルなどが密集している地域の上空で飛行させ、ドローンが落下した場合に第三者を巻き込む事故に発展する危険性が高いからです。

また自由に誰もがドローンを飛行させていたら、万が一の事故の際に飛行させていたパイロットの特定も難しくなりますし、そもそも目的や仕様の異なる無数のドローンが飛行する事で事故の引き金にもなりかねません。

そして、ドローンの飛行にはDID以外にも「飛行する空域」や「飛行の方法」にも注意をしないといけません。この規制に違反すると「50万円以下の罰金」が課されることもあります。
万が一落下事故を起こした場合には、損害賠償が発生する可能性もあるので、飛行に関わるルールや安全飛行のための取り組みは、事前に必ず確認してください。

よく勘違いされるのが、自宅の庭であっても、周囲に人がいなくても、そこがDIDである以上は無許可では飛ばせません。

その他の「飛行する空域」や「飛行の方法」については、過去のnoteをご参照ください。

人口集中地区で飛行させる用途

そもそも、人口集中地区(DID)でドローンを飛行させるケースは、どのような場合があるでしょうか。

これらは日本以外も含めた「都市部」での活用例です。

  1. 調査・観測:ドローンは上空からの視点で映像やデータを提供できるため、都市計画や地域開発の調査に活用されています。建物や道路の構造、土地利用状況、交通量などの情報を収集でき、効率的な都市計画やインフラ整備の基礎データとして活用されます。また建物や橋梁、配管などの構造物の点検にもドローンが広く利用されています。

  2. 防犯・監視:人口密集地域では、犯罪も発生しやすい傾向にあります。そこで防犯や監視の重要性が考えられます。ドローンを利用することで、監視カメラの死角などを補完し、犯罪予防や安全確保に貢献できます。日本では検証レベルで実施されていますが、米国では実際に警察組織に導入し活用さている事例もあります。

  3. イベント・広告:ドローンの特異な視点から撮影された映像は、広告や宣伝活動においても効果的な映像素材になります。またイベントとして近年では、各地でドローンのイルミネーションを利用したドローンショーなども盛んになってきています。

  4. 災害対応:災害発生時、ドローンが被災地の状況を撮影する事で被害状況の確認や救助計画に役立ちます。 ドローンは被災地の広範な範囲をカバーできるため、迅速かつ正確な情報収集が可能です。

上記のように都市部での飛行は業務用途での活用が中心となり、そして用途はさまざまです。

一方、趣味目的での飛行の場合は、DIDを問わず、原則「個別申請」で許可を取ることになります。
個別申請は、包括申請に比べて飛行経路を特定しルートを示した図面などを準備するなど手続きが煩雑になります。

また、人口集中地区での飛行は、人の往来や交通量も多くなるので、それだけ事故の危険性が高まります。趣味のために大きなリスクを抱えるというのは、お勧めできません。

趣味目的の飛行の場合は、「特定飛行」とならない空域・飛行の方法をとることによりリスクを軽減できると考えます。

それには、DIDではない場所での飛行が考えられます。
またDIDであっても、倉庫や体育館などドローンが屋外へ出ない隔離された場所が航空法の適用外でもあり、安全上も最適です。

また屋外でも防護ネットで囲まれドローンが飛び出さない措置を講じた場合も屋内とみなされますので、航空法の規制が適用除外となっています。

最後に

人口集中地区は、都市の地域を統計的に決めるための地域区別です。 ドローンの飛行に制限があるのは、人口集中地区における公共施設や人への危害の影響を考慮し、プライバシーや安全性を確保するためです。尚、地域ごとに異なる制限があるため、各自治体や関係部署へ確認することを忘れないようにしてください。

それでは、またお会いしましょう!

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